すさのわ正面

ゲストハウス?民泊?民宿?

ゲストハウス・・・一応定義としては以下のような施設のこと(引用:Wikipedia)

簡易宿所型ゲストハウス
決まった定義は無いが、旅行者のための安価な宿泊施設をこう呼ぶことが多い。ユースホステルに似た運営形式であり、相部屋が基本となる施設もある。
・交流スペースが存在 ※利用が一組限定となる場合を除く
・一泊素泊まり一人から ※食事や食材込みの場合もあり
・ドミトリー(相部屋)が存在 ※個室のみの場合もあり
・トイレとシャワーなど水回りが共有 ※各個室に付属の場合もあり
                              以上

当施設「すさのわ」も大体このような形態をとっている。
ゲストハウスは元々外国の旅行者の間で安価で泊めれるような宿泊施設として広がり、日本にも入ってきたという感じ。なので外国人観光客が多い地域で広がっている。
すさのわは観光地ではあるが、外国人が多く訪れる場所ではない。国内のニッチな観光スポット。
なので、ゲストハウスという名称があまり雰囲気に合わない。
なので施設名にゲストハウスという呼称は使っていなし、ゲストハウスを運営しているとあまり言わないようにしている。

そうすると既存の宿泊施設の形態としてどういう呼称が一番フィットするか・・・?

宿泊施設について色々調べてみると、民泊、民宿、貸別荘、等ある。
そこでまず、民泊と民宿の違いについて調べた。
この二つ似ているので混同されがちだと思う。
民宿という宿泊形態は田舎においては、結構浸透していて、イメージしやすい。農家や漁業者等の地方民家の一室を旅行者の宿泊に提供した、自宅開放型の宿泊施設というイメージ。スキー場や海水浴場でよく目にする。土地の利を生かし、その地域で取れた食材や海産物を提供する場合が多い。泊まって、そこで食べるイメージがある。
通年で営業している施設は少なく、繁忙期のみの営業が多いかも知れない。営業するには、民宿は旅館業法の許可が必要で「旅館・ホテル営業、簡易宿所営業・下宿営業」という区分けがある。いわゆる、旅館業だ。
この内、民泊と近いのは「簡易宿所営業」。宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業。基本民泊と同じだ。こことの線引きは「食事を提供する」かどうかにあると思う。民宿の簡易宿所営業として許可をとり「民宿」を謳うと夕食付のイメージが強くなる。食でおもてなしのイメージが強い。
すさのわは基本素泊まりなので民宿という看板は合わない。

ゲストハウスでもなく民宿でもないなら・・・民泊ということになる。

では、「民泊」ってそもそも何?という疑問にぶつかる。
法的な定義としては旅館業法の特例で2013年「特区民泊」が法令化され、その後2018年に住宅宿泊事業法が施行された。
法的には昨年から始まった事業。住宅宿泊事業。民泊新法とも呼ばれる。この法律が出来て「民泊」「民泊サービス」という枠組みが確立されたように思う。

旅館業法の特例として、民泊新法を制定するにあたってはその必要性と背景があった。そこのところも理解しておく必要がある。

Airbnb(エアビーアンドビー)の存在
2008年にサービスを開始したことを契機に、投資を目的とした貸し手が多数参入したことで民泊の熱が高まった。Airbnbはアメリカ発のバケーションレンタルのプラットフォーム。世界192か国で80万人以上の宿を提供している。貸し手と借り手をインターネットで繋いでいる。宿代を安く抑えたい、旅行者と空き部屋や空き家を有効活用したい貸し手の思惑が一致して日本でも広がっていった。

こういった海外のプラットフォームを利用することで、参入障壁も下がり貸し手も増えたが、その分近隣地域で、ごみや騒音などトラブルも目立つようになった。登録もネット上で出来て、マッチングもネット上であれば責任の所在も曖昧になるだろう。
ここを改善すべく2018年に施行されたのが住宅宿泊事業法。事業者として県へ届け出をする必要があり、事業者としての義務や役割が明確にされた。
届け出をした事業者には民泊の届出番号が発行され、正式に事業をすることが出来る。

そしてAirbnbも日本での宿泊施設登録には、住宅宿泊事業者の届出番号が必要と制限を設けた。
これにより無許可の事業所は営業不可となり一定のレベルが保たれるようになった。

「民泊」という形態はこういった経緯で法整備された結果、新しく生まれてきた枠組みとも言える。
地方では空き家問題の解決策として期待されている。
また、今後もシェアリングエコノミーを理念に展開するWEBサービスは発展していくと思われるので、そういった場においては「民泊」という言葉が一番フィットすると思うし、徐々に市民権も得ていくのでは無いかと思う。

そんなこんなで「民泊すさのわ」としてスタートを切った。