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布団にくるまっているだけの存在。

私の大好きなインフルエンサーの方のインスタグラムをみていた。
「私は綺麗に生きてきたわけじゃない」と言っていた。はっとした。
答えを知ってしまった私は答えを知らなかった自分を忘れていた。
いつの間にか愛に包まれるがままにこの世界を楽しんでいた。
でも、もし自分が出すコンテンツを見てもらう読者がいるとすれば
「闇の真っただ中にいたとき」の自分だ。

人生はそもそも闇でできているがそこに辿り着くまではもがき苦しむ。
理想があるかのような世界と自分の世界とのギャップで息苦しい。
それで大丈夫なんだよ。それで正解なんだよ。でも、苦しいよね。

10年前に躁鬱診断を受けて自宅と心療内科を往復するだけの日々を過ごしていた。あの時はテレビも本も読めなかった。ただ世界が憎らしくて、自分という存在に罪の意識を感じてどうしようもなく消えたかった。
家の中では何をするでもなくずっと寝ていた。睡眠薬の影響もあって眠気がとにかく襲ってくる。布団にただくるまれているだけの存在だった。

眠るたびに光の世界みたいなものが見えて、ずっとメッセージを伝えてくる。何なのかはわからない。天啓なんてすごいものじゃない。なんの役にもたたなさそうな眩しい光がひたすらに自分を包み込んでくる。

今考えると右脳をかなり使ってイメージの世界に浸っていたのだろうと理解できるけれど、そんな知識もないのでただの光に圧倒されていた。

生きているという感覚がまるでなかった。
全ての意識が自分以外のものに向かっていって自分が消えてしまっていた。

私はそれでも社会生活に戻りたい、人の役に立ちたいとウォーキングだけはしていた。焦っていた。どうやったら復帰できる?どうやったら認めてもらえる?どうやったら自分は存在していい?どうやったら、どうやったら・・

誰も教えてくれない。そんな世界がすごく憎らしくなって破壊したくなったこともあった。座っていたソファーをカッターで引き裂いてボロボロにした。リストカットすらできない自分が情けなかった。役に立たないのに死ぬこともできないのかよ。本当にどうしようもないクズだな。と自分を責め立てていた。一人で闇金ウシジマくんみたいなことをしていた。

あやしいサイトにも手を出した。メルマガ登録すると音声で誘導瞑想的なことをしてくれるらしい。彼の声は落ち着いていてすごく聞きやすかった。不安の正体などを説明してたように思う。脳がある程度情報をはじいた状態で聞いていたはずなのであまり覚えていない。

心理学、脳科学、スピリチュアル、引き寄せの法則。目に見えない世界について興味がわくようになった。もう自分には肉体は要らないと思うようになっていった。誰ともコミュニケーションをとらずに、眠って起きて歩いて、重たい体を引きずって生きている日々が続いていた。

ある日コンビニで「お箸お付けしますか?」と言われたときに「はい」と返事したら「え?」と聞き返された。誰とも話さない間に声が出なくなっていた。高校の頃にバンドでボーカルをしていた経験がある私は突然目が覚めた感じがした。私の声はコンビニの定員さんにも聞き取られないくらい小さくなっているのかと、自分に肉体があることを思い出し始めたのだ。

それからネットでゲームをすることになってゲーム配信に出会う。テンションが高くない落ち着いた配信をしてる人がいて、そういうスタイルもあるんだと思って始めた。今考えるとかなり高いハードルを初めから飛んでいたがそんなことわからなくなるくらい必死だった。声を取り戻したい。自分の声が聴きたい。マイクで話すと小さかった自分の声が聴きとれるようになった。よかった。まだ声が自分の声が聞けるみたいだと安心した。

配信の世界はかなりハードだ。芸能人を目指すひとが多くてみんな自分を売るのが上手い。私なんて声を取り戻したいだけの地味な活動をしていたから、きっとこの人たちの世界では認識されていない存在だと思う。未だに。

でも、それがいいんだということに辿り着いた。
こういう記事は復活劇みたいなものを書くのが正解なのかもしれない。
そんなことは言わない。闇の中で必死にもがく自分がどうしようもなく愛おしい。世界は変わらなかった。自分も変わらなかった。闇は存在した。光の世界も存在した。どっちも自分でどっちも本当の世界だった。

あぁ、布団にくるまれていただけの自分。愛しているよ。そのままでいい。


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