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Maker Faire Kyoto 2024 参加レポート

Maker Faire Kyoto 2024に参加して得られた気づきをまとめます。


背景と目的

ものづくりのアイデアを得るべく、2024/04/28(日)に、京都で開催されたMaker Faire Kyoto 2024に参加しました。高知から京都へ。現物を見たり、開発者と話をさせて頂くことで得られた気づきを、自分なりに言語化します。プログラム(PDF)はこちら

詳細

1. 盆栽xテクノロジー

人はなぜ盆栽を美しいと思うのか?
この問いに科学的アプローチで挑む「BonsaIoT」プロジェクト。
台の中央に盆栽を置き、カメラを周回させることで360°方向から複数枚の写真を撮影し、3Dモデル化。これを定期的に撮ることで、3D成長記録を可能に。また、盆栽特化の骨格検出アルゴリズムで、カタチの美の科学に挑み、剪定差ジェクト機能を搭載するとのこと。

いやー、盆栽とテクノロジーの掛け算が、絶妙ですね。骨格検出アルゴリズムも興味深いです。枝の長さや、枝の角度や、重心位置など、カタチの美に影響するのでしょうねぇ。熟練盆栽技術者の技術を継承することにも役立ちそう。

2. ダンゴムシの生態調査xテクノロジー

生き物は動いているとき、腹側から見るとどのように脚を動かしているのか?
この研究のため、透明球体頂点にダンゴムシを置き、ダンゴムシを上からカメラ撮影し、ダンゴムシの歩き(中央からのズレ)に応じて、透明球体をモータで回転させ、透明球体内に配置したカメラでダンゴムシが歩く様子を腹側から撮影する仕組みが展示されていました。

ダンゴムシ位置の画像解析、位置に応じたモータ制御、脚の動きの画像解析・・・色々な要素技術が組み合わされています。面白いですねぇ。

3. お賽銭xテクノロジー

キャッシュレスなこの時代、お賽銭はいつまで現金なのか?
この問いに挑戦したものづくりでした。以下、引用します。

テクノロジーと伝統を融合させた革新的な賽銭箱です。スマートフォンを「投げる」動作により、賽銭箱でデジタル決済を実現します。実際にお金を投げ入れる伝統的な行為を象徴し、現代のキャッシュレス社会に適応させる伝統と革新の融合により、祈りの体験を新たな次元に引き上げます。

https://makezine.jp/event/makers-mfk2024/m0090/

現金のお賽銭の代わりに、QRコードを表示させたスマートフォンを賽銭箱に投げ込み、賽銭箱内部の天面および下面に配置されたQR決済端末で決済し、決済完了次第、賽銭箱下部からスマートフォンが出てくるという仕組みでした。
なんという大胆なアイデア!驚

QRコードが表示されたスマートフォンが賽銭箱に投げられた瞬間

4. ドローンの自作充電ステーションの工夫点

いちごの成長を見える化するドローンシステムが展示されていました。定期的にドローンを飛ばし、画像解析でいちごの成長を数値化するものでした。

個人的にすごいと思ったのは、ドローンの自作充電ステーションです。トイドローンであるTELLOの自動充電を実現するため、着陸場所が多少ずれても同じ位置に着陸するよう、上を開いた形のガイドを配置したり、ドローン本体の充電部に磁石を付け、着陸と同時に磁石の力で電源と接続されるようにされていました。USB TypeCを磁石で接続するアダプタの存在は知っていましたが、このように応用できるのですね。勉強になります。

ガイドで定位置に着陸。着陸後は磁石で電源と接続。

5. 小指プロテクターというギリギリ役に立つ発明

ギリギリ役に立つ発明をされているカズヤシバタさんの作品も面白かったです。
以下、引用します。

室内を歩いているとき、棚に小指をぶつけてしまう事ありますよね?
そんな時にご紹介するのが「小指プロテクター」!使い方はとても簡単!
まず装置を足に装着します。あとは小指をぶつけるだけ。障害物が近づくと、小指を守るプロテクターが出てきます!
これで、室内でも安心ですね!

https://www.seevua.com/invention-0028

実際のものがこれ。主要部品は、ATOM MotionとToFレーザー測距センサと3Dプリンタで製作した部品を組み合わせだと思われます。ToFレーザー測距センサで障害物を検知し、障害物が近づくと、モータが作動し、小指がプロテクトされます。面白い作品。ATOM Motionという商品があることを知りました。他にも面白い作品がwebサイトに沢山掲載されています。

ATOM MotionとToFレーザー測距センサと3Dプリンタで製作した部品

6. M5UnifitedでM5系マイコンのプログラムを共通化

スイッチサイエンスさんのブースでは、M5Unifiedというライブラリの紹介がされていました。正直、展示会場ではピンと来なかったのですが、展示会後に調べてみると、M5Unifiedのメリットが見えてきました。M5Stackシリーズは、ラインナップが増えに増え、プログラムの共通化が課題となっています。ハード的な仕様差を、ライブラリ側で吸収することで、プログラムを共通化する仕組みだと理解しました。
下記のプレゼンが大変参考なります。

7. その他

他にも、面白いと感じた展示がたくさんありました。
・倒立キューブ
・ペンプロッタ
・M5StackをPCゲームのコントローラに
・コントローラを2人同時に押さないと動かないPCゲーム
・ホログラム
・CNC加工
・3Dプリンタ
・Node-REDを用いたM5Stackのグラフ表示および遠隔制御
・タイミングベルトの鉄芯を電線として利用
・LoRa
・スマートホーム
・後付け簡易センサーによる工場自動化
・魔改造の夜
・オムニホイール
・SPRESENSE
などなど。

また、noteをフォロー頂いた方とお会いできたり、以前SORACOM UG 四国で知り合った方にお会いできたり、出版社の方とご挨拶させて頂いたり、以前高知で講演頂いた方とお会いできたり。
参加して良かったです。

まとめと今後の課題

Maker Faire Kyoto 2024に参加して面白いと感じた作品を、いくつかご紹介しました。やはり、現地でモノを見たり、開発者と話をしたりすると、ものづくりのモチベーション向上に繋がります。これが一番大きな収穫です。

さぁ、次は何をつくろうか?


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イベント翌日に、下記イベントに参加しました。


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