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掌編小説

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掌編です だいたい、適当
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2017年9月の記事一覧

しりとりゾンビの逆襲 2

 リンガーハットのイデアの中で僕たちは高校球児そっくりのゾンビ建ちに襲われていた。高校球児も200人も集まると中々恐ろしいものであった。あるものはリンガーハットの前に止まっていたアルファードを破壊しだしだし、またある者はリンガーハットの窓ガラスを金属バットで叩きつけてきた。横着そうな個体はスマホを取り出してパズドラをやり始める連中もいた。

 阿鼻叫喚の店内で俺は肉体労働者風の男性と家族連れに詰め

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しりとりゾンビの逆襲 1

 『しりとりゾンビ』がやってきた。

何故ゾンビなのか?何故しりとりをするのか?誰にもわからない。ただ、現実世界で『しりとりゾンビ』に捕まってしまうと概念の世界に放り込まれて、概念の世界でしりとりを武器に戦わないといけないのである。

 しりとりを武器にして戦うとはどういったことだろうか?当初は理解できず不安に思ったが、『紳士な、しりとりゾンビ』が丁寧に教えてくれた。いや、そんなに丁寧に教え

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虹を掘る男

私は虹の干物が名産地の大虹川町の出身です。
だから父は、虹を掘る仕事をしていました。虹を掘る仕事も、昔と比べれば有名になってきましたが、まずはこの場を借りて虹を掘る仕事について説明をさせていただきます。

大きな虹の根元には、ゴツゴツしたクルミのような種が虹一個当たりで40個ほど実っています。それこそ、虹がかかる間の僅かな時間でしか採掘することができない虹の種であります。そして、父は虹の種を掘る名

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