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【宮ぽた ep17 《世界文化遺産登録10周年!構成資産を巡る世界遺産・富士山ツアー》】SURUGA Cycle Journal Vol.154

富士宮市さんとのコラボ企画「宮ぽた」。
今回のテーマは世界遺産・富士山ツアー!2013年6月22日に富士山はユネスコ世界文化遺産に登録され、2023年で登録10周年を迎えました。

世界遺産の登録範囲は富士山そのものだけでなく、信仰や芸術と関係する山麓の神社や湖、湧水地、滝など、25の構成資産が含まれています。そこで今回は、富士宮にある構成資産をコンプリートするサイクリングに挑戦します!
富士宮市にある構成資産は全部で5か所。寄り道スポットにも立ち寄りながら、富士山の歴史を辿る旅に出掛けましょう。

ナビゲーターは富士宮市職員の高橋さん(左)と鈴木さん(右)のおふたりです。
スタートはホテル「SLEEEP」さんから。

富士宮駅前にあるのでアクセスも良く、サイクリストや登山愛好家にオススメのミニマリストカプセルホテルです。プライバシーと快適さが両立された設計がこだわりです。

フロントの壁一面に富士宮市を等高線で表した地図が描かれています。ガラス戸には「3776」の文字。ここが富士山ですね!

今回はこちらでE-BIKEをレンタルしましょう!富士宮市では、市内16か所でE-BIKEのレンタサイクルが設置されています。オンロード、オフロード、中間タイプから選ぶことができ、朝霧高原エリア、芝川エリア、街中エリアの観光施設でレンタルが可能です。

「SLEEEP」さんを出発し、まずは街中をゆるりと進んで「静岡県富士山世界遺産センター」にやって来ました。

美しい朱色の鳥居は、“富”ではなく、「冨士山本宮」をかかげる大鳥居。「富士山本宮浅間大社」の鳥居のなかでは、最大の鳥居です。鳥居の向こう側には、今回のテーマでもある世界遺産・富士山が見えています。

富士山世界遺産センターは、静岡県内の富士山麓で育ったヒノキの木格子を8,000ピース組み上げた逆円錐形で、逆さ富士を表現している芸術的な外見。

手前の水盤に富士山世界遺産センターの建物が映ると、水面に富士山が出現しますので、ぜひ写真を撮ってみてはいかがでしょうか?

自転車を押し歩きしながら、側を流れる神田川に沿って遊歩道を進んでいきましょう。すっかり新緑の季節になり、花壇もカラフルに彩られていました。

このまま北へ進み、1つ目の構成資産、富士山本宮浅間大社を目指します。

こちらは浅間神社の総本宮で、富士山の噴火を鎮めるために、浅間大神(あさまのおおかみ)とも言われる木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと)が祀られています。

9世紀ごろから源頼朝・北条義時・武田信玄勝頼親子など、日本の歴史に大きな影響を与えた人々から信仰を集めていました。特に徳川家康から手厚い保護を受け、現存する社殿の造営、さらに寄進(寺院や神社などに土地や金銭、財物を寄付すること)をきっかけに富士山八合目以上を御神体として管理するようになりました。

境内には富士山の雪解け水が湧出する「湧玉池(わくたまいけ)」があります。その豊かな湧水が神田川に注いでいるのも、富士山麓の富士宮ならではと感じます。せせらぎの音を聞きながら、川の側にある「神田川ふれあい公園」で雄大な富士山を眺めました。

さまざまな場所で、雄大な富士山を眺めながらサイクリングが楽しめるのが富士宮の魅力のひとつ。今回は交通量の多い道を避けて、耕作地や田園の風景が広がる道を選んで走りました。

時折ペダルを止めて、この素晴らしい富士山の景色に見入ってしまいました。この日はまだ少し冠雪がありましたが、これから夏に向けて凛々しい黒富士が見られるようになります。

富士山は『信仰の対象であり、芸術創作の源泉である』という理由で、世界文化遺産に選ばれました。古来、噴火を繰り返す富士山は神が宿る山として『遙拝』 の対象になっていた一方で、その雄大で美しい姿から芸術面でも多くの人々に影響を与えてきました。長きにわたって、日本人は富士山という自然の営みに宗教性、芸術性を見出してきたのですね。

この時期らしく、水が張られた水田に映し出された逆さ富士に遭遇することができました!

