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お散歩記録 または本日の文化活動

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日常はセレンディピティ。
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#スナップ

路面電車のある街|四都物語

〈長崎〉 東京に住んでいるぼくにとっては、遠い街。 でも行ってみたら、どこか懐かしくて、既視感があった街。 こどもの頃の記憶にタイムスリップできた街。 平和公園、浦上天主堂...。 あの日の記憶も、みんなのために引き継いでくれている街。 〈富山〉 コンパクトシティという未来感と、昭和が同居した街。 なんだか触れ合った人たちがみんなやさしかった街。 どこへでも行ける路面電車が自慢の街。 ガラスを大切にする美意識の高い街。 〈広島〉 長崎とともに、忘れてはいけない記憶が

〈お魚たちが見た、渋谷の夏。〉

世の中、梅雨明け。 渋谷にいきなり真夏がやってきた。 コロナは明けないのに... 取り出したのは超広角8mmのフィッシュアイレンズ。 いわゆる魚眼レンズ。 ふだんはほとんど使わないのだけれど。 お魚になったつもりで、渋谷を泳いでみたくなったから。 道玄坂をくだり、センター街をなめて、宇田川の暗渠を泳ぐ。 スクランブル交差点は、コロナどこ吹く風で人が闊歩している。 人間はいつだって矛盾の中で生きている。 そうだね。 なにが正しいかとか、なにが正義かとか、したり顔で言う

〈東京下町、浅草の白昼夢>

曇り空から青空へ。 すみだリバーウォークを渡って浅草へ。 そこには天然色の浅草。 思わずアウトフォーカスで切り取った、浅草の色。 型にはまらずにいろんな表現を試みたい。 その中に自分らしさが滲み出ていたらうれしい。 そんなことを思った、この日。

自分はなにを撮っているのか? 2020.09.23

自分はなにを撮っているのか? というのは、自分は何に興味があるのか? と同義。 一言でいうとなにかな、たぶん暮らしかな。 暮らしというとなんだか軽いけど。 ぼくの目の前を歩いている人は いったいどんな暮らしをしているのだろうか。 幸せかな、悩んでいるかな。 昼ごはん食べたかな。 ファインダーを覗きながら、 プライバシーにはギリギリ 踏み込み過ぎないように。 写しこんでいるのは、小さな人生。 自分に文才があったら、 1枚の写真、シーンから物語を書きたいくらい。 で

東京郊外、夏休み。2020.08.10

お盆ですね。 全国、全世界でたいへんな状況ですね。 東京都民も、それなりにいろいろと複雑な気持ちです。 悩んだ時は「利他的>利己的」の選択基準で行動を決めることにしています。 「それって、大丈夫?」 心の中で一回、きちんと自問自答して、お店で食事したり、散歩したり、美術館に行ったり、ちょっと遠出したり。 感染リスクに十分に注意を払いながら、エチケットを守りながら。 専務の実家に里帰り。 早朝の散歩。 ひとりで歩きながら、マスクを外して深呼吸。 ちょっとだけ湿っていたけ

小さな港と磯料理/磯魚料理鴨鶴(神奈川県横須賀市)

三浦半島、観音崎あたりを散歩するときにはよく立ち寄るお店。 昭和の香りを感じる店構え、美味しい地魚のお刺身。 小さな海岸の前にぽつんとある小さなお店。観光客が押し寄せるような場所ではなくて、行きつけにしている人たちが多そうに感じます。 お刺身定食 釜揚げしらすとマグロの二色丼 懐かしくて、あたたかな雰囲気。 以前に来たときに撮った写真ですが、お店の前には小さな海岸、鴨居港。 釜飯も美味しいですよ♫ 磯魚料理 鴨鶴 神奈川県横須賀市鴨居3-6-3 食べログ htt

自転車通勤/コペンハーゲンの朝

ヨーロッパの街の多くが自転車に優しい街だったりしますが、今までで一番それを感じた街がコペンハーゲン。出勤時間になるとわしゃわしゃと道路に自転車が繰り出す。 鉄道にも自転車用車両があるので、駅からも自転車通勤の人たちが、わしゃわしゃとでてくる。 それが、また、なんだかみんなおしゃれで素敵なのだ。 コペンハーゲンの中心部はわりとフラットなので自転車通勤しやすいこともあるかもしれませんが、駐輪場も含めてインフラ整備が充実してる。特に自転車通勤の動脈になる道は広くて「無理矢理レー

シビックプライドを感じる街/コペンハーゲン・プライド2019

シビックプライドとは、その都市に対して市民が誇りに思うこと。 曖昧に感じている地域への愛着とか郷土愛とはちょっと違っていて、権利と義務を持って活動する市民の一人一人が誇りに思っていること。きちんとした当事者意識をもって、地域に関わっていく市民性。 幸運にも今回の旅で、シビックプライドを象徴する出来事に出会いました。 コペンハーゲンプライド2019。 今から30年前の1989年、デンマークでは世界でいちはやく登録パートナーシップ法が成立し、同性婚が認められたそうです。もと

本が主役の図書館。/ストックホルム市立図書館

ストックホルム市立図書館。たしかCasaBRUTUSだったと思う。雑誌で観ていつかは訪れてみたいと思っていた場所にようやく行けた。 オレンジ色が美しい建物の階段を上がって、小さな扉を入り、さらに小さな階段を上がると、目の前に360度の「本の壁」が広がる。 吹き抜けの円形ホールに、本の壁は3層にわたる360度のパノラマ。 真ん中から眺めてみた。2階から眺めてみた。3階からも眺めてみた。 スウェーデン語や英語はわからないけれど、仕切りのない本の連続は本を探す人のインスピレーシ

路面電車のはなし。

「うらやましいなと思うこと」 乗り鉄でも撮り鉄でもないけれど、夫婦揃って電車に乗るのが好き。旅に出るとなると、鉄道での移動が最優先に組み込まれる。 とは言っても、私の場合たいがいは寝てしまうのだが...。 いつだったか北斗星で函館に行った時も、案の定早々に寝てしまい、青函トンネルも抜け、ぼやぼやと起きたら既に大沼公園だった…。あの時はほんとうにがっかりした。ちっとも夜行列車をたのしんでいない。 まあでもよいのだ、ガタンガタンという振動が子守唄になってこれほど心地よい眠りは

永康街、迪化街。下町の香り。

「この街は、東京でいえばあの街みたいだな...。」 台北に来ると、ついそんなことを考えてしまう。例えば西門に行けば、なんだかちょっと原宿みたいだなあとか。 東京の街に例えるのは悪い癖かもしれないけれど、台北を歩いている時に感じるやわらかな安心感は、東京のどこかの街に似た風景や小さな頃にどこかでみた風景への既視感、街を歩く人たちの中に自分が同化できているような錯覚に起因しているかもしれない。 「日本の人が台北に来ると、誠品書店に行って文房具とか雑貨をたくさん買って帰るけど、台

九份と十份。ふたつの老街を訪ねて。

「老街」。 台湾では主に日本統治時代に作られた古い街並みをそう呼ぶ。台北など大きな都市から少しだけ郊外に足を伸ばすと、いたる所に「◯◯老街」と名前がついた街があり、しばし日常を離れてノスタルジックな気分に浸ることができる。今回の旅では、九份、十份と、ふたつの老街を訪ねることにした。 九份老街は、台湾に興味がある方にはお馴染みの街。「千と千尋の神隠し」のモデルになった場所?として有名。多くの人が一度は訪れたい台湾の街。 この街を初めて訪れたのは、かれこれ20年近く前。今のよ

街でみかけた、バンクシー。