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インコと一緒にスコピエ生活 美人三姉妹と遅延鉄道からの快適な暮らし

Merhaba!(こんにちは!)
北マケドニアの首都、スコピエからsurf anneです🥰 

ビトラからスコピエへ引っ越してきました。
今回はバスではなく鉄道での移動。
車窓からはどこまでも続くひまわり畑を眺めたり、大好きだったテレビ番組、「迷宮グルメ異郷の駅前食堂」で芸人のヒロシが立ち寄った駅舎の写真を撮ったり。

スコピエ到着までの所要時間は3時間ちょっとの予定だし…と
順調に思えた今回の鉄道旅。

しかし日本ではないこの地では、順調なことなどやはり稀なこと。

実際は5時間超えの鉄道旅となりました。


その前に、出発する前のビトラ駅での話。

日本の田舎を思い出すビトラ駅
私はこういう駅が好きです


名残惜しみながらビトラでの滞在先をチェックアウトし、タクシーでビトラ駅へやってきた私たち。
一日3便しかないスコピエ行きの列車。
駅の周りには、時間を潰せるようなカフェもなんにもない。
早めに駅へ到着し窓口でスコピエ行きの切符を購入すると、あとは時間までここで待つことに。

誰一人いない駅舎のベンチに座っていると、可愛らしい地元の女の子が3人やってきました。

私たちと向かいあったベンチに座ると、(アジア人が珍しいのかな?)
珍しそうに、ちらちらこっちを見てはひそひそ話をする3人。
私が笑顔を向けると、
彼女たちもニコニコと笑顔を返してくれて、その中で2番目に背が高い子が突然、
「What's your name?」と英語で質問してきました。

私の名前と日本人であることを伝えると、

「オーマイガー!!!」

「うっそ~!!??」

と、私が驚いてしまうほどのリアクションをする3人。

「本当に日本人なの~??!!!」

そうだよ、と答えると思わずこちらへやってくる。
そして、私たちは三人姉妹でそれぞれ、12歳、11歳、9歳なの、と一人一人自己紹介。
「今日はおばあちゃんと一緒に隣り町へ遊びにいくの。
あなたはどこへ行くの?
日本に帰るの?
私たちはK-POPが大好きだけど、あなたも好き?
日本は韓国に近いんでしょ?
韓国に行ったことある?
韓国ドラマは日本でも見られるの?」

と3人で一堂に質問攻め(笑)

どうやら、日本よりも韓国のほうが大好きな様子だけれど(笑)、きっと私たちが初めて見るアジア人だったのでしょう…

一つ一つの質問に答えながらいっぱい盛り上がったあと、
美人三姉妹だね、と私が言うと、
「ありがとう!お姉さんもとっても可愛いよ。特にアイメイクがとってもきれい。」
と長女。
うんうん、と頷く二人。

言われてみれば、その日の私は韓国人にいそうなアイメイクをしていたのかもしれません。
日本にいた頃はブラウンのアイシャドウ一択だったけれど、
いつしか黄色やオレンジ、ローズピンクなど”派手”なカラーを楽しむようになっていたから。

そして、「一緒に写真を撮っていい?」と3人で私を囲んで写真撮影。
そのあと、「ハグしてもいい!?」とちょっと照れくさそうな表情で私の顔を見上げてくる三姉妹。
もちろん!と答えると3人交代で私にギュッと抱きつき、
「わぁ、とっても幸せ~♡」
と嬉しそう。
(K-POPアイドルじゃなくてごめんね、
こんなにかわいい美人姉妹とハグできて、幸せなのは私の方だよ。)



日本人だと分かると「一緒に写真を撮ってもいい?」
と言われたのは、実はこれで3回目。
ビトラの酒場やレストランでちょっとお話したお客さんやスタッフとも、お願いされるようなかたちで写真撮影をしました。
以前サラエボでも同じような経験がありました。
時には、日本人です、と言うと、「本当に?本当は韓国か中国人なんじゃないの?」なんて疑われたことも。
この辺りの諸国では、日本人は本当に珍しいみたいです。

日本人であるだけで、写真撮影をお願いされるなんて、なんだか有名人になった気分で、嫌な気がしないものです。



そして美人三姉妹は私たちと同じ列車に乗り、途中の駅で私たちに元気に別れを告げると、列車から降りていきました。
列車を降りてからも、一番懐っこい次女は自分の片手でハートを作り私に向けてくる。
私は私の片手でもう半分のハートを作り、彼女の小さなハートに合わせる。

