ロゴ3

カルチャー週報 03/18~03/24

今週は仕事でタフな打合せがありましたが、それゆえに頭が冴え、精力的にカルチャーに触れることができました。そんな一週間のなかで、観たり聴いたり読んだりしたものをまとめました。

雑誌「STUDIO VOICE」(スタジオ・ボイス)の最新刊の特集は、「Documentary / Non-Fiction 見ようとすれば、見えるのか?」でした。

最近SNSを眺めていると、「それまで注目してなかったことや、自分で体験したことがなかったのに、話題になっているからといって意見を述べている人が多いなあ」と思うことがあります。

ある事象について、短い言葉で「これはこうなんだ!」と明快な立場を押し出す人がいて、こちらが「へ~そうなんだ」と思いその人のこれまでの発言をみてみたら、特に何かの専門家というわけではなく、たんに「ニュースに意見を言いたい人」だったということがよくあります。

たしかに、いまネットで探せば、さまざまな意見や情報をみることができ、それを総合してなんだか詳しくなった気がする感はすごく分かります。そして、言葉巧みな人の明解な意見に思わず納得しちゃったりすることもよくあります。

何かの専門家や当事者じゃないと意見を述べてはいけない、ということはないと思います。しかし、やっぱり現実は複雑で多面的です。意見というものは、事象のある側面をクローズアップさせています。そういったことをSNSで集めたところで、現実を正確に把握したことになるのでしょうか。

そんな時代にあってか、「STUDIO VOICE」で特集されたドキュメンタリーは、古くからある手法なのに、とても新鮮に感じられました。時間をかけて直接取材しさまざまな面を捉えて観客と共有するという表現が、現在のネットメディアでなかなか感じられないものだからでしょうか。

実は、そのスタンスをハードに体現し続けていると密かに考えているメディアがあります。雑誌「裏モノJAPAN」です。

エロや裏社会を取り扱った月刊誌であり、「え?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

たしかに、倫理的に賛同しかねる記事もありますが、ニュージャーナリズム的に記者が実際に体を張って書いていることに毎号感心しています。これこそ、古き良き雑誌文化の良心ではないでしょうか。出版不況といわれていますが、末永く続いて欲しいです。

わたしとしても、この「裏モノJAPAN」を見習い、このカルチャー鑑賞報告を個人がちゃんと接したうえで率直に書いていきたいと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?