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ニューノーマルなエンタメについて

こんにちは、HHART代表の杉山 滉平です。

今回は、ニューノーマルの時代を見据えた、多種多様な人がエンターテイメントを楽しむための方法について考える企画を行います(アーカイブ動画はこちら▶https://www.youtube.com/watch?v=U3fJr5UshTk)。

まずはじめに、立命館大学BKCにはマジックプレイヤーズという奇術サークルがあります。私(杉山)はそこに所属していました。マジックプレイヤーズは、地域住民の方から、子供会や敬老会などの機会でマジックショーの依頼を受けては、数人の学生マジシャンがショーを行い、マジックを通して交流をしてきました。私もその奇術を通して、地域のイベントを始め、日本赤十字社のイベントや町おこしのイベントなどのあらゆる場所で、赤ちゃんから老人まで、あらゆる人と交流をしてきた学生マジシャンの一人です。

ある時、私のところへ、聴覚障害を持つ児童を対象としたマジックショーの依頼が来ました。今までにない内容の依頼でした。依頼者の方と何度か打ち合わせを行い、私ともう一人のマジシャンで念入りに準備をしました。
マジックには、音が発生するものがありますが、この時はこれに該当するマジックは全て排除しました。手話通訳者が居ても、私と児童とのコミュニケーションが難しいであろうことから、なるべくシンプルなコミュニケーションで成立するマジックの準備をしました。またこれまで、パワーポイントの準備をすることはありませんでしたが、どのような道具を使ったマジックをするかを伝えるために、パワーポイントによる準備もしました。
この念入りな準備をして、30人程度の聴覚障害を持つ児童へ、手話通訳を通したマジックショーを行い、子供達からたくさん楽しかったと言ってもらえるほどの、通訳者の方も驚いてもらえるほどの、周りの聴覚障害支援の方々に感謝されるほどの、大成功に終えることができました。

さて、時は流れて2019年。私はHHARTという団体で、音情報を振動情報に変えてコミュニケーションをとるハプティクスデバイスとそのデバイスを用いて聴覚障害者に向けてスポーツ支援ができないか、ということを検討をしていました。HHARTは、テクノロジーで人間の効能を向上させ、充実感・満足感の溢れる社会の実現させるという理念のもとに、デバイスとビジネスの検討を行なっている団体です。

私は、聴覚障害者向けのスポーツ支援について検討するにあたり、聴覚障害者の方がプレー音の発生するスポーツや娯楽ではどのような工夫や対応をされているのか疑問に思い、数年前のマジックショーの依頼者にご協力をいただき、インタビュー調査を行いました。インタビューの結果から、聴覚障害をもつ児童・生徒は、卓球や陸上など他者とのコミュニケーションを多く取らないスポーツを選択する現状を知りました。また、サッカーなどの広いコートを使うスポーツや多くのコミュニケーションを取る必要があるスポーツに関しては、興味があるが、コミュニケーションに不安で参入しにくい切実な願いを知りました。また、更なる調査の結果、聴覚障害を持つ子供たちは、プレー音が聞こえないことによるプレーの上達が難しく、達成感を感じにくいという課題を持っていることがわかりました。

この課題解決に向けて活動している中、新型コロナウイルスのパンデミックが発生し、私たちは必要最低限以外の外出やイベントは自粛するようなりました。それに伴い、多くのエンターテイメントも中止されることになりました。映画館やスポーツ観戦も制限がかかりました。外出制限がある中で、それでも外へ出かけ、エンターテイメントを求める人が現れました。つまり、私たちにとって、エンターテイメントは必要最低限のものではないと見なされているが、それでは「つまらない」ということもわかりました。

屋外での活動制限がされた一方で、屋内での活動が一気に活性化されました。テレワーク、オンラインによる講義や会議、オンライン飲み会などが一般的になってきました。オンラインにより場所を問わない交流が可能となったという大きなメリットがあるため、これからはオフラインイベントのほか、オンラインイベントも多く行われるニューノーマルな時代となるとHHARTは見ています。

しかしながら、現状では、どんなにオンラインでイベントを行なっても、オフラインでのイベントが良い、という不満の声が多く上がります。これは全人類に共通した課題です。聴覚障害を持つ児童がエンターテイメントの音が一般の方のように感じられるようになったらいいな、という悩みのように、全人類が画面越しの相手とオフラインのような交流をしたいなという悩みを持っています。

この悩みを解決し、満足度を上げるソリューションを提案することが現在のHHARTの活動の一つです。
今回のSustainable Week2020でHHARTは、マジックというエンターテイメントを画面越しで見ていただきます。

私自身もオンラインだからこそできるのでは?!という新しいマジックの見せ方について検討しております。私を始め、参加者の皆さんには、オンラインマジックショーを通して、ニューノーマルの時代に向けたエンターテイメントの楽しみ方について一緒に考える機会を作れたらと思っています。
ぜひ、企画に興味がある方、HHARTに興味がある方はご連絡ください。

【アーカイブ動画】オンラインマジックショー

本動画は、滋賀県立聴覚障害者センターの方に手話通訳をお願いしました。この度はありがとうございました。

#sustainable #SDGs #立命館大学 #エンターテイメント #福祉

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