最後のバイバイ。

私たちが乗った列車が発車すると、3人はおばあちゃんと一緒に、ホームからずっと手を振って見送ってくれました。

彼女たちの幸せとこの国の人々の幸せを、強く強く、心から祈った瞬間でした。

ビトラ~スコピエまでの車両
落書きなのか?アートなのか?
ひまわり畑
ずーっとこんな景色が続いた
ヒロシが駅前食堂巡りで立ち寄った駅①
ヴェレス駅
ヒロシが駅前食堂巡りで立ち寄った駅➁
プリレプ駅

そしてまだまだ続く、スコピエまでの鉄道旅。

肝心なトイレ問題ですが、乗車した時から”トイレあり”の車内表示を確認していたので、
トイレもついているし、バスより快適だわ~
とのんびりと北マケドニアの景色を楽しんでいた私。

三姉妹とも別れしばらくして、そろそろ行こうかな…といざトイレへ。
すると、トイレのドアが開かないようにがっちり針金みたいなもので固定されている。
そしてドアには、使用禁止、もしくは故障中を意味するマケドニア語。

トイレは使えないようです。

まじか…と思うも、けどあと1時間ちょっとだし、我慢できるかな…なんて軽く考え席に戻りました。

そしてまた、果てしなく続くひまわり畑をぼんやり眺めたり、
サーフに水を飲ませたりごはんをあげたり。

そしてふと思いました。
それしにしても、いつまでこの景色ばっかり続くんだろう…

続けて、私は気づきました。
運転がのろのろすぎて、遅すぎることに。

きれいな景色や三姉妹との別れで、これまで列車のスピードなんて気にしていなかったのです。
停車していたらさすがに気づくけれど、列車はずっと動いているから何とも思わずにいました。
Google Mapで位置を確認してみると、すでに2時間くらい乗車しているのに、スコピエに全然近づいてません。

これは確実に遅れて到着すると判断し、夫はホストへチェックアウトが遅くなることをメールで連絡。

そしてようやく5時間ちょっとかかってスコピエ駅へ到着。

この遅延は、もちろん緊急事態やトラブルが理由ではありません。
こちらではよくある当たり前のことです。
他の乗客たちも、ふつうの顔をして終始落ち着いて乗っていました。
(それぞれ、心の中では苛立っているのかもしれないけれど)

だから、遅延にいちいち腹を立てることは必要ないとして、
到着時刻がこんなにも遅くなったとすると、頭をよぎるのは今日は日曜日であること。

そう、この辺りの国々はどこも一緒で日曜日は休息日。
スーパーもレストランも一斉にお休みする日。

乗車中に調べたところによると、日曜営業のスーパーを一軒見つけましたが、滞在先からは徒歩20分の経路。

そして日曜日は時短営業で、閉店時間は20:00。

(どうにか今晩のビールは確保したい…!)
脳裏でそんなことを考えながら、焦る気持ちでカオスなスコピエ駅から脱出し滞在先のアパートまで10分ほど歩いて移動。

大きな通りから手を振って待っていてくれたホストと無事に落ち合い、部屋へ案内してもらう。

元CAさんというホストはテキパキと完結丁寧な案内で本当に助かりました。
彼女が去ったあと、「プロの案内だったね」と夫が一言。

そう、前回は大学教授のおじさんホストで、建前ばかり立派なのに実際は家のことは何にも分からず説明がもたもた。
結局奥さんを呼んで奥さんが説明してくれたり…と時間が取られたので、
元CAさんの案内は本当に気持ちいいものでした。


北マケドニアでは、短期の旅行者でも到着後3日以内に警察へ滞在届出を提出する必要があり、
(それぞれのホストが手続きしてくれるので、こちらは特に何もする必要がありませんが、不慣れなホストだと手続きしてくれないため、こちらから催促する必要があります)
手慣れたプロのホストは案内が終わるとすぐに私たちのパスポートを持って警察署へ。
手続きを終えたホストが戻り、届出の控えとパスポートが手元に返って、ようやくチェックイン完了。
ホストを見送ると時刻は19:00。

