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2023数学オリンピック予選の解説をしてみる①

先週はマロが書く番だったのですが、すっかり忘れていました。すみません。


少しづつ暖かくなり、冬の終わりが近づいてきました。それでも二匹にとってはまだまだ寒い季節なので家の中で温まっています。

マロ:そういえばこの前は成人の日だったね~。

ミケ:あ~、そういえばそうだったね。だからそこらへんに着物を着たりスーツを着てる人がこの前歩いてたんだね。

マロ:成人の日といえば成人式もそうなんだけど、数学オリンピックの予選がある日でもあるんだよ!

ミケ:へ~。数学オリンピックか~、なんか難しそうだな。

マロ:まあ、難しい問題は難しすぎて全然解けないけど、予選の数問だったらまだわかるかな?

ミケ:もしかして今日はその問題を解説したい感じ?(笑)

マロ:見抜かれてたか(笑)せっかく問題もあるし、年に一回しかないからちょうどいい機会かなって。

マロ:全部は分からないし、ちゃんとした解説もできないけど、実際に時間に計ってやってみたし、分かる問題はマロなりに解説してみるよ。

ミケ:おお、じゃあやっていこー!

マロ:その前に、数学オリンピックのホームページに問題と解答は載ってるから、やってみたい人は見てみてね。

第一問

10を足しても10を掛けても平方数となるような最小の正の整数の値を求めよ。

マロはとりあえずこの問題を見てからは条件を数式に直したよ。

$${n + 10 = t^2}$$  ①
$${10n = s^2 }$$  ②  n,t,sは自然数

それと、$${s^2=10n}$$は$${10=2\times5}$$だから、$${n=2^p \times5^q \times N^2}$$っていう風におけるんだ。このNは因数に2とか5とかを含まない数字ね。

また、$${10n}$$が平方数になる必要があることから、$${p,q}$$は、両方とも奇数じゃないといけなくなるんだ。

また、①から$${n+10≡n+1≡t^2\pmod3}$$、$${t^2≡0,1\pmod3}$$だから、$${n≡0,2\pmod3}$$の必要があって、$${n=30,70,90,100,110,…}$$って候補が絞れるんだ。

この$${n}$$を順番に①、②に代入していけば90が答えになるんだ!

modについて

ここで使った$${mod}$$について簡単に説明するね。

例えば、$${15}$$は$${4}$$で割ったら$${3}$$余るよね?

他にも$${154}$$は$${7}$$で割り切れるよね?

これを数式で表そうとしたら、小学校の時は

$${15\div4=3あまり3}$$
$${154\div7=22あまり0}$$

って書くように習った人もいると思うんだけど、これだと数式なのに日本語が入ってたり、$${24\div7=3あまり3}$$なのに$${15\div4≠24\div7}$$じゃん!ってな感じでおかしくなっちゃうよね?

それを解決したのが$${mod}$$なんだよね!

表し方は、$${15≡4\pmod3}$$,$${154≡0\pmod7}$$って感じね。

読み方は、15と4は3を法として合同とか、15は3を法として合同とか。(ストレートに15合同4モッド3って読むのもいいのかな?(笑))

モッドにもいろいろな性質があるんだけど、この問題で使った性質を紹介するね。

$${a≡b\pmod n}$$,$${c≡d\pmod n}$$の時、(a,b,c,dは整数、nは自然数)
$${a+c≡b+d\pmod n}$$

(これ以外の性質とか証明とかはこの数学オリンピックの解説が終わった後に詳しく紹介するね。)

この性質を使えば、第一問の途中に出てきた部分も、

$${n+10≡n+10-9=n+1\pmod3}$$って感じになるんだ。

それと、$${t^2≡0,1\pmod3}$$の証明をすると、

証明
$${t}$$はすべて$${t=3k+1,3k+2,3k}$$と置ける。

証明
$${t}$$はすべて$${t=3k+1,3k+2,3k}$$と置ける。
よって、$${t^2=9k^2+6k+1,9k^2+12k+4,9k^2}$$となる。
したがって、$${t^2≡0,1}$$

