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【研修レポ】2008年の創業以来、消えることのない1つの志──「女性活躍」という言葉がなくなる未来を信じて

2022年4月1日に「女性活躍推進法」が改正されました。これまで従業員数301人以上に適用されていたものが「101人以上」となったのです。

具体的には

(1)自社の女性の活躍に関する状況把握・課題分析
(2)課題解決にふさわしい行動計画の策定・届出・周知・公表
(3)都道府県労働局に一般事業主行動計画策定・変更届を届出
(4)自社の女性の活躍に関する情報の公表
参考:女性活躍推進法特集ページ

などの取り組みが義務化されました。

この流れを受け、株式会社Surpassでは「女性活躍推進総研」を2021年9月にリリース。

「女性活躍推進総研」は、営業未経験の女性であってもゼロから育成し、BtoBの世界で活躍できる人材を輩出させてきたSurpassの実践知をベースに作り上げたサービスです。

女性と企業の橋渡しをしてきたノウハウの集大成を、ダイバーシティ組織論という形で体系化し、再現性のある理論へとまとめています。

本特集では、サービスの品質を支える社員研修「ココロザシ・ラボ」の内容をシリーズでお届け。本日は、2021年12月におこなわれた社内研修の様子をお伝えします。

なぜ社内研修に力を入れるのか?

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研修の目的として、下記の代表メッセージが参加者に送られました。

私たちは女性活躍推進総研として、まずは国内企業の女性活躍、その先にはダイバーシティ&インクルージョンを実現した社会を目指しています

現在そのモデルケースが日本にあるのかというと、残念ながら見当たらないのが実状です。十分な資本があり、優秀な人材もそろっている大企業でさえ模索しているのが日本の現状なんです。

そのなかで私たちは、非常にむずかしい立場にいます。皆さんがこれから、いろいろな企業や人に対して女性活躍やダイバーシティ&インクルージョンの問題提起をすればするほど、それは自分たちに返ってくることだからです。

社会背景や今後の時代の流れによって、考え方や視点も変わってくることでしょう。何が100点で、どこが合格点なのかもわからない。そういったなかで向き合い、追求し続けなければいけない立場にあります。

すぐにベストの状態になれるわけじゃない。それでも日々の小さな積み上げを繰り返し、ディスカッションを重ねることが大切です。

世の中のことに繊細にビビッドにアンテナを立て、ダイバーシティ&インクルージョンを体現するための言葉や行動を、一つひとつに身につけること。それが社内研修「ココロザシ・ラボ」の目的のひとつになっています。

株式会社Surpass 代表取締役CEO
女性活躍推進総研 所長 石原

どんな社内研修を実施したのか?

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今回のテーマは「アンコンシャス・バイアス~無意識の偏見~」でした。

アンコンシャス・バイアスとは?
「無意識の思い込み、偏見」と訳される。誰かと話すときや接するときに、これまでの経験や見聞きしたことに照らし合わせて「この人は○○だからこうだろう」「ふつう○○だからこうだろう」と、あらゆるものを自分なりに解釈する脳の機能により引き起こされるもの。
引用:日本労働組合総連合会

研修の進め方は、まずは講師からのレクチャーがあります。基本的な概念や知識をインプットしたのち、グループに分かれてディスカッションを実施。表面的な理解にとどめることなく、深く内容を落とし込むことを目的としたワークショップ方式を取りました。

これより、研修内容の一部をご紹介します。

アンコンシャス・バイアスの解説

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冒頭に紹介されたのが、1970年代のアメリカで導入されたオーケストラ奏者の審査方法についてです。

当時、米国における女性奏者の割合は、わずか5%だったといいます。それが現在では4割近くを占めるようになりました。その理由が「ブラインド・オーディション」と呼ばれる、審査員と受験者の間にスクリーン(衝立)を立てるという方法だったというのです。

講師 受験者の性別がわからない状態で試験をすることで、女性の合格率が一気に上がったそうです。無意識に「女性よりも男性の方がオーケストラの奏者に向いている」などの偏見があったのでは? と当時話題になったといいます。これが本日お伝えするアンコンシャス・バイアスの一例です。

歯を磨いたり、服を着たりする。

もしも動作のなかで、べつのことを考えながら実行できるならば、それは「無意識」の行動だと判断ができるそうです。人間の脳は意識的に処理できる情報量が限られているため、およそ9割を無意識に反応できるように脳がショートカットをする機能があるとのこと。

効率の良い一面があるものの、コミュニケーションにおいては捉え方の歪みや偏りによって弊害を生むこともあるそうです。

講師 年齢を重ねている人に対して「知識や経験が豊富」と決めつけてしまったり、体格が大きい人には「たくさん食べる人」だと思い込んでしまう。そんな経験はありませんか? これらは肌の色や性別、宗教、組織など、さまざまな場面でバイアス(偏見)を生む可能性があります。