すぐにスーパーへ走りたいけれど、毎回第一に取り掛かる必要があるのは、一刻も早くサーフを狭い移動用キャリーから出してあげること。

そして日本から愛用のサーフのケージを組み立てサーフエリアを作ること。

私たちのスーツケースを広げるよりも一番早く取り掛からなければいけない、大優先事項なのです。

まずは、いつものように到着したばかりの部屋を見渡し、どの場所をサーフエリアにすればサーフが一番安心して過ごせそうか?を二人で相談。
場所が決まったらそこへサイドテーブルなどを持ってきてサーフエリア作りが始まります。
エリアはに置くのは、ケージの他にこれまた日本からずーっと愛用のおもちゃや体重計、食事コーナーなど。

どの国に移動しようが、どのホテル、アパートで過ごそうが、そのサーフエリアのそれぞれの配置は崩せません。

そしてサーフエリアが完成し、移動で疲れたサーフを寝室で寝かせると、20時閉店のスーパーへ滑り込み。飲用水やビールなど、必要なものを無事ゲット。

到着が休息日の日曜日となると、当然夕飯問題もあります。
日本じゃないからコンビニなんてあるわけないし、スーパーでお弁当やお惣菜なんて売っていない。
カップラーメンは割高だし、安いものは驚くほど美味しくない。

まるでロックダウン中のような日曜日のスコピエ。
唯一営業していたのは駅前のケバブ屋さん。
メインはパンにケバブと野菜がサンドされたもの。

お昼は、ビトラで唯一開いていた近所のお店で、ピザ生地のボリューミーなサンドイッチを買い列車の中で食べてきました。

だから夕飯は違うものが食べたいけれど、あーだこーだ言っていられない。
昔の私だったら、また小麦系…!?またサンド系!?違うのが食べたい~!と愚痴ばかり言って夫を苛立たせていたけれど、もうそんな愚痴は言いません。

北マケドニアでは一番大きい1.5リットルのビールはゲットできたし、それで十分です。

それに部屋がとっても快適なのです。

床がピカピカ
ダイニングキッチン
きれいすぎて気を遣いそう
寝室 
今までは一人寝室だったので、ちょっと窮屈…なんて、贅沢だな
9階だから眺めがいい
ベランダも広くて快適

Wi-Fiも高速で、とっても快適。
前々回のアルバニアでの滞在先はまさかのWi-Fiがない生活をしていたため、(何回言うのだろう…笑)
未だにWi-Fiのありがたみを噛みしめている私です。
そしてその反動で動画を観まくっています。

今ハマっているのは、「上沼恵美子ちゃんねる」
東北で暮らしてきた私にとっては、彼女が出演する番組にはほとんど縁がなく、深くは知らなかったお方。
流れてきたYouTubeで、ちょっと気になって覗いてみたら、トークに引きずりこまれ癖になってしまいました。

実のお姉さんとの絶妙なやり取りに沢山笑わせてもらったり、視聴者からの人生相談にはうんうん、と頷きながら共感したり、庶民的でマネしたくなるスピードメニューの料理コーナーにはよだれが出たり。

飽きることなく、毎回夢中になって観ています。
厳しいなかにも優しさが溢れている方で、女性の気持ちを代弁して放つようなことばの数々に、観たあとはスッキリしていたり。


そしてスコピエの街はというと、なんじゃこりゃ?みたいな建造物がたくさんあって、なんだかおもしろい首都。
かつて大地震に見舞われたスコピエは、建物の多くが倒壊してしまい、その後の再建でまったく新しいスタイルの街にしたのだとか…

凱旋門?
ギリシャ神殿?
マーライオン?
ロンドンの二階建てバス?
マケドニア広場
無数の銅像がある橋
東南アジアみたいな市場
マケドニアビールは激渋酒場で
スコピエはマザー・テレサの出身地
???

一緒に旅をしている愛娘のサーフですが、今回のお部屋は今までの中で一番気に入っているようです。
まるで、何年もここに住んでいたかのように、部屋中を自在に飛び回ったり冒険したり。
サーフが元気に快適そうに過ごしてくれるお部屋が、私にとって何よりも素敵なお部屋となります。

今月には、周遊旅を終えトルコへ帰国します。
長い夏休みが終わるようなちょっと寂しい気分ですが、サーフと思い出をたくさん作って過ごそうと思います。

サーフの満足そうな表情♡




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