【伊豆ぽたでサイクリング「夏突入!7月は、河津で涼さがしを」】SURUGA Cycle Journal Vol.78
伊豆急行さんとの共同企画「伊豆ぽたでサイクリング」。
レンタサイクル「伊豆ぽた」に乗って、伊豆急沿線サイクリングのさらなる魅力スポットを巡り、ご紹介していきます。
伊豆ぽたシリーズも中盤に突入しました。5回目に訪れたのは、夏の河津です。
河津は「河津桜」という早咲きの桜で有名な街ですが、「今井浜海岸」の美しい海や、「河津七滝(ななだる)」という天城山付近にある滝群など、山も海も存分に楽しめる町なんです。それにちょっと珍しい動物園もあったりします。
そんな河津を案内してくださるのは、伊豆急行の木田さん(左)と春田さん(右)。
おふたりともお揃いの「伊豆ぽた」スタッフユニフォームを着てご登場です。
白と青が爽やかですね。
スタートは伊豆急行線「河津駅」から。
駅の看板はピンク色で、河津らしく桜が描かれています。
さらに、エリアマップも桜のモチーフが。
改札内も見学しました。
河津駅は特急列車の停車駅ということもあり、構内は広々としていました。
また、お土産屋さんが隣接しているのも特急列車の停車駅ならではだそうです。
お店の方にもご登場いただきました。
そして駅ロータリーには伊豆が舞台のあの有名小説「伊豆の踊子」の銅像があります。マスク姿でお出迎えしてくれました。
それではそろそろスタートしたいと思います。
最初に向かったのは、体感型動物園「iZoo(イズー)」です。
2012年にオープンしたこちらの動物園で出会えるのは、世界でも珍しい種類の爬虫類たちです!
今までの動物園や水族館では実現できなかった飼育体験や見学の仕方を体感できるようになっており、日本最大級の規模を誇ります。
また、園内の展示などは日々変化しているため園内マップは設けていないというのもポイントのひとつ。
「まさかこんな所で…!?」と、奥へ進めば進むほど驚きの連続でした。
今回は特別に少しだけ園内の様子をご紹介したいと思います。
(以下、爬虫類の動物の写真がありますので、苦手な方は閲覧にご注意ください。)
伊豆急行公式キャラクターのいずきゅんも、その迫力に驚いています。
爬虫類好きの方も園内が気になった方も、ぜひ訪れてみてください。
今度は、来た道を引き返して今井浜方面へと向かいます。
さすが伊豆の海ですね、透明度が高く真っ青です。
今井浜の海は遠浅で今井浜海岸駅からも比較的近いので、例年夏には多くの海水浴客が訪れます。
今回は、海岸沿いに建つ「伊豆今井浜東急ホテル」さんのティーラウンジ「フローラ」でティータイムを過ごしました。
南国リゾートの雰囲気が漂うエントランスを抜けると、下の階へ降りられる大階段へと誘われます。
吹き抜けの天井に、天井まで続く大きな窓が開放感をもたらし、オーシャンビューも望めて優雅な気分に浸れます。
さらに気持ちが高まるのが、おすすめメニューの「アリイパンケーキ」と「ぷでぃんぐ・ど・かわづ」のデザートメニューでした。
甘さ控えめの生クリームとふわふわパンケーキ、そしていちごソースのハーモニーは絶妙で、見た目のかわいさに負けない美味しさです。
プリンの「ぷでぃんぐ・ど・かわづ」も器からして素敵で、さらに「カラメル」「季節の伊豆産フルーツソース」「満月の塩」と3種のアレンジトッピングが楽しめるようになっています。
「満月の塩」というのは、満月の時に汲み上げた海水を使用して河津で作っている特別なお塩だそうです。
お塩をかけて食べるプリン、ちょっと珍しい体験をしました。
その後、テラスも散策しました。
芝生とヤシの木にオーシャンビュー、そしてパラソル付のテーブルという景観でリゾート感をさらに味わえます。
海へはホテルのプールサイドからも直結していて、今井浜の美しい浜辺へ一直線です。
客室から見る景色もさぞ綺麗でしょうね。
駅方面へ戻り、「川津来宮神社」にやってきました。
正式名は「杉鉾別命(すぎほこわけのみこと)神社」で、伊豆七不思議「鳥精進・酒(さか)精進」の舞台にもなっている神社です。
その昔、杉鉾別命というお酒の大好きな祭神がいて、酔っぱらって眠ってしまったある日、野火に囲まれ、危ないところを鳥たちに助けられたという伝説は、後世にも引き継がれ、河津では今でも祭神が災難にあったといわれている12月18日〜23日の6日間は「酒を飲まない・鳥を食べない・卵を食べない」という風習があるそうです。
本殿の奥にある、樹齢千年を超える大楠も見所スポットのひとつ。
こちらは国指定天然記念物にもなっています。
他にも巨木があって、境内はパワーがみなぎっているように感じました。
もう一つの国指定天然記念物になっている樹を見に、河津川を少しだけ北上しましょう。
到着したのは「新町の大ソテツ」です。
根周りが直径約2.5m、幹が四方八方に伸びていて高いところでは10mにもおよびます。
推定樹齢が600年以上といわれる大ソテツは、1936年に国指定天然記念物に指定されました。
スギやマツと同じ裸子植物の仲間で、鉄分を与えると元気が出ることから「蘇鉄」と書くようになったといわれています。
1981年には、昭和天皇・皇后両陛下も観覧に訪れているそうです。
それにしても伊豆にはさまざまな所に大樹が存在しますね。これもまたジオパークである証のひとつなのかもしれません。
いよいよ「河津七滝」を目指して天城方面へと向かいますが、ここで、東海バスさんの「サイクルラックバス」を利用したいと思います。
河津駅と修善寺駅を結ぶ天城線のバスでは、本数限定で自転車を積載できるバスが運行しています。
バスのフロント部に2台、車内に1台の合計3台まで自転車が積載できるようになっています。
積載時の手順も見せていただきました。
重量のある電動アシスト自転車でも簡単に載せられるので、バス&自転車でおでかけ範囲が広がりそうですね。
予約制ではありませんが、ご利用の際は事前連絡をしておくとスムーズに乗車できますよ。
さて、サイクルラックバスに乗って河津七滝のバス停に到着しました。
天城の名物ともいえる「河津七滝ループ橋」の真下あたりに位置するエリアで、静かな温泉街でもあります。「伊豆の踊子」の舞台としても有名な旧天城トンネルなど見所がたくさんあります。
それでは滝を見に行きましょう!
