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うらがわ

「薄焼先生、彼へ『メール届いてる?』って送ってみました。スッキリしましたよ。
なんなんでしょうねー。
私は彼の何を見ていたんでしょう。」


「あんたに限らずやけど、1人の人間の全てを知る事、見る事は無理な話や。
それを大前提に考えてみたらどう?
何も知らない同士、わからなくて当たり前!


人間は、"おもてがわ"と"うらがわ"どころか
何面にも何層にもなってるもんや。

他人にあんたの全ての面を見てって言うのも、逆に相手の全てを見るのも無理な話よ。

裏から見たら表が"うらがわ"
裏も表もなくて、どの面から見ても全てが表側で"うらがわ"

その人の一部をあんたの見たいように見てる。
あんただって相手からは、相手の見たいように見られてる。

ただそれだけ。

それでも不思議と、お互いが心地いい距離感で、心地よく互いを見る事が出来る関係の人がいる。それが今身近にいる人たちなのかもしれへんな。

勿論そうじゃない人やっておるからこそ、違和感という感情がそれをキャッチしてくれる。

プロフィールやら趣味や年収や、会った時の空気感や抱き合った時の肌感や、声、会話、あんたにとって何が大切かでもあんたの見る位置が既に固定されてる事にも気づかなあかん。


おばちゃんやってそうよ。
旦那さんとは何で繋がってたんやろって思うほどやけど、たまたまお互いの見えてる部分の心地良さがお互い合ったんやと思う。

言葉では説明しがたいな!
ごめんやで。

おばちゃんも日々実験や。
トライ&エラーや。

でもな、確実に言える事は
心配せんでも確実にあんたにとっていい人生になるようにしか進んで行かへんって事。

どーゆーわけか不幸になられへんの!なりたかったとしてもな!

ほら!あんたは作品も作ってんねやろ。
見えへん時間を形にしていく!
こんな時こそ失恋の今の時間を形にしぃ!


かわるがわる展3 短編集
2020.06.24【うらがわ】より

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