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シルバーアクセサリーってのはね…

皆さんはシルバーアクセサリーって付けてますか?
いやいや、これシルバーアクセサリーに限らずアクセサリーって付けますか?って聞くほうがいいかもしれない。

「付けてます!」って方は、何に惹かれて身につけていますか?
「付けてない。。。」と言う方は、アクセサリーにどんなイメージを持っていますか?

書き出しから質問ばかりですいません。これらの答えは人それぞれ沢山あると思いますが、これから書くことはシルバーアクセサリーって「モノ」に対しての作り手視点からのお話です。

シルバーアクセサリーについてお話するに辺り、小難しい歴史や「925ってのはね。。。」「指輪の歴史はね。。。」なんてことは語りません。
興味あるかわかりませんが、「自分が何故シルバーアクセサリーを作り続けるのか?」というところからお話します。

「貴方が作ったモノは貴方が一番最初に褒めてあげなきゃこの子が可哀想よ。」

専門学生時代、自分の作るものが満足できず嫌気がさして学校の屋上にある喫煙所でタバコ吸ってよく授業をサボっていた時、見知らぬおばちゃんが作業着を来てタバコを吸っていました。
「貴方はここの生徒かしら?」と不機嫌そうな顔をした自分に話しかけてきた。話を聞くとおばちゃんはウチの専門学校の「社会人をしながらアクセサリーを学べるコース」にいる人だった。

「私ね、本職でも自分のアクセサリーを作って売っているのよ、だけどね、歳だからこう言うところで基礎を忘れないようにと通っているの」と自分で作ったであろう決して上手くはないキラリと輝くシルバーリングが付いてる手でタバコを吸いながら話してくれた。

貴方はどんなモノを作っているの?」

ギクリと自分の中で思いながら「いやぁ。。。自分の作ったモノが納得いかなくて、クソなもん作ってしまいました。。。」とポッケにしまっていた雑な作りの指輪を見せた。

「素敵じゃないの。どうして自分が頑張って作ったモノをそんなにお嫌いになるのかしら?この指輪を作って一番最初にこの指輪を見る貴方がこの子を褒めてあげないとこの子可哀想よ。貴方が一番に褒めないで誰がこの子を褒めてくれるの?自分に自信を持った方がいいわ。」

その言葉を聞いた途端、「どうしたって納得がいかないのを褒めるのは難しいです」などと冷たく言ってその場を後にした。そのおばちゃんとはそれ以降卒業まで二度顔を合わせることはなかった。

専門学校を卒業し、アパレルの販売員をしながらブランド活動をしていた。新作が思うように出来ず悩んでいた時、たまたま作業台の端っこに埃がかぶった学生時代に作った指輪が転がっていた。

「懐かしいなぁこれ、今じゃこんなの作りたくないけどこの頃に作ったもんは妙な愛着あるなぁ」とその指輪を付けてみた。何故だろうか、当時あんなにもこれを褒めて認めてあげることが出来なかったのに。

「貴方が作ったモノは貴方が一番最初に褒めてあげなきゃこの子が可哀想よ。」

頭の中で名前も知らないおばちゃんが言ってくれた言葉を思い出す。
あのおばちゃんはどうしてアクセサリーを作ろうと思ったんだろうか?としみじみ考えた。あんなにも忘れてしまいたかった出来事をこの指輪を付けた途端鮮明に思い出した時、この指輪に刻まれて覚えてたんだ。この指輪が忘れないように。

それからと言うもの、少しずつではあれど自分の納得できない理由と褒めてあげれる理由を考えるようになった。そして身につけた時どんな感情が芽生えるのか自分の心の声に耳を傾けるようにした。

見ただけのデザインの好みや感想はあれど、上手いとか下手とかそう言うのを超えた、身につけた瞬間に感じるナニかがアクセサリーにはある」と自然と考えるようになった。
「もっと上手く、もっと自分の納得する形」だけを追い求めて、「アクセサリー」ではなく「造形物」という無機質な考え方をしていたんだなとその時気づいた。

当時ファッションのことを学ぶ為にアパレルの世界に身を置いていたこともあり、服と合わせて身につけるアクセサリーの「在り方」を模索するようになった。その中で、自分のアクセサリーを買ってくれた友達やお客さんからこんな感想を言われるようになった。

「元太くんの作るアクセサリーはとてもセクシーなんだよね。繊細で色っぽい雰囲気があって凄く素敵。これを着けていると自分も綺麗になったような感じがする。」

そう言われた時、自分ではいまいち何故そんな感想を言われることが増えたのか分からなかった。
でも、今なら自分の作ったアクセサリーをたまに身に付けると分かるようになった。

男性も女性も身を着飾る為に「洋服」を纏う。それは所謂、「なりたい自分」「自分の個性」の具現化だ。
「アクセサリー」は、具現化させたモノの上に「雰囲気」または「美学」を与えてくれる存在なんだと。

シルバーという素材は、傷つきやすくも磨けば輝き放つ素材。身につけていれば当然傷つく、そして磨いてあげないと輝きが失われて行く。
そんな一見マイナスな部分が多く見える素材の特性は、「人そのもの」に感じられた。

人の心も傷つきやすく脆い、けれど傷も輝きも全て自分というのが人の在り方ではないだろうか。自分にとってのシルバーアクセサリーとはそのメタファーではないかと。

ただの邪魔な存在とするのは容易い。
しかし少しその存在に寄り添って見たら、見え方が変わるかもしれない。自分の作ったアクセサリーを買ってくれたお客様の中には「シルバーアクセサリーって初めて」「あんまり良いイメージなかったけど、着けてみたら全然違った」「興味なかったけど、興味が出た」と言ってくださる方が大勢いた。

洋服だってお洒落をするには、服に寄り添わなければ成り立たない。
それと同じく、シルバーアクセサリーにも寄り添ったら見えてくるストーリーがそこにはある。

「シルバーアクセサリーは、不必要なら彼らから身に付けることを強いることは絶対にしない。しかし、必要と思う日が来てくれたならば、その時は貴方に寄り添い全てを受け入れる」

無いなら無いままの楽しみや過ごし方もたくさんある。
有ったらまたいつもとは違う日常や気分を感じさせてくれるモノ。
その1つに「シルバーアクセサリー」って選択があっても楽しそうじゃ無い?

「貴方に触れられるのは、貴方が選んだモノだけ」

ある小説の一文。
シルバーアクセサリーってのはね、身につけている俺にとってもありふれた日常を一瞬でも非日常に変えてくれるかけがいの無い存在なのかもしれません。

作り手としても自分の見る世界を変えてくれる、小さいけど大きい力を持った大切な存在だと、今なら名前も知らないおばちゃんに胸張って言えるかもしれないです。

今回も長い文章を最後まで読んでくださりありがとうございます。少しでも興味を持ってくれたでしょうか?やっぱり不必要だって思いましたでしょうか?

彼らは決して無理矢理に追っかたり急かしたり遠くへ離れもしません。
気分を上げてくれるモノ」の1つとして、ソコに在り続け貴方の必要な瞬間に「シルバーアクセサリー」「ジュエリー」が浮かんでくれたなら嬉しいです。

では、またここでお会いしましょう。

ANTIVIRAL
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