障害者雇用による安価な製品の制作とその問題点について

 用事があって市役所に行って一通り終わったのでパンフレットを見てこようかと思い市役所内を歩いていたら多肉植物を販売していた。美しく充実した株が100円で売っており、これはいい買い物になるぞと喜び勇んでポットを手に取った。5つのポットを買い、会計は500円であった。ホームセンターや花屋でこの値段だと1ポットしか買えないであろうに、こんなに安くいいものを買えたと嬉しくて舞い上がって早速xにポストした。
 しかしよく考えたらこれは誰かしらの労働によって生み出されたものであり、商品に対して相応の対価を払うのが礼儀や道理ではないかという考えが頭を擡げた。
 これは一見いいことのように見えて見えない労働力を支える方からの搾取ではないかと思ったのだ。
 この事を2つの問題点として提起する。ひとつは障害者雇用の問題点は低すぎる賃金について。ふたつめはその賃金を上回る品質の商品を安価で買い入れられることに対して一定の評価がある事。
 まずひとつめの問題点は自立を目指して働いているのに賃金が安いせいで自立できない点。これは障害者年金だけでは暮らしていけないという事で障害を考慮して働ける作業所を紹介され、障害を考慮してもらっているという事で賃金が安く設定されているせいで自立を掲げているにも関わらず働けど働けど暮らしは楽にならず、家族に頼って生きることになり自立しているとは言えない労働環境になってしまう事だ。
 ふたつめは品質がよく、安価で商品が手に入ることを評価されるせいでそこがいつまでも改善されず前者の問題へと回帰し障害者の人権が守られていない事。自立を目指して労働することを掲げているのにその仕組みによって自立が阻まれるというのは制度を作った国や自治体による障害者の人権蹂躙にあたり違法性があると私は考える。
 この2点は障害者の自立を阻むだけでなく障害者の人権に関わることだから見直すべきではないかと私は考えている。

この記事が参加している募集

#お金について考える

37,910件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?