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「働く」 リレーコラム② - サチコ

文化放送部のリレーコラム、第2回目はサチコ(@cho_co7)の番です!はじめは「働くとは?」とか、「お仕事のこだわりって...」とか考えていたのですが。わたしにそんなに語れることはなく、自分のまわりの小さくてだいじなことを書いてみてみようと思い至りました。

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3つの場所のサチコ

わたしは新卒で入社したデザイン事務所に9年間勤め続けています。会社のことは大好きですが、ずっと同じ場所にいると世界が狭まっていくように感じたり、自分の実力に自信が持てなくなったりするのも正直な気持ち。それなりに遅い時間まで働いているので、長年、1日のなかで「仕事」が占める割合はかなり大きなものでした。

そんな日々の中でも「会社の外で何かをする時間」を計らずとも定期的に持っていました。大好きな下北沢でなにかしたい!と下北沢映画祭のスタッフをしたり、下北沢のお姉さんになりたい!とギャラリーのスタッフをしたり。最近ではお店の中のひとになりたい!と、西荻窪のカリーバー『シューベル』で3年くらいスタッフをしていました。

それから、会社に所属しているわたしとして、ではなく、どこにも属していないただの「サチコです」と名乗れる場所をかならず持っていました。プライベートで出会う人には必ず、職種名からではなく自分がどんな人間なのか、から知ってもらえるような関係性を願っていました。

会社のわたし、カレーバーのスタッフのわたし、ただのサチコ。その3つがあってやっと自分のバランスがとれているように感じています。

魚屋さんがサンタさんにもなれる

そんなことをぼんやり考えていたときに、ふと思い出したことがあります。幼い頃、毎年クリスマスになるとケーキを持ってきてくれるおじさまがいました。わたしたちは3姉妹で大喜び。「今年も、サンタのおじさんくるかな?」とわくわくして待っていました。高校生になっても、部活から帰ってくるとサンタさんが届けてくれたかわいいホールのショートケーキが置いてあり、喜びながら大きな疑問も持たずに食べていました。

数年前に里帰りしたときに分かった衝撃の事実。なんと、今もケーキを届けてくれているそのサンタさんの正体は、地元の魚屋さんだったのです。お魚屋さんいわく、一度、お土産でケーキを持ってきたとき、あまりにわたしたち3姉妹が喜び、それからもサンタさんと呼んでくれるのが嬉しくて、それから30年近くもの間、毎年ケーキを届けていてくれているとのことでした。

自分のえんぴつで何を描くのか

「働く」について考えるとき、これまで多くの人は「会社」や「職種」を思い浮かべたのではないかと思います。わたしもそうでした。でも今回改めて考えてみて気づいたのは、「働く」は、会社での肩書きや業務内容を指すのではなく、社会や人とかかわるときの自分の「はたらき」だと考えてもいいのではないか。「人を喜ばせる」とか、「相手が求めていることを理解して最適なものを提供する」とか、「相手が話しやすい空気をつくる」とか。そのかたちが「デザイン事務所のプロデューサー」だったり「カリーバーのスタッフ」だったり、「文化放送部の名ばかり副部長」だったりする。でも本質的にやっていることは、どこか共通しているんです。

イメージとしては「えんぴつ」みたいなもの。六角形だから、いろんな面が見えている。真ん中にある芯が、何をするにも大事にしている部分。そして芯の先で描くものが、すべてその人の「はたらき」なのだと思います。

自分のえんぴつの芯がなんなのか、それで何を描くのか。「働く」について考えるということは、それ見つめることなのかもしれない。

「誰かを喜ばせたい」魚屋さんが、誰かにとってのサンタさんにもなれる。

そんな生き方、はたらき方がきっと、心地よくて、面白い。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました!

つぎは、ディレクターのゆりさんです!お楽しみに。

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