では具体的に、どのような無意識の偏見が起きやすいのか。具体的な例とともに解説がおこなわれました。

たとえば誕生日や出身が一緒であれば「いい人にちがいない」と思い込んでしまったりする現象があります。これを確証バイアスといいます。最終学歴をみて「仕事ができる人」と判断してしまうステレオタイプもあります。

当日の資料より一部を抜粋しますので、ぜひ自分にも思い当たる節がないかどうかを考えてみてください。

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無意識なことなので自覚が難しいとされていますが、このように知る機会があることで、無意識の意識に少しずつアクセスすることができると考えらえています。

またアンコンシャス・バイアスへの対処については、講師より下記のような説明がありました。

講師 まずは無意識の偏見を、誰もが持ちうると「知る」ことが大切です。今日の時点でそこはクリアできたと思います。次に「気づく」こと。自分の発言に対して相手の反応に違和感がないかを観察します。もしも相手が不快そうな表情をした場合には、自分のアンコンシャス・バイアスを疑ってみてください。これを「顧みる」といいます。そして最後に「対処する」。自分の常識や思い込みをアップデートさせ、もしもコミュニケーションに齟齬があれば謝るようにする。こうした一つひとつの取り組みが重要になります。

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グループワークの感想をご紹介します

今回の研修はZoomを使ったオンライン上での研修となりました。

講師からの一通りのレクチャーを終えると、ブレイクアウトルームで数名のグループに分けられ、身近にあるアンコンシャス・バイアスと、それにより生まれる弊害などを議論し合いました。

グループ1 時代ごとの理屈でバイアスが生まれ、知らないうちに浸透していることも多いのではという結論に至りました。価値観の違いにより、実力やスキルとは関係ないところで評価が成される弊害が起きるのでは、という話になりました。
グループ2 自衛官は男性がなるもの、役職には男性が就くのが当たり前、という意見が出ました。ほかにも担当者は何でも知っていて当然、耳の聞こえない従業員に対して気の毒だと思ってしまう自分など、偏見は至るところにあるという気づきがありました。
グループ3 公園で子どもを抱っこしている父親には「えらいね」と声がかかるけれど、母親の場合は「当たり前なこと」と見られてしまう、などの意見が出ました。不動産業界の女性営業は珍しいと思われる一方で、すぐに辞めるだろうと思われてしまうのも偏見である、としました。
グループ4 架電は女性がするもの、というイメージが定着している業界もあるように感じます。また女性営業というだけで、見積もりなどの具体的な話につなげにくい場面もありそうです。中途入社した社員が前職のやり方を踏襲してしまい、社内に疑念や疑惑が生まれることも少なくないのでは、という意見も出ました。
グループ5 名刺にある肩書だけで能力や人格を判断されたり、経理の担当というだけで堅いイメージを持たれることもありそうです。中途入社の社員であれば社会人の常識やマナーが身についていると見られる場面もあります。無口な性格だと「何も考えていない」と思われたり、太っているときと痩せているときで相手の対応が変わる、という意見もありました。

女性活躍推進総研は「ダイバーシティ&インクルージョン」を目指しています

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研修の最後に、あらためて代表メッセージが社員に向けて語られました。

日本は恵まれた環境にもかかわらず女性の収入が低かったり、職に就けなかったりする現状を抱えています。このギャップは悪化傾向にあり、女性議員の数も減ってきています。

本来であれば、ダイバーシティ&インクルージョンを掲げたい想いがあります。しかしまずは、人口の半分(マジョリティ)である女性の生き方・働き方を解決しなくてはいけない状況が目の前にあります。

「女性活躍推進総研」は、ダイバーシティ&インクルージョンの実現に向けた一歩目の取り組みだと考えています。そして私ひとりが叫び続けるのではなく、社員150名がそれぞれにこういった考え方を、1ヶ月に5人でも10人でもいいので伝えていければ、世の中は変わると思います。

「女性活躍推進総研」が掲げるコンセプトは、今後も時代に合わせて緻密に考える必要があり、在り方やスタンスも変えていくものだと思っています。

このような正解が無いなかで、確かに言えることが一つあります。

それは、無知であることで傷つけてしまう人たちがいる、ということです。誰しもが被害者・加害者に成り得ることだからこそ、社員一人ひとりが意識をして、やがては女性活躍、ひいてはダイバーシティ&インクルージョンを体現できるメンバーであってほしいと考えています。


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女性活躍推進総研では、新たなメンバーも募集しています。少しでも興味を持ってくださった方は、下記リンクよりご応募ください。

CREDIT
取材・執筆・編集:株式会社ソレナ

 

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