TabiRepo加古川アイキャッチ2

SW実行委員会「ふるさと巡り」 TabiRepo②-2

こんにちは!立命館大学Sustainable Week実行委員会の野山美鈴です。
>>以前アップさせていただいたTabiRepo<第2弾>加古川編 ...の続編!
加古川 歴史巡り」メインに旅レポをお届けします!!

(これまでのあらすじ...)
私(野山)は、亀石弥都さんのふるさと 兵庫県加古川市の魅力 を体験するため、本場の「美味しい名物」を片っ端から食べて、歩いて。
脳に糖分を、お腹に満足感を補給したところで、まだまだ旅は続くのだった...

今もその名を残す 「加古川城」

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続いては、加古川城の跡地に建つ、称名寺へ。
ここには有名な大銀杏があり、今は落葉した真冬の姿で、その枝ぶりをくっきりと見せています。足下を見ると、まだかろうじて、まばらに黄色い葉の数々が。

「跡地」と聞いて私がぱっとイメージするものは、石垣のような遺跡でした。
なんとなく予想と違うな...と感じたけれど(歴史の長さを考えると納得ですが)
かつての様子がうかがえる遺跡は残っていないように見えました。
(石垣のようなものは少なくとも見当たらず。後で調べたところ、水路は現存するようです)

ですが「かつてそこにお城が建っていた」ことを、地元では学校で習うそうです。
数年前に大河ドラマで話題になった黒田官兵衛ゆかりのエピソードもあるようで、PR面でも力を入れている様子が垣間見えました。

その存在、それにまつわるエピソードは、現在に至るまで何百年もの間
目に見える形では無くなっても、文字に記され 語り継がれてきたのでしょう。
「...名こそ流れて なほ聞こえけれ
百人一首のとある歌が思い出されました。

歩いて、乗って、もっと遠くへ

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「あ、みたことある...この景色」と、駅に戻ってきたことを実感。
はっ!と時計を見ると、かれこれ4時間が経過...!
時間が経つのは早いものです。
そういえば、食べてる時以外は歩き詰めだった。流石に、足には疲労感が。
こんなのなんのその!!と強がりつつも(座りたいなぁ...笑)

と、駅周辺(?)の魅力を味わい尽くしたところで
せっかくなので...

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加古川市コミュニティバス「かこバス」に乗って、もっと遠くへ。

別府と書いて「べふ」と読む

市の木:黒松と 市の花:椿で彩られた、まっすぐ走る1本の道があります。
この道「松風こみち」はかつての別府鉄道の線路でした。

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「別府?  べっぷって書いて、べふ?」
漢字から想像されるのは、温泉で有名なあの別府で。
ややこしいわ!笑...と思っていたら、それにはちゃんと由来があるのだそう。

別府(別符とも)とは、平安時代末期から鎌倉時代にかけて成立した土地制度のこと。荘園の一部の区域が、当時の官吏である国司の免符を受け、独立的な状態になったことを表します。
加古川市【かこがわプラス】Facebook投稿より 参考資料

これは一説だそうですが、地元の方々の自治意識の表れが、地名という形になり、今にまで受け継がれているように感じました。

「鶴林寺で文化財を味わう」の巻

小雨に降られ止まれしながら、松坂こみちを少し逸れて。
聖徳太子ゆかりのお寺で、国宝を含む貴重な文化財が数多く残される「鶴林寺」へ

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門をくぐると、受付の方が目を輝かせながら、鶴林寺の見ドコロを語ってくださいました。エネルギーにやや圧倒されつつ...笑
とりあえず覚えきれないくらいの見ドコロがあることは伝わった!ところで
いざ散策!!

ハイテク手水舎、発見!

日本の寺社仏閣では広く見られる、身を清める手水舎(てみずしゃ)
ですが、ちょっと面白いことが起こりました。

「あれ...?この龍、水出てない...?」
おなじみの水掛け流しスタイルとは違うようで...

近づいてみると。数歩手前というところで、水がじゃーと流れ始めます。
きょろきょろと周りを見ると...屋根の裏側にセンサーが!
どうやら、このセンサーで人が近づくのを感知して水を流す仕組みになっているようです。無駄がない...!

