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生きるために仕事をすることと生きるために仕事を辞めること。②

以前から弟の仕事への考え方、というか私がしている仕事への考え方に不満があった。

多少はぶつかってきたし、意見も言った。しかし、押さえつけられて終わりだった。

私は明らかに弱者であり、”雇ってもらっている”立場であった。

家族というのは、必要以上に甘えあってしまうものであり、感謝や謝罪の言葉が足りなくなってしまう間柄であることはよく分かっている。反省するところだけれど、私もそういうところはあるから。

しかし、仕事において、そういったことを踏まえてもあまりにもひどい扱いをされる事件が昨年末に起こったのである。

私が思い切り意見をぶつけたことで言い争いになり、自分が常に強い立場でいたい弟のプライドが私の発言を許さなかった。

そして私の尊厳を傷つけられた。


今となっては事件の内容はどうでもいい。

「頼んで仕事してもらっているわけじゃないから辞めれば」


私がシングルになり、生活のためにやってきた仕事。

それをお金以外で5年続けてきた理由。

仕事を与えてくれた弟の仕事がうまくいく手助けになったらという感謝からの気持ち。

それだけだったと思う。

そして私もやっぱり感謝されたかったのだ。必要とされたかったのだ。


私への感謝がないわけではないと思う。

しかし何の言葉もなく、自分の悪かったことも謝らず、見下し、尊厳を傷つける。

それでも弟からの感謝の気持ちを汲み取れるほど、私はできた人間ではない。

私からしたら理不尽な考え方、仕事への取り組み方も、弟からしたら変えたくない自分のスタンスなんだろう。

感謝も、必要とされることも、求めることが間違っていたのかもしれない。

仕事であっても、何においても他人軸でなく自分軸で見ることができないから不満が積もっていったのだろう。


今年のお正月、弟とは一度も会わず、話もしなかった。


そして仕事を辞めることにした。


何があろうと恩は返し続けなければいけないのか?

弱い立場は常に従わなければいけないのか?

自分をすり減らしてまでやり続けなければいけないのか?

労働に見合わない賃金でも生活の安定のために続けるべきなのか?


私はNOだ、と。

やっと言える決心ができた。


~であるべき、という考え方から解き放たれてもいいのかな、と。


私は、シングルマザーで、3人の子の母親で、弟の姉で、両親の娘で。

その前に。

私は私である。

私の人生を生きていいのである。

私は私のしたい仕事をして、したい事をして、一緒にいたい人達と幸せに生きていく。

その覚悟の上に子供たちと生きていく。


弟とは距離を置くことになるけど、家族だからってなんでも許さなくていい。弟が私のことをどう思おうと気にする必要もない。

ただ感謝はずっとずっとしている。

好きなところもたくさんあるかわいい弟なのだ。

いつか笑って話せる日がきたらいいな、とは思う。


私はこの決断を後悔しないように、

私らしい生き方で前に進んでいく。


私の人生を生きるために仕事を辞めた。


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