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環境問題を分かりやすく解説

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環境問題についても一人でも多くの人に知ってもらいたくて、 誰にでも分かり易いように環境問題について解説しました。 あなたの気持ちと行動が変えるかも知れない環境問題の真実達。
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#サーキュラーエコノミー

水資源と環境問題① SDGs目標6「安全な水とトイレを世界中に」を解説します

SDGsの目標6は「安全な水とトイレを世界中に」です。日本にいると分かりにくいこの目標の背景を解説します。 水の惑星の循環宇宙にはたくさんの星がありますが、水が液体で存在しているのは現在のところ地球しか見つかっていません。海の水は太陽の熱で温められて雲になり、雨や雪となって大地に降り注ぎます。雨や雪は大地を削り、地下に潜り、植物や動物を潤して全ての地上の生き物の命の源になります。使い終わった水、使いきれなかった水は川を通じて海に流れてまた雨の元となります。 人と水の関係人

水資源と環境問題② 水不足と排水による環境影響について

アラル海という湖をご存じでしょうか。かつて世界で四番目に大きな湖だったアラル海は農業目的の水利用のために何と1/10の大きさになってしまっております。水がたくさんあった時は漁業がさかんだったアラル海ですが、魚は死に絶えましまっております。日本にいると感じにくいですが、農業用水の不足は世界では極めてメジャーかつ深刻な問題です。 1989年のアラル海(左)と2014年(右) 1) 今回は水問題の第二回目です。世界的な水不足と排水の環境影響について考えてみたいと思います。アラル海

「サーキューエコノミー」とは何かを分かりやすく解説します

はじめにサーキュラーエコノミーを日本語に直すと「循環型経済」になります。日本では昔から「循環型社会」という言葉を政府をはじめとして多くの文書で使われていて、近い概念になります。しかし、日本で考えて教えられている「循環型社会」とエレンマッカーサー財団が提唱している「サーキュラーエコノミー」は少し違います。後者の「サーキュラーエコノミー」はより最近に考えられて、より具体的に踏み込んだアプローチを提案しているのでこのブログではそれを分かりやすく説明したいと思います。 これまで提唱

環境問題は既に地球の限界を超えている。その種類と深刻さを説明します。

環境問題って色々ありますが、何があって、どれが一番深刻なのでしょうか。地球の限界を考えると人の経済活動が越えてはいけない線が「プラネタリーバウンダリー」と言われています。そのデッドラインに対してどれだけ環境破壊が進んでいるかを示したのが表題の図です。温暖化(気候変動)よりも地球環境に深刻な影響を与えていると言われているものは、「生物化学的循環(窒素、リン)」、「土地利用変化」、「生体圏の一体性」で、いずれも農業に深くかかわるものです。これらについて解説していきます。 人類が