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檜山×「熱中症」×脱炭素

 北海道でもだいぶ暑い日が増えてきましたね。気象庁の3ヶ月予報によると今年の夏はかなり暑くなるそう。今からしっかり対策したい熱中症ですが、地球温暖化の話題とともにその対策を考えます。


増加傾向の熱中症

 昨年の夏は「暑かった」と感じた方も多かったのではないでしょうか。しかし、前述のとおり今年の夏は、昨年並又は昨年以上に暑くなると予報されています。
こうした中、気をつけたいのは「熱中症」です。総務省消防庁の発表によると令和5年5月から9月の全国における熱中症による救急搬送人員の累計は、91,467人となっており、平成20年の調査開始以降2番目に多い搬送人員だったそうです。都道府県別にみると北海道では、3,265人で実は全国で7番目に多い人数でした。全国と比較すると涼しいはずの北海道ですが、熱中症は他人事ではありません。

地球温暖化の2つの対策

 ところで、皆さんは、地球温暖化をはじめとする気候変動対策には2つの対策、「緩和」「適応」があることはご存じでしょうか。
皆さんが一番イメージしやすいのは、省エネや再生可能エネルギーへの切り替えといった温室効果ガスの排出量を減らして、地球温暖化を食い止める、進行を遅らせる「緩和」かと思います。
一方、「適応」とは、緩和策を最大限実施しても避けられない温暖化等の気候変動の影響に対しては、その被害を軽減し、よりよい生活ができるようにしていくことのことを言います。

出典:国立研究開発法人 国立環境研究所HP

 緩和策は世界中で様々な取り組みが進められていますが、対策したからといって、明日から気温が下がるということはありません。緩和の取り組みを進めながら、適応策も実施し、気候の変化に私たちが順応していくということは非常に重要です。

今からできる熱中症対策

 こうした適応の方法として、今回皆さんに紹介したい対策は「暑熱順化」です。暑熱順化とは、簡単に言うと体が暑さに慣れることです。そもそも熱中症になりやすい状態とは、体温が上昇しても皮膚の血流量が増えにくく熱を逃がしにくい、また、汗に含まれる塩分が多く、体からナトリウムを失いやすい状態のことです。暑熱順化ができていると、体温上昇もしにくく、熱を逃がしやすい体になります。

出典:一般社団法人日本気象協会「熱中症ゼロへ」プロジェクトHP

 では、この暑熱順化はどのようにしたらよいのか説明します。やることは単純で「本格的に暑くなる前に」「無理のない範囲で汗をかく」ことです。具体的には、ウォーキングやジョギング、サイクリングなどの運動で少し汗をかくことや、暑いからとシャワーで済ませず、しっかり湯船に浸かって入浴することが有効です。日頃から運動をするなど、普段から血行を良くし、汗をかきやすい体にしておくことが重要とのことです。
ちなみに、一般社団法人日本気象協会の「熱中症ゼロへ」プロジェクトのホームページでは、「暑熱順化チェック」をすることができます。是非、本格的な夏に向けてチェックしてみてください。

 また、暑熱順化は、数日、涼しい環境にいると元に戻ってしまうそうです。暑いからといってクーラーの効いた室内にずっといるのは良くないそうなので、注意が必要ですね。

指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)

 本格的な夏の暑い時期の対策として、今、取組が進められているのが、「指定暑熱避難施設」、いわゆる「クーリングシェルター」の設置です。
 「指定暑熱避難施設」とは、冷房設備が整った施設として、市町村があらかじめ指定した場所のことで、改正気候変動適応法で法的に位置づけられました。熱中症特別警戒警報が発表された場合には、開放することが義務づけられています。これまでも一部自治体や民間企業でクーリングシェルター設置の取組が行われていましたが、今年の法改正により、自治体を中心に一層の取組拡大が期待されます。
 北海道檜山地域でも、今金町がクーリングシェルターを設置しています。開設期間は6月1日から9月30日まで。町民センターや総合体育館を常時開設するほか、熱中症特別警戒情報の発表時には、地域の交流センターや集落センターでも開設されます。詳しくは、リンクを確認ください。

 また、江差町では昨年の姥神大神宮渡御祭において、臨時的にクーリングシェルターを開設したほか、クーリングシェルター以外の適応策として、上ノ国町では家庭へのエアコン設置補助の実施、厚沢部町や乙部町では各小中学校へのエアコン設置が実施されています。

最後に

 例年より暑いと予想されるこの夏、この記事が皆さんの熱中症対策のきっかけになれば幸いです。
しっかり熱中症対策をして、是非、北海道の短い夏を楽しんでください。
また、未来の子どもたちが楽しく外で遊べる夏を残していくため、緩和策にもしっかり取り組んでいきたいですね。


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