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【IoT】SORACOM LTE-M Button Plusで機械設備の異常検知を実現する

設備の維持管理をされている方であれば、機械設備に異常が発生した際、設備異常情報を即座に知りたい、と思ったことはないでしょうか。色々と解決策はありますが、この記事では、SORACOM LTE-M Button Plusを用いたシンプルな解決方法を考えます。


背景と目的

私は、機械設備を維持管理する仕事もしているのですが、設備異常が発生する→少し時間がたってから気づく→対応する、といった対応であり、どうしても初動が遅れます。設備異常に即座に気づき、即座に対応したい。受動的ではなく、能動的に対応したい。設備を維持管理されている方は、同じような課題があるのではないでしょうか。現場で起こっていることを即座に知る技術として、IoTは有用な技術の一つです。

機械設備をIoT化する手段はいくつかあります。その中でも、設備の異常有無だけをシンプルに知りたい、安く実現したい、制御プログラムを変えたくないという条件下であれば、SORACOM LTE-M Button Plusを取り付けるという解決方法が最適解の一つです。

この記事では、SORACOM LTE-M Button Plusを用いた機械設備(PLC)のIoT化について、整理したいと思います。

まずは設備異常時にcloseする接点を探せ

SORACOM LTE-M Button Plus(以下、ボタン)は、LTE-M通信を内蔵した、接点端子つきデバイスです。ボタンに接続された2本の線がcloseした時、closeしたという情報が、クラウドに送信されます。Wi-Fi等の通信環境を用意する必要がなく、設備異常時にcloseする端子間に、この2本の線を接続すれば、設備異常の有無をクラウドに送信することができます。便利〜。

ポイントは、制御盤の回路図や配線を確認し、設備異常時にcloseする接点を見つけることです。設備異常時に赤ランプが点灯する場合は、この赤ランプの配線がヒントになります。

もう一つのポイントは、見つけた接点が、「無電圧接点」か「有電圧接点」かを知ることです。無電圧接点は、電圧が印加されない接点であり、有電圧接点は、電圧が印加される接点です。無電圧接点か有電圧接点かによって、ボタンの接続方法が異なるため、どちらのタイプの接点か知る必要があります。

SORACOM LTE-M Button Plus(愛称、ひげボタン)

機械設備(PCL)に無電圧接点がある場合

無電圧接点がある場合は、その接点間に、ボタンから出た2本の線を接続するだけです。これで、現場がIoT化されます。シンプルですね。

機械設備(PCL)に無電圧接点がない場合

一方、無電圧接点がない場合、無電圧接点を作ってあげる必要があります。有電圧接点の電圧に応じたリレーを選定し、リレーを介してボタンから出た2本の線を接続します。これで、現場をIoT化できます。

スマホに通知する

クラウドに送信された設備異常情報を、即座に知るためには、通知の仕組みも必要となります。これも、色々と手段がありますが、SORACOM内で完結する方が簡単です。SORACOM Lagoonを用いた通知がおすすめです。LINE、Slack、Emailなどに通知できます。

その他にも、SORACOM Funk→AWS Lambda→LINE通知というやり方もあります。

まとめと今後の課題

SORACOM LTE-M Button Plusを機械設備に取り付けるだけで、現場をIoT化し、設備異常に即座に気づく仕組みを構築することができました。実際に運用すると、非常に便利です。一方、
・設備異常時だけでなく、設備復帰時にも通知させたい
・ボタン自体に不具合がないことを知るため、定期的に(例えば24hに1回)通信させたい
という欲もでてきました。
これらの通知を、なんとかこのボタンで実現できないか?
次の記事では、この点について考えます。

参考

・「通知」を深掘りした記事です。通知のタイミングには、主に3つあることを整理しています。

・SORACOM Lagoonを用いた通知方法は、下記公式サイトを参照ください

・SORACOM Funk→AWS Lambda→LINE通知は、下記が詳しいです


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