# 44 悩める人間
権力や力の(power)の濫用は古今東西、未来永劫に存在し続ける。これを受け入れる遺伝子が我々に備わっているのだろうか?摩訶不思議である。
力や権力などについて調べてみた。
今回も漸進法を取り入れて話を進める。
1。権力の各分野へ不当な行使は続いている。それが世界の秩序を乱しているのではないだろうか?
2。昔から、権力は秩序を乱してきた。その乱れが新たな世界、新たな秩序をもたらしたのだ。
3。権力がまるで進歩の立役者のような意見だ。力は後退をもたらすこともあった。ローマ教皇の力は暗い中世をもたらした。それを覆したのが、ルネサンスであった。力は気まぐれでもあるのだ。
4。だが力は体勢の安定をもたらし、民の安心に繋げて来た。
5。現在は体勢の安定より、変革を求めている。より良い世界を目指しているのだ。
6。より良い世界とは?具体的にしてほしい。
7。自由な自立した民主的な国家を目指して戦いが繰り広げられている。圧政から解放される事が喫緊の課題であろう。
8。圧政は戦争の正当化に使われる場合が多い。ロシアはウクライナでロシア人が弾圧されている。ウクライナはロシアから侵略や内政干渉を受け続づけている。どちら側も力の弊害を理由に戦いを正当化している。圧政は都合が良い様に使われる.
9。圧政は越権行為そのものである。学問の世界に、芸術の世界に、科学の世界に、他国に、まるで土足で上がり込むように。日本学術会議の問題を想起すれば分かりやすい。権限の範囲を逸脱した「権力」は不当であり、圧政である。
10。権力は個人の自己中心的な言い分を跳ね除けて、社会を良くする事だってある。それがなくては、社会が回っていかない。
11。権力と個人の権限とのせめぎ合いは、どちらに軍配を上げるのかは微妙な問題だ。専制国家では権力が幅を利かすのだが、民主主義国家はそうは行かない。
13。権限、権利、権力などの言葉の違いが分かりにくい。それらの言葉の関連性もあるはずだが?
14。ここで権利と権限と権力について調べ整理してみた。
「権限」とは、職務担当者に承認され、行使できる範囲が限定された意思決定権である。
一方の「権力」は、属人的な能力を指している。「power」に相当する。これには承認の有無は関係ない。
『権限」に「権力」が伴うこと自体、特に問題ではない。
「権限」は範囲が限定されているも、それに付随する「権力」も、当然に「権限」の範囲内で行使される。
しかしながら、問題は、「権力」が属人的な力であることであり、往々にして「権限を逸脱した権力」、すなわち「不当な権力」が行使されることがある。これが永遠の問題であると冒頭で述べた。
一方で権利は「したいことができる」自由であり、「されたくないことをしない」自由である。 深掘りすると、人間の欲していること、それに直結している。これを行使するか否かは、原則として、権利者の自由。 行使、未行使に伴う結果は、権利者自身が責任を持つ。
「権限」は 行使すべき状況下では、職責として、必ず行使せねばならない。 権限の未行使は、職務怠慢である。
15。説明はわかるのだが、力の濫用が止まらないのはどうしてなのだろう。
16。現代経営学とかマネージメントの発明者 ピータードラッカーによれば、『マネジメント』の中で、次のように言っている。
「マネジメントはもともと権力をもたない。責任はもつ。その責任を果たすために権限を必要とし、現実に権限をもつ。それ以上の何ものでもない。」17。マネジメントで権力を持たないと言うことは、個人が関わる訳で、夢物語ではないか。
18。彼はマネジメントでは主語は私ではなくて、我々という言葉を活用している。働く人同士の会話で主語を「わたし」から「われわれ」にすれば、組織全体に立って考えるし、組織全体に立った発言になり、属人的な権力を持たなくなる。
彼はナチスドイツ戦時下で米国に亡命したユダヤ人であり、圧政を肌で感じていた。彼の言うことは、経験に裏付けられた重みがある。
19。まるで、自民党の5人衆のようで、集団で事に向かう難しさがある様にも思うのだが。しかしながらアイデアとしては取り入れている企業もあるのだろう。
さて、社会は少しずつでも良い方向に向かっているのであろうか?。数世紀前には、国王の力は国の安定をもたらし、民の暮らしを保証する、と帝国主義を賛美していた。この様に、国は属人的な能力によっておさめられていたのである。今でも、その様な専制国家は数多くあるのである。これらは将来、民主主義国家になり得るのだろうか?
20。独裁者が良い政治をすることもある。しかし、力は属人的であり、気まぐれ。圧政のリスクもあるのだ。一方で、グローバル化している世界は、人、物、金、だけでなく情報も国境を簡単に跨いでくる。専制国家の経済が傾くと、国民は黙っていない。ネット社会が知る権利に繋がり、民主主義への起爆剤になるので、独裁者は気が気ではないはずだ。力とか権力の濫用は、ネット社会が解決してくれるのかもしれない。
最終的に明るい未来を予見する話になった。
楽観的すぎますか?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?