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日向坂46『ひなくり2019 〜17人のサンタクロースと空のクリスマス〜』

もう10日以上経ってしまったけれど、日向坂46のクリスマスライブを観に行きました。
1日目は会社の同期と、2日目は1人で幕張へ。

同期の彼は「小坂菜緒ちゃんを直接見てみたい」というモチベーションのみで参加しているので、『ホントの時間』で目の前に彼女が現れた時は当人よりも喜んでしまった。
9月に行ったライブがいわゆる超天空席だったので、今度こそは肉眼で…!という謎のプレッシャーがあったのです。

日向坂はまだ持ち曲が少ないので、決まってフル尺で楽曲披露してくれます。
5分近く目の前でパフォーマンスする推しメンを観られたので口が悪い関西人である彼でも大変満足していました。

他にも様々な演出でメンバーが近くに来る機会が多々あり、他のメンバーにもやっと目が向いたようで特に「あの子、かわええな。」と指さしていたのは高本彩花ちゃんでした。ひときわスラっとした立ち姿にぴょんぴょん跳ねるポニーテール。あれだけで好きになってしまうのも分かる。


今回のライブは幕張メッセ国際展示場4〜6ホールで行われたわけですが、あそこは「スタンド席なし、傾斜なし、目線を遮る柱4本あり」という超ストロングスタイルのライブ会場なのです。
強いて取り柄を挙げるとすれば、座席数が多いくらいだろうか。

そんな外れ箱だったはずの幕張メッセ国際展示場をハッピーで包み込んだ演出の力に感服しました。

演出のポイントは大きく3つ。
❶メインステージと同じ大きさのバックステージ
❷トロッコ演出の多用
❸目線を遮る柱をステージ化

❶メインステージと同じ大きさのバックステージ
幕張はとてつもない平面の広さなので、花道を作ることができずメインステージのみの会場構成になってしまう。
これでは舞台演出的にも単調になってしまうし、後方の席ではメンバーが近づいてくることもない。

そこで登場するのがバックステージ。
大胆に前と後ろを逆転させることで、遥か遠くに居たメンバーがなんと目の前に!
視覚的・演出的にもメリハリが付くし、なんといっても観客の湧き方がすごい。
実際最後方ブロックだった2日目は『こんなに好きになっちゃっていいの?』や『川は流れる』を超超超至近距離で観ることができて、とても得した気分でした。

どの抽選段階でチケットを買っても満足できるのはライブの理想型でしょう。

そして、その❶のバックステージ演出を無理なく実現し、かつファンの満足度も上げてしまうとっておきが❷のトロッコ演出の多用でした。

❷トロッコ演出の多用

メインステージからバックステージへの移動はもちろん、中央で停止してセンターステージにも変形するトロッコの頼もしさといったらこのうえない。

また、今回はなんと全員分のトロッコが用意されていて、クライマックスの『JOYFUL LOVE』ではすべての通路をメンバーが通りました。
普段はアリーナ席しかトロッコの恩恵に与れない分、今回の方がみな等しくハッピー。こんなに素晴らしいことはないです。

❸目線を遮る柱をステージ化
そして幕張名物である邪魔な柱すら、「ひなくり2019」は味方にしてしまいました。
メインステージを見るためにはジャマでしかない柱をステージにしてしまうウルトラC。
あの忌まわしい柱もいまや憎めないやつである。
この演出を考えた舞台監督にずっとついていかせてください。


他につらつらと感想を挙げていくと、
最初のオーバーオール衣装が、はつらつとした彼女たちのイメージにぴったりで可愛かった。MCで誰かが言っていたけれど、スカートじゃないアイドル衣装は珍しいよね。

『ママのドレス』は"THE女の子"の高本彩花ちゃんとマッチしすぎていて、おそらく本人も歌詞に共感しているはず。
彼女がこの曲への強烈な共感を持ち続けたまま、アイドル人生をまっとうすることを勝手に願っています。

齊藤京子さんは『川は流れる』の内向き⇒外向きを繰り替えすダンスで笑いを堪えられなくなっていた。仲の良い大学生スタッフたちが同じシフトになった時の飲食店バイトみたいな力の抜けた感じがよかった。
トロッコ移動中にレス返しの目が死んでいるのもかなり病んでるアイドルっぽいぞ。

いちばんグッときたのは3期生である上村ひなののソロ曲『一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルを思い出せない』でしょう。

この楽曲が充てがわれているという一点でも彼女の15歳というプロフィールに収まらない器と知性が認められるじゃないですか。良くも悪くもプリンセスあやちぇりこと高本彩花さんには歌えない機微がある。(ディスではないです)

解禁当初「イメージっぽくない」や「歌い方が変」など賛否が分かれた曲だし、ライブでは初披露ということもあり、相当な気合いが入っていたと思います。

ソロでメインステージ。さらには生歌での披露。
転調を繰り返す歌いづらいメロディなので大変でしょう。それでもステージをめいっぱい使ってパフォーマンスしている姿に彼女の矜恃が窺えた。天井できらきら輝くミラーボールはふさわしい演出だ。

そして、なんといっても『約束の卵』。
ライブの締め曲としてもともと特別な曲でしたが、今回のひなくりでこの曲がより一層大切な意味を持つようになったことはわざわざ書くまでもない。

僕らが意識し始めたのはいつの日からだろう
この坂道 どこに続くのか?
先人たちのその足跡が目指していたのは
夢見る者の約束の彼の地
銀色のカップ伏せたような目印がそこにあるよ

そう。『約束の卵』は東京ドームへの道のりを示した歌。そしてついに、2日目のアンコールにて、来年12月の東京ドーム公演がサプライズ発表されたのです。

音楽がいちばん響く瞬間は「これは自分のことを歌った歌なんだ」と感じられた時なんじゃないでしょうか。
『約束の卵』を歌いながら、涙を流す渡邉美穂を観て私も思わず泣いてしまった。

坂道グループにおいて1年後の公演が発表されるのは初めてであり、異例のことです。

ちょうどいまTVのなかでは、1年後に活動休止をひかえた嵐がMステ年末特番の大トリとして『LOVE SO SWEET』を披露している。
「2020年末をもっての活動休止」というゴールを共有してからの嵐とファンの熱狂は凄まじい。

かたちは違えど、歩む道のりをともにするアイドルとファンの絆は、より劇的に、よりエモーショナルに輝くのは言うまでもない。

日向坂46が東京ドームへと向かう1年間の歩み。
それはグループとメンバーとファンの結束をより強固にしていく道のりであり、熱狂は渦を巻いていく。

「2020年は特別な年になる。」
その予感が、嵐前夜のような不安と期待とともに私たちを取り込んでいくでしょう。

待っててくれるか? 夢叶うまで
君のことを連れて行く 苦しくても諦めない
僕ら信じてよ wo-oh-oh
ハイタッチして抱き合いながら 涙拭いて喜びたい
そんな瞬間 思い浮かべて 前に進もう

日向坂46にとっての"君"はファンであり、
ファンにとっての"君"は日向坂46。憎らしいほど気の利いた演出にときめいてしまうじゃないですか。

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