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【weekly post】米建設特化VCの2021年9月投資先Check(Brick&Mortal Ventures、Building Ventures)

先週は久々に建設領域を離れ教育領域を見ていきましたが、今週は再び建設・不動産領域に戻ってまいりました。9月については久々に定期的に追っかけてるアメリカの建設領域特化VCの2社で投資実行があったということで、そちらを見ていければと思います。

(念の為、今月のnoteスケジュールを再掲)

3日週:建設・不動産領域9月の調達@ 米国
10日週:建設・不動産領域9月の調達@ 欧州
17日週:<New>教育領域@米国
24日週:Brick&Mortal Ventures,Building Ventures投資実行案件チェック(←今回)

定期的に追っかけてる建設特化のVCというのが「Brick&Mortal Ventures」と「Building Ventures」の2社になります。6月以来の投資実行ということで、もしかすると最近このnoteを診始めてくださった方は、「初めて聞いた...」という方もいらっしゃるかと思いますので、両VCが何者かから読みたいという方はこちらからご覧ください。(比較的冒頭に両者のご紹介を載せております。)

9月は両社合わせて3社投資実行があり、いつも取り上げているPre-seed~SeriesAを超えている企業もありますのでぜひご覧ください。

①【調達データ管理】Fohlio(SeriesA:Brick & Mortal Ventures)

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設立:2015年

今回調達金額:$3.1M

調達総額:$3.4M

リード投資家:Brick & Mortal Ventures

サービス内容等

載せた画像が日本語になってるんですけど、僕がgoogle翻訳をかけたわけではなく、もともと翻訳されていたという感じです。

サービスとしては建設資材関連のデータ管理サービスで、資材にかけれる予算、仕様、調達、在庫状況、製品データなどの管理ができるというものになります。

ターゲットとしては、建築家、デザイナー、請負業者などを想定しており、仕様書からそのまま自動的に資材の発注を行いことができ、ロジ関連の請求書や出荷状況の管理も行い、資材が届いてからは在庫の追跡管理まで行います。

2019年末にはメキシコに本社を置き、約50カ国で事業を行うセメント会社CEMEXのCVC、CEMEX VenturesとBCGなどが発表する「TOP 50 CONTECH STARTUPS* 2019」にも選ばれています。

(*建設バリューチェーン全体を通して、業務の効率化や財務健全化、持続可能性などの観点で貢献する可能性がある企業を選んでいるものです)


②【埋設物損傷回避センサー】ROD Radar(SeriesA:Brick & Mortal Ventures)

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設立:2013年

今回調達金額:$6M

調達総額:$6M

リード投資家:Brick & Mortal Ventures

サービス内容等

大前提、情報が少なすぎてちゃんと捉えられてないのですが、イスラエルのスタートアップで地下埋設物の検知をするセンサーを開発している企業のようです。

通常地中レーダー等を使って地中に埋まっているパイプやケーブル、その他埋設物を検知してるようで、現時点で代替技術がない領域ではないはずなので、どのようなポイントで価値にいく技術なのか少し気になります。

チームとしては欧州の上場企業で通信技術等を扱う会社の元CEOやレーダーシステム関連のエンジニア、キャタピラーで建設機械事業のGMをやっていた方など技術、ビジネスともにバランスの取れたチームになっています。

③【不動産業界向けESG管理プラットフォーム】Measurabl(SeriesC:Building Ventures)

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設立:2013年

今回調達金額:$50M

調達総額:$79.6M

リード投資家:Energy Impact Partners

サービス内容等

商業用不動産を対象としたESGデータ管理システムを提供しています。

と書いても、雰囲気わかるけど....という感じですよね。

サービス上では、

①電気、水道、燃料、廃棄物などデータの自動収集と異常検出

②所有不動産の気候変動によるリスクの評価

③所有不動産のESGパフォーマンスとコホート分析

④ESG開示支援

⑤所有不動産の持続可能性に関する評価管理

⑥所有不動産の炭素排出量計算

などを行えるようになっており、データの可視化のみではなく、しっかりとそのデータを使ったアクションのところまでを支援しています。

メインの顧客は不動産オーナー企業になるようなのですが、テナントに対しても使えるようで、テナント企業でESGの目標などを追ってる企業にとっては自社単体の環境への影響などを把握しやすくなっているのかなと思います。

また、サービスに合わせてパートナー企業も用意しておりクリーンエネルギー供給を行う企業や廃棄物管理を行う企業、市場への開示を支援する企業など、このプラットフォームを通して、データが可視化された後のアクションに関連する企業を複数用意しています。(Salesforce Venturesも複数ラウンドにわたって投資してますし、どこかSalesforceに似た感じを覚えますね)

編集後記

いかがでしたでしょうか。

今回は久々にVCフォーカスのnoteになったのでいつも6割くらいの文字数ペースで書いております。

個人的には、シリーズCまで進んでいてわかりやすくサービスが出来上がっているというのも有りますがMeasurablは面白いなと思いましたし、何より2013年に設立されているというのが、すごいなと思いました。

2013年ごろの日本って運用資産額に占めるESG投資の割合5%を下回ってると思うんですが、Measurablのあるアメリカでは2014年時点で10%台後半まで伸びていて、感度の高かったであろう欧州では60%近かったようでした。その後2020年には日本で24%、アメリカで33%まで伸びてきており、他の国でもカナダが62%などと大きく伸びています。

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(出所:「【Japan Data】日本のESG投資、2020年は32%増の320兆円」)

2013年当時だとアメリカでもESGってそこまで感度が高かったわけではないものの、英語が通じやすい欧州は感度が高かったなど、環境要素が強くて2013年のタイミングでスタートできたのかな?と考えると、ルールメーカーやその周辺に存在しているってのはすごく強いんなだぁと思いました。

あとFohlioについては、参入の仕方を考えさせられるサービスだなと思いました。既存のフローやバリューチェーンを改善するサービスを提供する際に、最初から全てを統合してサービス提供を始めるんではなく、まずは部分最適を目指し、その上で上下流に染み出していくというやり方があると思うのですが、その際に、最初にフローやバリューチェーンのどこに入るかによってその後上下流に染み出しやすいところとそうでないところとあるのではないかと思っています。もしそうだった時にFohlioの場合はどうなんだろうかと考えてみるのは面白そうだなと思いました。

もっともペインの深いところから入るべきなのか、もっともフローやバリューチェーンに絡むステークホルダーが多いところに入るべきなのか、もっともデータなどアセットの溜まる領域に入るべきなのか。今後領域特化で攻め込んでくるサービスが入り込めるところってまだまだあると思うので、自分でも仮説を持っておける領域の幅を広げておきたいなと思いました。

今回はこれにて以上になります。

いつもより短めになりましたが読みやすさは変わったんでしょうか...

次回は、また1ヶ月の予定と合わせて書いていければと思います。来月からはヘルスケアも混ぜたいなとは思っています。(あくまでも思ってるだけ)

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