滝までは遊歩道があるので、徒歩だけでなく一部自転車での散策も楽しめます。
ここで豆知識を。
河津では滝のことを「水が垂れる」という意味の「垂水(たるみ)」と呼んでいたため、「たき」ではなく「だる」と読みます。
河津七滝の全長は約1.5km、上流から順に
「釜滝→エビ滝→蛇滝→初景滝→カニ滝→出合滝→大滝」
と7つの滝からなっています。
この滝群は約25,000年前の火山によって溶岩が谷に流れ込んでつくり出された「ジオサイト」のひとつです。
上の写真をご覧ください。滝の両サイドの地盤が柱のようになっているのが印象的です。
このような、厚い溶岩が凝固・収縮してできる「柱状節理」の様子が、七滝のうち「エビ滝」を除く6つの滝で見られるのです。
全部巡りたいのはやまやまですが、今回は自転車でも行ける滝を抜粋して「初景滝」まで見に行ってきました。
滝までの道中からすでにマイナスイオンを感じます。気温や空気もフッと変わり、冷涼な風をずっと浴び続けています。
また、水と森の美しさには目を見張るものがあります。時間さえあれば、すべての滝をじっくりと見て散策したいものです。
所要時間は2時間ほど。秋の紅葉も格別の美しさだとか。どの季節に訪れても癒されそうですね。
七滝エリアには、iZooの姉妹施設「KawaZoo」があります。
こちらはなんとカエル専門施設なんです。
120種類以上2,000匹のカエルを飼育していて、その展示規模は日本最大!たしかにカエルしかいない施設というのは初めて聞きました。
展示室には大小様々、色とりどりのカエルたちが生活しており、カエル好きにはたまらないスポットです。
園内の田んぼエリアではカエルたちが実際に放し飼いされていて、自然そのままの姿を観察できますよ。
そろそろお腹が空いてきました。
少し遅めのランチは「七滝茶屋」さんへ。
50年以上続くこちらのお店は吹きガラス体験もできるお茶屋さんで、地元名産のいちご・猪・わさびをそれぞれ使用したメニューがそろっています。
特に人気なのはいちごスイーツです。
旬の1〜5月には生いちごを楽しめる期間限定メニューと、冷凍保存した完熟いちごを使用したオールシーズンメニューが用意されているので、一年中いちごを味わえます。
今回は、生わさびたっぷりのミニわさび丼&とろろ蕎麦(うどん)を食し、デザートに「いちご三昧」という3種のいちごスイーツセットをいただきました。
生わさびの甘味と辛味の洗礼を受けて爽快になった所で、最後にいちごの甘みに癒されたのでした。
河津七滝を後にし、最後のスポットに向かいました。
「栖足(せいそく)寺」です。
700年もの歴史がある禅寺は、途中、火災や天災にも見舞われましたが、本堂は再建されてから140年以上現存しています。
そして、この本堂天井に掲げられる99枚の天井絵も名物のひとつで、その素晴らしさは圧巻です。
とくに紺青の発色が美しく、こちらは塗り直しなどすることなく再建当時から変わらない状態だそうです。
時間が許す限り、一枚一枚じっくりと見たいものです。
また、まんが日本昔ばなし「かっぱのかめ」の舞台になっており、別名「河童寺」とも呼び親しまれ、天井絵の隣部屋には河童ギャラリーも設けられています。
最近評判なのは、期間限定で行なわれている「禅プロジェクションマッピング」「演奏法話」で、どちらも本堂内で開催されています。
今回は特別に音楽と法話の融合「演奏法話」を体験させていただきました。
住職によるサックスの生演奏と法話は見事に融合されて、実に心地よく涼やかな気持ちになりました。
体験をご希望の際は、ホームページで開催日等をご確認ください。
河津の涼巡りは以上となります。
涼やかな伊豆ぽたサイクリングとなりました。
次回の伊豆ぽたもお楽しみに!