こちらは大石寺(たいせきじ)付近からの景色。
これからも末永く、日本が誇る美しい富士山を受け継いでいきたいですね。

「富士山本宮浅間大社」があった街中エリアから走ること約16km。上り坂が続くので、電動アシストをフル活用してペダルを踏みます。

やってきたのは、2つ目の構成資産「人穴富士講遺跡(ひとあなふじこういせき)」です。 長距離の上り坂を走れるのだろうか…と不安な声もありましたが、電動アシストが一番強いスポーツモードにすると、ひとこぎの推進力も格段に上がります。E-BIKEってすごい!でもペダルをこぎ続ける気力は必要!とみんなで励まし合いながら上りました。高橋さんはアシストが緩めのエコモードで走っていたんですって。なんてパワフル!
ここまでの獲得標高は約700m。頑張った甲斐があって、鳥居の向こう側には、また美しい富士山が見えました。

人穴富士講遺跡は、人穴浅間神社の境内にあります。ここには、犬涼み山溶岩流によってできた長さ約83mの溶岩洞穴「人穴」があります。

また、富士講(富士山への信仰)講員が建立した200基を超える碑塔等があり、江戸の富士講の開祖長谷川角行(はせがわかくぎょう)は人穴に篭って修行し、仙元大日神(せんげんだいにちしん)の啓示を得たとされています。

碑塔の奥には展望場があり、ここからも木々の間から富士山を望むことができます。

長きに渡って富士山が厚く信仰されてきたことをあらためて感じますね。

たくさん走ってお腹はペコペコ。加えて気温が上がってきたこともあり、いい感じに汗をかくことができました。

ここでランチにしましょう!今回は「五平茶屋」さんにやって来ました。富士宮やきそばをはじめ、定食や丼物などがメニューにずらりと並ぶ地元に愛されるお食事処です。

ナビゲーターのおふたりのオススメは「塩バターレモンやきそば」。あっさりとした塩味の富士宮やきそばにレモンの酸味とバターのこってり感が絶妙にマッチします!これは美味しい~!

大盛りにもできますので、おなかいっぱい食べられて嬉しいですね。

もうひとつ、五平茶屋さんのイチオシメニューの「五平餅」も食べちゃいます。ご飯を潰して平たい楕円形にしたものを串に刺しており、こちらではくるみ、山椒、柚子、醤油の4種類の味があります。

おやつ感覚で食べられるのに、腹持ちもよく大満足です。

ふと天井を見上げると…こんなところにもメニューが!ちょっとした遊び心が素敵な五平茶屋さん、平日にもかかわらずお昼時はお客さんでいっぱいでした。ジュージューという鉄板の音を聞きながら、しばし富士宮グルメに舌鼓を打ちました。

続いては、宮ぽたではおなじみのヒーリングスポット「白糸ノ滝」に行きましょう。

高さ20m・幅150mの湾曲した絶壁から富士山の雪解け水が湧き出し、大小数百の滝が流れ落ちています。白糸ノ滝も世界遺産・富士山の構成資産のひとつです。ここで本日3つ目の構成資産スポットですね。

富士講の文献によると、白糸ノ滝は長谷川角行が人穴での修行と並行して水行を行った場所であるとされ、富士講信者を中心に人々の巡礼・修行の場であったことから構成資産に指定されました。
滝のすぐそばで眺めるのも圧巻ですが、滝の右岸上部にある展望台からの景色もオススメです。