こんな感じになるんだ。

なんでわざわざ$${mod}$$を使うのかというと、文字の条件を絞ることができるんだよね。

整数問題を解くときのコツは、

  • 因数分解する

  • 範囲を絞る

  • 倍数、余りに着目する

の3つが重要なんだ!youtubeとかで整数問題の解説動画でもこの3つのどれかは使われてると思うよ。

もしかしたらだけどいつか整数問題に関するブログも書くかもだから楽しみにしててね。

第二問

2の方が3より多く各桁に現れるような正の整数を良い数とよび、3の方が2より多く各桁に現れるような正の整数を悪い数とよぶ。たとえば、2023には2が2回、3が1回現れるので、2023は良い数であり、123には2が1回、3が1回現れるので、123は良い数でも悪い数でもない。
2023以下の良い数の個数と、悪い数の個数の差を求めよ。

これはまず、マロがみた印象だと、一桁の時、二桁の時、三桁の時、四桁の時って場合分けして数えとけば何か気づくかなって思ってやってたら三桁の時がすごくめんどくさかったんだよね(笑)

でもその代わりに三桁の時までだったら、良い数の2と3を入れ替えれば悪い数になることに気付いたんだよね!

だから結局この問題は四桁の時に個数の差を求めればいいから、

良い数の個数は、2000,2001,2002,2004,2005,2006,2007,2008,2009,2010,2011,2012,2014,2015,2016,2017,2018,2019,2020,2021,2022,2023の22個、悪い数はないから、答えは22個になる!

正直言って、あんまりマロは組み合わせの問題が得意じゃないから数学オリンピックの問題で組み合わせが出たら全部数える気でいたんだけど、この問題の解き方に気付くことができたから少しうれしかったかな(笑)

得意な人は最初から四桁だけ数えればいいじゃんってなるかもしれないけど、苦手な人だったらやっぱりマロみたいにとりあえず書き出してみたら何かに気付けるかもしれないからとりあえず手を動かすのも数学の問題を解くのに必要なことだと思う!

まとめ

今日はここまで!

本当は第八問まではマロなりに解説できるんだけど、分量が多くなっちゃったり、マロもちょっとずつしないと疲れちゃったり、本業で忙しかったりするから2問づつで許してほしい!

本当はブログのネタがないからなんて言えない

ということでまた次回まで楽しみに待ってもらえると嬉しい!

終わりに

マロ:まあこんな感じで最初の2問は解いたよ。

ミケ:おお、でも数学オリンピックの問題ってこんな感じのレベルばっかりなの?

マロ:オリンピックっていうぐらいだからこの2問は全然簡単な方だよ!基本的に問題が進んでいくとどんどん難しくなっていって、最後の問題なんて毎年4000人ぐらいが受けてるのに正解してる人は10人未満みたいな時もあるからめちゃくちゃ難しいよ!

ミケ:でもあれだね、そんな問題が分かるようになれば数学をするのも楽しそう!敵なしじゃん!

マロ:確かにテストとかだったら無双できるね(笑)でも数学オリンピックは競技数学っていうんだけど、数学者の人たちがやってるような数学とは違うから批判もあったりするんだよね。

マロ:でも、競技数学のレベルの問題を解けるようになってた方が数学力はつくと思うし数学の研究してるときに躓きやすくなっちゃうと思うからマロは数学オリンピックは賛成派かな

ミケ:まあ問題を解くのも未解決問題を研究するものどっちも楽しいよね!

ミケ:つづきも解説して!

マロ:いいよ!第三問はね~…


問題の解説はまだ続くようです。また次回よろしくお願いします。
解説のミス、別解、誤植、その他こんなのもしてほしいというのがあったらコメントよろしくお願いします!

byマロ



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