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出雲王朝はあったのか?

 出雲神話にある国譲りの物語。 高天原の勢力が国譲りの代償として大国主の為に築いたとされる『出雲大社』。この建立を条件に大国主は隠遁し幽界を治めるに至った。

 神話的には様々な解釈があると思うが、仮に政治的な観点として見たとするなら政権交代とも解釈出来る出来事。出雲が政権を受け渡したという話。

 高天原=新勢力=大和朝廷、出雲王朝=旧勢力という構図で繰り広げられた政治的抗争の終着点。そんな見方も出来る。

 そして重要なのは、この神話は大和朝廷時代に朝廷側で編纂された古事記、日本書紀に記されているという点。いつも歴史は勝者に都合のいいように書き換えられてきた。

ここ数十年、出雲地方から発掘された出土品や見つかった古墳の中にはこの地域のスケールの大きさを物語るものも多い。
出雲には王朝と呼べる大きな勢力があったのでは?消された歴史があったのでは?

春を迎えるこの土地を眺めながら、土深くに封印されてきたかも知れない存在に思いを馳せてみる。
長い雪解けの後に姿を現わす新しい世界。そこには出雲の神があの世で司ってきた叡智が多く含まれるかも知れない。
この土地にはきっとロマンだけでなく、新しい時代を生き抜くヒントもたくさん散りばめられている。