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#おうち映画ベスト10 家ホラーを中心に

先日ツイッターでこのようなタグが回っており、やっぱり今は自分も(幸か不幸か仕事は毎日働きに出なければならないタイプのやつなのですが)休みの日とか夜はひたすら映画を見て過ごしているので、ちょっと考えてみました。
おうち映画、ということで、家族、とかでなく、家が主な被写体、もしくは主題のひとつであるということを念頭に選んだつもりです。
あと被らないようにというので、ド定番な作品は外しています。
悪魔のいけにえ、ファニーゲーム、クリーピー、屋敷女、インサイドあたりも好きな家映画で、入れたかったのですが。

以下、挙げた作品について簡潔に紹介します。

スペイン一家監禁事件
これは公開当時に今はなきシアターNで観て、とても印象に残っている作品。
でもって私のオールタイムベストのうちの一本。
三人家族が引っ越したその日に強盗に入られて人質状態で過ごす一夜。
いの一番のオープニングカットからとにかくキレッキレ。
凄まじく暴力的な映画なのですが、それ以上に映像センス・撮影技術の素晴らしさに最後まで圧倒されます。

マザー!
『ブラック・スワン』とかが有名なダーレン・アロノフスキー作。
夫婦が暮らす一軒家に次々おかしな客がやってくる。
これはとんでもない映画で、家の中ですべてが起こります。
すべて、というのは、家の中で起こりうるすべて、ということではなくて、映画の中で起こりうるすべて、という意味です。
あらゆるジャンルであって、どのジャンルでもない。
歴史というか、宇宙というか、世界というか、そういう映画。

パラノーマル・アクティビティ3
ファウンドフッテージ/POVについては自分ではかなりうるさい方と思っていて、やはりパラノーマル~シリーズ、大好きなわけです。
全作劇場で観ているわけです。
で、とりわけ素晴らしいのは一作目とこの三作目なんだけれど、特にこちらは「家」というのがひとつの主題として捉えられている感じ。
ふたつの家が登場するけれども、特に後半の舞台となる「家」。
「こう」と思っていたものが、実はまったく「そう」ではなかった。
家が裏返る。
そこにこの映画の怖さがあると思っています。

フッテージ
これぞ、家ホラー!という感じ。
この家は、われわれが住む以前には、一体どんな家だったのだろう?
足元への不安、歴史という縦方向の不安、というモチーフは下で取り上げる『残穢』にも見られる。


テイキング・オブ・デボラ・ローガン
これもファウンドフッテージ。
学生たちが介護の実習でとあるお婆ちゃんと娘の暮らす家に滞在するのだが、どうも様子がおかしい。
この映画、凄いのが、隠してある屋根裏部屋、というのが、どんどん出てくるんですわ。
そしてそこには、住人の封されていた記憶がある。
家映画において、家が住人の拡張された脳/心/身体として描かれることがあって、これはまさにその外部化された「脳」としての描き方なのかなと。
そういう比喩がファウンドフッテージの文脈に乗っているから、不気味に映る。

残穢
これは、住んでいる家が自分の住むはるか前から呪われている、そのルーツを辿る、という映画。
なのだけど、だんだんその範疇を超えて奇妙な方向へドライヴしていきますね。
そうして言及しているのは、つまるところ、住む、ということの不安そのものだと思います。


プロジェクトX
これもPOV映画。
なのだけど、ホラーではない。
アホな学生三人組がfacebookで「誕パやるんで爆散希望!」てな感じで書き込むんですが、それがガチで拡散してしまって祭りと化す、という。
ただ、やはりこれもPOVという形式の勝利。
その只中にいる、というライヴ感がスゴい。高揚。親密さ。切なさ。
そして、家という空間は小さなカメラによってこそ俄然生きてくる。


ゴーストランドの惨劇
これも家が主人公の心そのものと重なる作風。
主人公とお姉ちゃんの姉妹、そのお母さんの三人家族が住む家が、サイコキラー二人組に襲われる。
というのが過去話で、そのサイコキラーたちはお母さんが何とかかんとか撃退したんだけれども、お姉ちゃんはそのときのトラウマに囚われておかしくなってしまっている。
という話。
で、まあ、このあととんでもない事が起こります。
見ながら、「この家ってつまりは何なんだろう?」てなことを考えていくと面白いと思います。


ア・ゴースト・ストーリー
奥さん残して事故死した旦那がオバケになって家に帰ってくる話。
なんだけど、オバケってもう死なないわけで、死なないということはどういうことかと言うと、時間という概念が消えるってことなんですよ。
もの凄いスピードで時間が過ぎ去り、それどころか、過去も未来も並列に一緒くたになり、すべてが曖昧になってゆく。
それでも、奥さんとのことが忘れられず、オバケはその家にずっといる、そういう話。
これも映像センスが凄まじい。
手前奥移動主体のカメラにスタンダード画面、驚きの長回し。


八つ
これはアマゾンビデオで借りられるのかな?
主人公の女性は強迫性障害なんですね、過去のあることがきっかけで。
それで、何度も手や体を洗ったり、数字をひたすら数えたりしている。
家の中から一切出ることができない。
でもこの朝は違った。
今日こそ家から一歩出よう、そう決断する。
家から出るまでの朝の約90分をワンカットで撮影。


そんな感じで、あと

こんなんも選びました。
どれも朝に向かって夜を駆け抜ける映画です。
もし退屈な夜があったら見てみてください。

そんな感じでありがとうございました。


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