川口 ゆり

ライター

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  • THE DAY

    またとなく美しい最高の波。その日について

最近の記事

いまこの瞬間と空間に、貴方が私の前に存在する美しさと、私が貴方を選んでいる美しさについて。

いつも幸せにしてくれてありがとう。人間は環境だけではなく、感情すらも実は無意識的に選んでいる。前向きな出来事があった際に「嬉しい」と選択しているのは自己であり、何かを失う出来事があった際に「悲しい」を手に取っているのも、またそうである。

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    • 「その日」について

      滅多に起こり得ない美しい波と光、風と太陽、気候がバランスよく整った最高なコンディションの素晴らしい日をサーフィン用語で「THE DAY」と呼ぶ。noteを書き始めてからここ数年、海が好きな私は海にまつわる実話を書き記してきて、気づけば多くの友人たちから海のような人間だといつしか呼ばれ、心の中の指針となるものを海で表すようになった。 そんなTHE DAYをどうしても言葉にして書き残したいと思い、久々にこのnoteという場所に帰ってきた。 どうしても今まで挑戦する勇気が出なか

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      • 話さなくてもいいから

        相手が話をしたそうな時は、存分に最後まで話してもらいたい。しかし、言葉に詰まっている時や、これ以上深く話すのじゃどうもしんどいだろうな、という時は「うん」とひらすらに受け止め、それ以上は深くは聞かない。なんでもざっくばらんに話せる関係性は大事だが、そもそも対話とは話を聞く・話すことよりも、ただその場で共にいることの方が本質なのではないかと大人になってからより感じるようになった。 椅子に座って目と目を合わせて話をするのもいいが、どちらかというと目を合わせなくても、同じ景色を見

        • 変わったね、といわれる幸せ。変わらないね、といわれる幸せ。

          変わらないね、という言葉の重み。全てを含めて相手に受け容れてもらえている安心感。社会生活を送っている多くの人々は、歳を重ねる度に少しずつでも表層的には変わっていく。誰といるのかや、職場環境。住む場所。やっていること。立場。責任。時間感覚。使う言葉。手に取るもの。簡単に分かりやすいものでいうと、見た目。時代がこれだけ速く移り変わる中で、10代の頃から、良くも悪くも自分はこれっぽっちも変わっていないといえる30歳はいるのか、きっとそうはいない。 私は「変わったね」よりも、「変わ

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        • THE DAY
          川口 ゆり
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        記事

          知らないからこそ

          「いい香りだね」と言われても「え、どの香り?」と何度も聞いてしまうほどには、金木犀の香りを私は27年経っても未だに知らない。北海道民には馴染みがないから、その香りに包まれて高揚感を抱く人がいる横で、私はいまだに香りを覚えられず「ふうん、そっかあ」とポカンとしている。 昨年もそうだった。今年もそんな調子だ。 知らないということは、尊い。 それは決して恥ずかしいことではない。知らないからこそもっと知りたいという欲求が生まれるし、意識的に耳をすましてみようとしたり、触れてみよ

          知らないからこそ

          誰もがここにいていいんだ、と思える優しい場づくり。「みんなのにげば」に触れてみる。

          突然ですが、あなたにとっての「居場所」とはどこを指しますか? 「ファーストプレイス」と呼ばれる自宅、「セカンドプレイス」と呼ばれる職場・学校。そして、一個人としてくつろぐことができる、心地よい「サードプレイス」。 この概念が広く知れ渡るきっかけとなったのは、スターバックスコーヒーが1996年に日本に出店したことでした。(出典:Wikipedia/サードプレイス) そんな従来のサードプレイスの役割を果たす場づくりをしつつも「にげば」という概念を用いて活動する一人の男性を今

          誰もがここにいていいんだ、と思える優しい場づくり。「みんなのにげば」に触れてみる。

          変わりゆくことも「あなたらしいね」と言い続けたい

          日々の繰り返しの中で、人は少しずつ変化している。迷ったり、悩んだり、手に取っては置いてみたり。大なり小なり様々な選択をしながら私たちは生きている。その繰り返しを経て、大人に近づいてみたり、時には子どもに返ってみたりと、細かい小さな揺れ動きの中で心は形成されていく。 「タイミング」の直感を大切にすること昨年末は様々な選択をした。正社員で勤務していた会社を退職することを決意しフリーランスへの道を志したのは実は数ヶ月前のことだったし、所属していた大好きなコミュニティも退会してしま

          変わりゆくことも「あなたらしいね」と言い続けたい

          「帰る場所」でありたい

          「帰る」ということについてもう何年も前から考えている。以前の記事にも度々書いてはいるけど、身体的にも精神的にも自分の原点となる部分は必ず存在する。 決まって原点となる初心や本質について。いうなれば帰る場所と基盤となっている部分。どんな人にも原体験というものはあると思うが、深堀りしていくとそこに繋がるのだと思っている。 刺激と勢いだけでは人は消耗する。いつもではなくとも、時に心休めができる場所はどんな人にとっても必要であると思う。 だから私は、誰かにとっての帰る場所であり

          「帰る場所」でありたい

          自分にとっての優しさと、相手の優しさを感じる心

          優しさとは何だろう、と普段よく考える。 これは人により定義が違うものだと思う。例えば自分にとっての優しさが相手にとっては束縛やお節介になりうる場合もあるし、そういうことを考えると人に優しくしたいと思う時に自分はここでどういった行動を取るべきなのか?と迷いが生じることがある。 常に明るく快活に見える人にも、また冷静沈着に見える人にも時には人に言えないような悩みを抱えて考えることはあると思うし、誰かの優しさに触れていたい、という感情は誰でも有しているものだ。そういう時、一つだ

          自分にとっての優しさと、相手の優しさを感じる心

          海で静かに対話をするひと

          「ゆり、元気にしてる?あした、お時間ある?」 土曜の夕方、唐突な連絡が来た。いつも唐突なのだ。出会って8年になる。来週のいついつに会おう、だなんていう約束は一度もしたことがない。いつも二人の約束は前日に決まる。そしてなぜか私も毎回予定が空いている。 よかった。最近は少しキャパオーバーになっていた。仕事は順調で楽しいけれど、人に自然と気を遣ってしまう私は人間関係に日頃からパワーを使うことが多い。ちょうど私も「そろそろ逢いたいな」と感じていたところだった。なので、少しだけドキ

          海で静かに対話をするひと

          今日見た空を伝えたくなる

          空の色を眺めることが好きだ。 働いている職場はビルの最上階で窓が大きい。空間の中で他に気に入っている部分は沢山あるけど、個人的には窓の大きさを一番気に入っている。もうすぐ移転するのだけど、移転先のビルは更に窓が大きくなることを知り、なんだかそれを心待ちにしている。 職場内では大体いつもばたばたとしているのだが、ふとした瞬間に窓の外を見ると、空が一定の熱を帯び淡いグラデーションになっていることがある。そんな時、私はいつも仲良しの総務の女の子のそばに近寄っては「ねえ、見てくだ

          今日見た空を伝えたくなる