見出し画像

ケネニサ・ベケレの五輪出場に黄色信号。5月3日にスイスのジュネーブで開催予定のエチオピア版MGC🇪🇹について。

3月上旬に🇪🇹版MGCの開催が4月のエチオピアの高地での開催に決まったというエチオピア陸連の決定のニュースがあった。

しかし、選手やコーチのエチオピア陸連への要望から🇪🇹版MGCが5月3日に平地のスイスのジュネーブで開催されることとなるという。そして、そのレースの男女の上位3名がそのまま東京五輪代表になる流れだ(情報源)。

5月3日に42.195kmが行われるとなれば、8月の東京五輪マラソンの3ヶ月前。男女ともに10名未満の出場者が想定されている。


急展開のトライアルレースの構想

元々エチオピア陸連は今年1月から、男女の長距離選手で長期の国内代表合宿を行い、その過程で代表選考を行うプロセスであったが、3月になって急に選考会のレースをする構想が持ち上がった。

しかし、2020年後半のエチオピアでの内戦の影響もあり、トレーニングが十分に詰めていない選手もいて不平等な状況があったという(マラソンではないが例えば、女子5000m世界記録保持者のL.ギデイはその理由で2020年12月のバレンシアハーフに出場できなかった)。

英国は昨年の秋に2021年3月下旬に東京五輪マラソン英国選考会を行うことを決定し、それを先日成功させたが、エチオピア陸連は今年の3月になってもごたごたの最中にいた。

【東京五輪マラソンエチオピア選考会(5月3日:スイス・ジュネーブ)】

男子
ケネニサ・ベケレ(PB 2:01:41 / ベルリン2勝 / 五輪金メダル3回:トラック)
ビルハヌ・レゲセ(PB 2:02:48 / 東京マラソン2勝)
モジネット・ゲレメウ(PB 2:05:55 / 2019ロンドン2位, 2019ドーハ世界選手権銀メダル)
シセイ・レマ(PB 2:03:36 / 2020東京3位, 2020ロンドン3位)
レリサ・デシサ(PB 2:04:45 / 2013モスクワ世界選手権銀メダル, ボストン2回優勝, 2018年NYC優勝, 2019ドーハ世界選手権金メダル)
シュラ・キタタ(PB 2:04:49 / 2018ロンドン/NYC2位, 2020ロンドン優勝)

女子
ロザ・デレジェ (PB 2:18:30 / 2018ドバイ, 2019バレンシア優勝)
ベルハネ・ディババ (PB 2:18:35 / 東京マラソン2勝)
デギツ・アズメラウ (Pb 2:19:26 / 2019アムステルダム優勝, 2020バレンシア6位)
ゼイネバ・イェマー (PB 2:19:28 / 2020バレンシア4位)
ティギスト・ギルマ (PB 2:19:52 / 2020東京5位,  2020バレンシア5位)
アシェテ・べケレ (Pb 2:20:14 / 2018バレンシア優勝, 2019年ベルリン優勝)

出場メンバーは以上が想定されているが、ここにエチオピア陸連の権限で選手が追加されたりする可能性もあるという。それは春のマラソンに出場する予定のある選手がコロナで急に中止になるとか、そういったことも含まれている。

逆に、この5月→8月という急すぎるスケジュールに痺れを切らせて自ら出場を辞退する選手も出てくる可能性も考えられる。

今年は秋にベルリン、ボストン、ロンドン、シカゴ、東京、NYCとWMMが集中していることもあり、五輪への過密スケジュールを捨てて秋のWMMの絞る選手もいるかもしれない。

ケネニサ・ベケレは2016年のロンドンマラソンで3位に破れ、リオ五輪のエチオピア代表に選ばれなかったが、リオ五輪の翌月のベルリンマラソンで2:03:03の当時の世界歴代2位の記録で優勝。

そして「今回の五輪こそは」という気持ちがあるだろう。

しかし、ベケレは今年に父親が他界。現在はその影響で練習不足がみられており、ベケレを指導しているハジ・アディロコーチはこの選考レースにベケレは出ないのではないか、とメディアに話しているという。

そうなれば、リオ五輪での代表落選に続いてベケレの五輪の夢は閉ざされることとなる。代表選考レースまではあと1ヶ月少しがあるが、エチオピア選考会の出場メンバーはどうなるのか?

そして、誰が東京五輪のメンバーとなるのか?状況は引き続きアップデートされる可能性があるので、今後も引き続き注視していきたい。


【関連記事】


サポートをいただける方の存在はとても大きく、それがモチベーションになるので、もっと良い記事を書こうとポジティブになります。