米を炊くということ

私はかれこれ8年近く一人暮らしをしている身なのだが、親族に米農家をしている方がいるため、米を店で買うという経験をしたことがない。実家の米を送ってもらっているという好待遇だ。(ここで気付いたが毎月の仕送り代の一部が米代になっている)

一人暮らしを始める際、家電で一番吟味したのは炊飯器だ。といっても、私は適当なのを買おうと思っていたのだが、母のストップが入ったのだ。小さいものを買おうとしていたが、母の謎の圧に押され、結局5合炊き用を購入することとなった。曰く、5合炊き用を買って3合炊くのがベストらしい。理由はよく知らない。
私の家の家電はだいたい八年選手の子たちばかりでそろそろ一気に壊れ出すのではないか?と時折ひやひやしている。それでも今日も炊飯器は美味い米を炊いてくれる。炊飯器様様だ。

ぼんやり米を研ぎながら、そういえばパン主食文化圏の国々の方は、日本人が当たり前に米を炊けるように、小学生でも当たり前にパンを焼けるらしい、というのを思い出した。学生時代に読んだ焼きたてジャパンという漫画でそういった記載があった気がする。当時、マジで!?と衝撃を受けたのだが、パンの作り方をそれとなく知った今でもマジで?という疑念が拭い去れない。あんな手間のかかる工程を小学生でもこなせる?
もし自分がパン主食文化圏の人間として生まれてきたら、家事の手伝いでパンを作っていたのだろうか。想像するだけで大変そうだ。

日本に産まれてよかった。私はクーラーが掛かった部屋で炊き立ての白米を食べながら、漠然とそう思った。パンを作るのは楽しいかもしれないが、私は楽をして生きていきたいのだ。

2020.05.24 美少年回転寿司

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