あの頃、君の靴は尖っていた
音楽番組を見ていると、アイドルの嵐の特集が放映されていることがある。彼らのデビューから現在までの人気の曲を、当時の映像とともに紹介していくような特集だ。そんな中、2007年あたりの嵐の映像が出てくると、自分は途端に複雑な気持ちになる。
2007年、世の中では「お兄系」と呼ばれるメンズファッションが流行っていた。猫も杓子もFF7のクラウドみたいなヘアスタイルで、ギャル男ともホストともまた違う独特の格好で街を闊歩していた。自分もその一人だった。
流行は一般人だけに留まらない。そのファッションの片鱗は、嵐やKAT-TUNといったジャニーズアイドルにまで波及していた。だからちょうど2007年前後の嵐の映像が出てくると、お兄系を目指していた自分と重ねてしまい、何とも言えぬ気持ちになってしまうのだ。
そうは言ってもファッションの流行はループするとも言われている。そこで今回は数十年後のお兄系第二世代諸君に向けて、第一次お兄系ブームの特徴を紹介しよう。
ヘアスタイル
お兄系と言えば、何と言ってもヘアスタイルがその特徴だ。
束感を重視しつつ、落とすところは落とす。そして前髪中央にも一本、太めの束を作る。適宜ハイライトも入れて軽さを演じる。このシルエットが大事なのだ。
毛の根元にワックスを付けて髪を立たせるため、若くから禿げる人もいたとかいないとか。街で見かける禿げ頭は、もしかすると元お兄系かもしれないぞ。
小顔効果を狙って、どれだけ髪にボリュームを持たせられるかがお兄系の勝負どころと呼ばれている。
先の尖った靴
お兄系のマスターピースと言えば、先の尖った靴である。
オシャレは足元からとはよく言うもので、お兄系の本気が垣間見えるのが先の尖った靴である。アニマルレザーや謎の金属が付随するとなおポイントが高い。
お兄系は孤高の存在で、誰も寄せ付けないぞという意気込みをその尖り具合で表現している。
ストール
なかなか目立たないが、天の羽衣、ストールも実は欠かせない。
意外かもしれないが、お兄系はこのアイテムに主張を作ってくる。基本的に季節は関係なく、薄手のストールを首に巻けば体の線が細くなり、より髪と靴に視線が向いてしまうという算段だ。
また、他をゴテゴテの硬派なアイテムで揃えていても、ストールさえ巻いておけば柔らかさが生まれるという利点も侮れない。ストールがどこか中性的なイメージを醸し出してくれるだろう。しかし女性諸君はそのイメージ通りに受け取ってしまうと危ない。それこそお兄系の思う壺だ。蛇は一匹で良いのだ。
嵐で見るお兄系
さて、それでは実際に嵐で見てみよう。全てYoutube動画からの引用である。
二宮以外全員、先が尖った靴でアウト！相葉に至っては腰からストールらしきものが。
松本、相葉、櫻井、髪型でアウト！櫻井はこの日も尖っている。
松本、相葉、ストールでアウト！ただし2008年になってくるとややお兄系の圧がトーンダウンしてきている。
まとめ
このように、ジャニーズアイドルにまで浸透するほどお兄系は1ジャンルとして流行っていたのだ。男が独りよがりでファッションを楽しんでいただけでなく、女性層からの一定の支持ありきのお兄系だったのである（再掲）
未来のお兄系第二世代の君たちは、どうかそのスタイルを誇ってほしい。ただブームが去った10年後のMステは見ないほうが良いだろう。
てへ