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マネジャー(管理職)2026年問題

前回の記事で、共創が生まれる条件の1つとして「実現したいことが明確であること」を挙げた。つまり"共通の目的"が明確であるとき、知識の結合が起こるということだ。

この"共通の目的"の種を見つけるべく、先月から運営をはじめたバーチャル・コワーキング・ビレッジで「それぞれの専門領域から見た、新しい種類の社会課題は何か」を収集し、それを研究会として学びの機会とすることにした。

ドラッカーは、未来を予期することはできないが「新しい現実」「すでに起こった未来」を体系的に観察することで、それをイノベーションの機会とすることができると言う。社会課題を収集し、研究することは、将来的にビレッジ参加者の事業機会につながっていくはずだ。


今回の投稿のタイトル(マネジャー(管理職)2026年問題)は、マネジメントの専門家として私が気になっている「新しい種類の社会課題」の一例だ。

2026年になると大企業で団塊ジュニア世代の役職定年が本格的に始まる。おそらくそこから数年以内に、日本中のマネジメント(管理職)人材は急速に不足するようになる。

調査会社のデータによると、全世代平均で60%以上、20代に限れば80%以上が「昇進を望まない」と答えているという。つまり、この管理職人材の不足という問題は長期固定化することが確実なのだ。

もはや「社員の動機づけ」のような小手先のテクニックで解決できる問題ではない。より根本的な策を今から考えないと、早ければ数年以内に日本中のあらゆる組織で、マネジメント不全による組織崩壊が多発する。


では、この問題をどう解決すれば良いのか。

私なりの現時点の答えは、”マネジメント=人”として見ることをやめ、”マネジメント=仕事”と捉え直すことにあると考えている。

"マネジメント=人"と見る限り「今と同じ数のマネジャーをどう確保するか?」を悩み続けることになるが、”マネジメント=仕事”と捉えれば「現在の半分の数のマネジャーでどうマネジメントの仕事を機能させるか」を考えられるようになる。

”管理職”という職種のコンセプト・チェンジを行うことで、現在あちこちの企業で問題になっているような、管理職が板挟みになり激務を強いられるような状況も、同時に軽減を図れるようになるかもしれない。


上記は研究テーマの一例だが、このように社会課題となり得るものを研究することによって、メンバーそれぞれの専門領域から、知識や経験が共有され、解決のためのツールも生まれてくるはずだ。

われわれの周りにいる企業や組織に対し、何かポジティブな影響を及ぼす機会が増えれば増えるほど、ビレッジに参画するメンバーの活躍の機会も増えていくものと考えている。

このスペースを立ち上げたとき、その目的(ミッション)を「共創における場所と距離の制約をなくすこと」とした。

しかしこれは、さらなる目的のための手段だったのかもしれない。

その奥にある目的(成果)は、「共創を通じて”働く”に関わる新たな課題をクリエイティブに解決すること」にある。

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