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時折香るお線香。足音。
際立つ静寂。
身も心も清まったところで、本堂に向かって歩いていきます。

龍笛を聴きたい

本堂にて。
鋳物の小さな龍の笛。隣には小さな銅鐸(どうたく)の置物が。
どうしても、この龍笛が気になってしまって...その由来を尋ねてみました。

鶴林寺にはとても軽やかな音色を響かせる鐘があるのですが、その鐘を作ったのは高い鋳物の技術をもつ 高麗からの渡来人の方々だったそうです。この龍笛にも、その技術が活かされているのではないか、とのことでした。

御朱印をいただいてその場を後にする...のだけれど、一度でいいから龍笛の音色を聴いてみたかったな...
その背景だけでも聴くことができて、よかった。

「鐘楼」は英語で何という

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こちらが、先ほど述べた梵鐘の在りかで、特徴的なフォルムが美しい鐘楼です。
ところでですが、英語の説明と照らし合わせてみると...

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鐘楼 → Shoro(Bell Tower)
どうしてもBell Towerって聞くと「ノートルダムの鐘」のような洋風のイメージが浮かんでしまって。実物が目の前にあるので何ら問題は無いのですが、何となく拭いされない この「違和感」を、私は興味深く感じます。
また、文章の他の部分では、日本語では一言で済ませているところを、英語では丁寧に説明がなされていて。
日本文化にあって英語の背景である文化に無いものを英語で表す...この難しさを感じました。

「あいたた観音」

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滑らかな曲線を描く輪郭が造形美を感じさせるこの像は「あいたた観音」と呼ばれ、親しまれています。

昔、ある盗人の集団が、観音像を盗み出し、溶かして一儲けしようと企んでいた。なかなか溶けないことに苛立った一人が像を壊そうと打つと、「あいたた...」という観音さまの声がした。それを聞いた盗人たちは恐れおののき、改心した。

というような伝承がその名の由来となっているそうです...!
宝物館にアニメーションで伝承を見て聴くことができるビデオがあり、とても印象に残っています。ゆっくりとした音声、あたたかなイラストが何だか和みました。(「銅造聖観音立像」写真は鶴林寺HPよりお借りしました)

キハ2号「3つの時代をつなぐ修繕プロジェクト」

またまた、松風こみちに戻ってきました。
ところどころに残る「別府鉄道」の面影を追いかけながら...

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旧別府鉄道「キハ2号」へ。
老朽化が進み、荒廃していたというキハ2号ですが、最近はクラウドファンディングによる修繕プロジェクトが立ち上がっているようです!
今はビニールで覆われている窓もいずれ張り替えられるのでしょう。
線路を走らなくなってもなお、新しい姿になって「時代をつなぐ」まちの象徴としてその未来を走り続ける列車がありました。

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変わりゆく景色、変わらない景色

帰り道、昔よく亀さんが訪れていたという駄菓子屋さんの前を通りました。
閉まったばかりの店内からは少し光が漏れて、お店の方と地元の方が何やらお話に花を咲かせている様子が見えました。

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もうそんな時間なのか...と驚きつつ。
日没は着実に近づいていました。

もう日もすっかり暮れようかという頃、亀さんのお父さんに車で送っていただきながら少しお話をすることができました。

窓から見えるのは、建ち並ぶ住宅と眩しい車のライト...ですが、
昔はこの辺りも田んぼばかりで、夏になると家から花火が見えたそうです。
遮るものがなかったから。

今でも変わらず昔と同じ風景があって、でも同時に今はもう見れない風景もあって。まちは移り変わっていくものですが、その風景の「記憶」は何かの形で残ってほしいと思いました。このnoteがその一手段たり得たらいいな...と願っています。


最後になりますが、取材にあたって亀石さんとそのご両親に多大なるご協力をいただきました。ありがとうございました!

そして、最後まで読んでくださったあなたにも。ありがとうございます!
引き続き、"ふるさと巡り TabiRepo" をよろしくお願いします。

それでは、またお会いしましょう!

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