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脱サラリーマン実家の寿司店を継ぐ!現場を知らずして経営はできない

2ヶ月コース卒業生の増田剛之です。15年間、家電量販店でサラリーマンとして働いてきた私ですが今回一念発起。脱サラして寿司を学ぶことを決意しました。

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私が脱サラした理由は、築地にある実家の寿司店である「寿司処やまざき」を手伝うためです。

今私は38歳なので、今から寿司店に入るとある程度のことが分かるようになるのは40代後半になってしまいます。シャリ炊き3年なんていう言葉があるくらいですからね。

即戦力となるためにはどうすべきか考え、学校に通うことを決めました。中でもこの学校は、2か月コース130期ということからもわかるようにとにかく歴史が長い。信頼度が高いと感じ入学をきめました。

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現場を知らずして経営はできない

私は寿司職人としてというよりも、どちらかというと経営面で実家をサポートするつもりでした。今の時代、いつ何が起こるか分かりませんし、経営が悪化したときに立て直しができるような人材が寿司店にも必要です。

サラリーマン時代に培ったマネジメントのノウハウが活かせると思ったんです。経営面のみならず寿司の技術を学ぼうと考えたのは、職人さんの気持ちを理解するためです。

職人さんがどんな仕事をするのかどんな気持ちで板場に立っているのか。現場を知らずして経営を成り立たせることはできないと思いました。

料理の経験もほとんどなかった私にとっては一か八かの挑戦でしたし、元職場の同僚にも「本当にお前にそんなことができるのか」と何度も言われました。

大きな不安を感じていましたが会社に籍を置きながら寿司の世界に踏み込むなんて中途半端なことはしたくなかった。だから色々な想いを振り切って、寿司に集中しようと決めたんです。

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寿司を握るだけが職人ではない

職人さんの気持ちを知るためにはじめた寿司の勉強でしたが、やってよかったと思いました。今まで持っていた「寿司職人」のイメージががらっと変わり、世界が広がったからです。

お客さんとして寿司屋に行く時にはこんなこと思ったことはなかったのですが、職人さんってエンターテイナーで、舞台に立つ俳優さんみたいなイメージです。

手で魅せる、場を作る、お客さんを楽しませる。そのための丁寧な仕込みの数々。片付けや掃除、道具の配置など、お客さんに寿司を提供する以外の作業すべてが大切な職人の仕事なんだと気づかされました。

正直、寿司を握れれば寿司職人になれると思っていた私にとっては衝撃的で、そんな自分を恥ずかしくも思いました。

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努力は結果を裏切らない

包丁もろくに握ったことのない私でしたが、修了試験も無事にクリアすることができました。特に苦労したのは大根の桂剥きです。

何回やっても薄く綺麗に剥けないし、もうどうなるかと思いましたが試験の時には満点に近い点数を取ることができました。秘訣と言われても難しいのですが、私は毎日必ず授業後に自主練練習をしていました。

学校に残っていれば、同じように練習をしているクラスメイトもいますし、先生もいらっしゃるので家で一人で練習するよりもよっぽどよかったです。

分からない時、うまくいかない時にすぐに相談できる人がいる環境って大切ですからね。

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今後は寿司の道一本で

早速11月から実家の寿司店に入っています。卒業してから店に入るまで少し時間があったので、他の寿司店を見て回っていました。

寿司店といってもその業態は高級店から大衆店まで様々です。同じ寿司という商品を扱っていても、どこに価値をおいて店をやるのかはそれぞれだと思うんです。

どんな業態でも、商売ですから儲けは出さなければいけません。自分の店にとって最善の方向性を戦略的に考えていく。それが私の任務だと思っています。

まだまだ勉強することだらけではありますが、この道でやると決めた以上、寿司のことばかり考えるような人生にしていきたいですね。

※この記事は2016年10月に東京すしアカデミーのWEBサイトで公開されました。

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