天気が良かったので、滝の背景に富士山を見ることができました。豊かな緑と富士山の清らかな雪解け水。白糸ノ滝は国の名勝及び天然記念物に指定されており、富士山の恩恵が作り出した美しい景色が守られ続けています。

ここでプチおやつタイムです。駐車場近くにある「ちどり屋」さんで、「まかいの牧場」直送のソフトクリームをいただきました。

生乳の質にこだわって、当日の朝に搾った牛乳で作られたソフトクリーム。午後になって気温も上がってきたので、疲れた体に糖分補給&クールダウンですね!残りも張り切ってペダルを踏みましょう。

今回巡る構成資産も残り2か所になりました。4つ目は「山宮浅間神社(やまみやせんげんじんじゃ)」です。

富士山本宮浅間大社の前身で、境内に社殿や本殿がないことから、富士山体を遥拝する場所として古い富士山祭祀の形を留めていると考えられているのだとか。

遥拝所へ続く参道の途中にある石は「鉾立石(ほこたていし)」というもの。 「山宮御神幸(やまみやごしんこう)」と言って、明治時代の初めごろまで、毎年春と秋に富士山浅間大社から山宮浅間神社の間を神さまが往来する行事が行われていました。その際、休憩するときに神さまの宿った鉾を地面に下ろしてはいけないため、この石の上に載せたのだそうです。

境内奥の木々の隙間からは、富士山を望めます。

現在、文化財保護のため遥拝所に入ることはできませんが、いにしえから富士山への信仰が続いていたことがわかりますね。

ラストは緩く長い坂をみんなで上っていきます!急勾配ではないのですが、とにかく上り坂が続くので最後の力を振り絞ります。やっぱり電動アシストがあってよかった…!E-BIKEだと、行ける範囲がグッと広がるのを身をもって感じました。

今回の最終スポットは、5つ目の構成資産「村山浅間神社」です!
富士山における修験道(山へ籠もって厳しい修行を行うことで悟りを得ること)の中心地です。明治時代の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)運動により廃されるまで、興法寺(こうほうじ)という寺院があり、境内にある「冨士山興法寺大日堂」は興法寺の中心的な建造物であったと伝えられています。

境内にある御神木の大スギは静岡県指定天然記念物であり、中心部に高さ8mにおよぶ大きな空洞があります。

これで富士宮市にある世界遺産・富士山の構成資産、全5か所をすべて巡りました!この数は静岡県内で最多なんですよ。

サイクリングの途中でいろいろな角度から富士山が眺められたのも今回のコースの特徴です。夏に突入すると、黒富士の景色がますます美しい季節になります。一方、冬の澄んだ空気のなかで見る冠雪の富士山も日本らしく素晴らしい景色です。
ぜひ世界遺産・富士山の風景と共に、その信仰を物語ってきた構成資産にも注目してみてください。

今度はどんなところに出かけましょうか?次回の宮ぽたもお楽しみに~!

【Information 1】
▼富士宮市
http://www.city.fujinomiya.lg.jp

▼E-BIKE FUJINOMIYA
https://fujinomiya.gr.jp/e-bike/

▼SLEEEP
https://sleeep.io/experience/jp/sleeep-jp-fujinomiya

▼静岡県富士山世界遺産センター
https://mtfuji-whc.jp

▼富士山本宮浅間大社
http://fuji-hongu.or.jp/sengen/

▼人穴富士講遺跡
http://www.city.fujinomiya.lg.jp/fujisan/llti2b0000001br3.html

▼白糸ノ滝
http://www.city.fujinomiya.lg.jp/kankou/llti2b00000018ez.html

▼村山浅間神社
http://www.city.fujinomiya.lg.jp/fujisan/llti2b0000001lrf.html

【Information 2 】
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https://www.surugabank.co.jp/reserved/landing/road_bike/index.html?ad=miya_pota

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