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ARTのよもやま話

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アートというより「art」に関するよもやま話。Copyright©Susie Y. All rights reserved.
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#美術を鑑賞する作法

カルチャーの境界線を乗り越えて

先日、こんなつぶやきnoteをアップした。 泥の中から咲く花、蓮の花は、蓮華ともいう。 いろいろな象徴が言われているけれども、私としては、極楽浄土に咲き誇る花のイメージが強い。 そして、前述のように「泥の中から咲く花」ということで、蓮の花は、「再生」を意味することもある。 三浦春馬氏を注目するきっかけが、ミュージカル『キンキーブーツ』だ。 彼が演じたドラァグクイーン、ローラが見たかった。 どこかのインタビューで、三浦氏は、「女性に対してリスペクトの気持ちを持って、

西洋美術を専門にしている私が、『西洋』に対して疑問に思うこと 〜 続編 アンサーnote

昨日、「西洋美術を専門にしている私が、『西洋』に対して疑問に思うこと」というnoteを書いた。 このnoteに対して、masaki morooka氏とkaoru氏からコメントをいただいた。この場を借りてお二方に御礼を申し上げる。 いただいたコメントにきちんとお答え出来るかどうか、わからないけれども、私なりの考えをアンサーnoteという形で、つぶやいてみたい。 なお、「つぶやき」なので、参考文献や註は省かせていただく。 まずは、masaki morooka氏からいただい

西洋美術を専門にしている私が、「西洋」に対して疑問に思うこと

美術史は、問題がある学問だ。 美術史は、ツールだと言っておきながら、問題があるのであれば、避けた方がいいのか。私は、そう思わない。問題を知ることで、今まで「見えなかったことが見えてくる」。視野が広がる。なぜ、その問題が起きるのか。理由を考えると意外なことがわかってくる。 美術に興味があるのであれば、知っておくとお得くらいで、このnoteを読んでいただければ幸いだ。 まず、本題に入る前に、以下のことをお伝えしなければならない。 本来、「美術史の問題」は、美術史全体の問題

美術を鑑賞する作法 「美術史は、ツールだ」

先日、以下のnoteを書いた。 上記のnoteで取り上げた『自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考 』(2020年、ダイヤモンド社)の著者である末永幸歩氏は、美術史が我々に提供する知識(の一部)である「背景知識」について同書で次のように述べている。以下同書より引用する。 アート思考の本質は、たくさんの作品に触れたり、その背景知識を得たりして、「教養」を身につけることにはありません。 上記の著者の説明から「作品の背景知識を得る=美術史を学ぶ」と読み取るならば、

美術を鑑賞する作法 番外編 「作法なんて本当は必要ないけれども。。。」

イタリアの旅の時間に戻らずに、今日も日本の現代の時間におります。以下、私のつぶやき。 上の画像は、東京・六本木の国立新美術館に隣接している政策研究大学院大学の入り口近くに群生しているクチナシの花だ。白い花の香りが、とにかく素晴らしい。ずっと前に撮影したので、今年はどうなっているのだろう。現在、諸事情で東京から離れている私は、確認出来ないけれども。 昨日、こんなnoteを書いた。 思うところがあり、800文字ほど加筆した。 上記のnoteの下書きを書いていた時、最初の文

美術を鑑賞する作法 「作品の基礎知識を意識する」

だいぶ前になるけれども、「美術を鑑賞する作法」について以下のnoteを書いた。 私の「美術の鑑賞」に関する基本的な考えを上記のnoteから引用する。 私の知る限り、欧米では「美術検定」はない。もし、美術に興味があり、知識を深めたいのであれば、学生は、学校で、社会人は、コミュニティカレッジで「美術史」を学ぶ。なぜなら、基本的に美術史の学問は、そこら辺で受講出来るほど身近なものだ。もちろん、ただ、ただ、美術が好きで「鑑賞するだけ」の人々もいる。「プロ」を目指さない限り「自由」

美術を鑑賞する作法 「まず、はじめるとよいこと」

日本において「西洋美術」の人気は、すごいと思う。その人気は、展覧会の動員数で明らかだ。例えば、下記は、去年の展覧会の動員数だ(*)。 1位 レアンドロ・エルリッヒ展 61万4411名(2017年11月18日~2018年4月1日) 2位 建築の日本展 53万8977名(2018年4月25日~9月17日) 3位 ルーブル美術館展 42万2067名 (2018年5月30日~9月3日) 4位 ゴッホ展 37万31名 (2017年10月24日~2018年1月8日) 5位 至上の印象派