令和4年度(2022年)第50回 労働衛生コンサルタント試験 筆記試験受験記録


0.産業医デビュー


精神科医として10年を超え、コロナ禍いろいろありフリーランスになったことをきっかけに、ずっと温めていた産業医への思いを叶えることにしました。1社めの壁は大手のスポットの面談案件に応募して乗り越えました。身近に産業医業務を行なっている同僚などいないため、WEBで調べ、本を何冊も読み込み、かなり準備して対応しました。実際は精神科の初診よりも面談時間が多く取れ、面談相手は本人かつ落ち着いた状況なので(患児付き添いのお母さんや、認知症の患者さんのご家族などではなく、混乱した飛び込み初診状態ではないため)落ち着いた状況でお話しできました。当初の仕事内容としては含まれてはいなかったのですが、職場へのフィードバックが必須だと感じたため、本人の許可を得て、力を入れてフィードバックしました。これが私の産業医の始まりとなりました。その後一年と少しで約20社の嘱託で担当させていただくようになりました。大手仲介会社の紹介、知り合いのドクターの紹介、個人の契約など、契約方法もいろいろあり、それらを勉強しつつ幅を広げていましたが、ちょうど半々くらいで精神科の臨床も行っているため、これ以上スケジュール的に増やせない状況となってきました。


1.労働衛生コンサルタントを受けようと思った経緯


医師としては精神科で指定医・専門医・指導医を取得するまでに、精神科医として大学病院、単科病院、クリニックなどの経験があり、産業医としてメンタルヘルスの相談をされたときに、疾患像や紹介状の裏にあることや予後などがある程度予想できるので、前任の産業医が敬遠していたような状況でもストレスなく面談や会議を行うことができ、感謝される場面が多くありました。また、精神科病院では内科管理を自分でしていたことと、総合病院の健診・内科再診外来の仕事を非常勤で続け、内科一般の知識の維持も努力していたことから、専門の先生には敵わないのは自覚しながらも産業医先で相談されるような内科的な相談も一通り可能であり、医業に関しては一定の基準以上の対応はできているだろうという感覚がありました。ただ、衛生委員会のメンバーのこと、職場巡視の時の気になるポイント、健康診断事後措置のこと、高ストレス社の面談について‥‥いろいろ業務が進むにつれ、これらは何を準拠にしているのか?労働安全衛生法とは?と調べるようになりました。その後、産業医方面で勉強をすすめ、何か資格をめざしたい!と思うようになりました。あとは皆様通る道のようです。産業医の専門医方面は精神科専門医や指定医、産業医の維持でぎりぎりな状況で今このタイミングでは難しいしな‥‥ん?労働衛生コンサルタント?確か講習会で筆記免除みたいなのあったような‥‥自分は該当してないか‥‥開催もされていない(2022年は開催されたが結局新規応募の募集はなかった)、開催されても子供を見てもらうのも無理だからどうせ出られない、それなら試験受ければいいか‥‥という経緯です。

2.試験受験までの道のり


pho先生のnoteを読んで(素晴らしい出来!)具体的にイメージがつき、子供たちのイベントが落ち着いたら受けようと思っていましたが(そもそも筆記試験日が小学校受験の入試日だったりしてそれが数年続いて受けられなかったりしました)そう思って数年、やっと2022年夏を迎えました。学童の準備をしたり、子供周りに関しては少しずつ準備をしていきました。

出願時は、大きい額に入った医師免許を労働基準監督署に持っていくのが大変でした。また、法令一本にするか、衛生と合わせるかを直前まで悩みました。勉強量としては、法令だけの方が少なそうだったので、そちらを選び法令を隅々まで覚えることにしたが、やはり法令の問題は自信がなく、衛生と合わせて法令が四割以上でよいなら確実に取れそうなのにな、と勉強中何度も思いました。口頭試問にむけて衛生の勉強をしたほうがいいのはわかりきっていたので、今年だめだったら、来年は衛生と法令にしようと考えていました。


3.勉強の仕方


何もわからず情報もなかったため、7月にやっていた労働衛生コンサルタント受験準備講習会に気がついて、直前ギリギリに申し込みました。二週間くらい早い労働安全コンサルタントの方はもう締め切られていたので、気がついてラッキーでした。値段は44000円+テキスト代ととても高かったのですが、これを受けてもう無理そうだったら受験をやめることも考えて、この道へ進むかトライアルや覚悟も含めての値段としました。ここで辞書のような法令集を購入しました。解説が読みたかったので過去問題集も買いました。結果的には受験準備講習会より送られてきた松井先生の手作りのテキストがすごくまとまっていて、私はこれを暗記ノートにしようと決め、書き込みを増やしていきました。法令ご担当である松井先生の講義を繰り返し繰り返し聞いて、声に癒やされ、寝る前はつねに流し、おかげで良い睡眠がとれました。
運転中、移動中もずっと聞いていました。この動画のお陰で、なんとなく大枠のイメージがついたように思います。(衛生は法令のみ受験なのであまり使いませんでしたが、後々口述の時には役に立つ内容でした。)

過去問は過去問の本を買って6年、柳川先生のサイトで残り4年を勉強し、近年6年関しては、過去問の文章と柳川先生のサイトで比較したりしました。
近年6年分はやりすぎて覚えてしまい、果たして自分がどれくらいのレベルに立っているのかもはやよくわからなくなってしまいました。念のために上記サイトで衛生管理者の過去問題もやってみましたが、六年分を覚える頃には、簡単すぎるようになっていました。

参考書に関しては、各方面で紹介されていた、わかるわかる!第一種衛生管理者試験(改訂2版)を法令の部分だけ破って持ち歩きました。解説がわかりやすかったですが、最新の事務所則(温度について 【事務所則第5条第3項関係】18度~28度、これは試験本番でに実際出ましたが、本では17度~28度のままだった)など、いくつか反映されていないものがあるので、試験を受ける年の4月1日の最新情報をあわせて確認していく必要があります。こちらもだいたい3周し、分からなかったものに付箋をつけたりまとまっている表をコピーして暗記ノートにはりつけたりして国試のときの問題集を同じようにやったなあと遠い記憶を思い出したりしました。

国試も公衆衛生が苦手だったし、面倒な法律などは関わらないようにして生きてきたので文章がとてもわかりにくく日本人なのに理解できず苦しみました。精神保健指定医のときの精神保健福祉法の勉強は少し役にたったかとは思いますが…有機則、粉じん則、鉛則が特に難しく大枠から判らず、実際の作業場面をYou Tubeで見たりしました。世の中には色々な危険な業務があるなと勉強になりました。石綿の実際の作業は建設業労働災害防止協会が出している動画がイメージがつかめて法令と合わせて記憶に残りました。暗記に関しては衛生管理者受験用のYouTubeを見たり、自分でゴロをたくさん作ったりして暗記ノートに書き込んでいきました。

4.筆記試験


そして2022年の10月18日火曜日、久しぶりに行った渋谷がだいぶ変わっていたのに驚きつつ会場近くのカフェで最終記憶をしました。準備講座の松井先生の手作りテキストに、付箋やゴロや暗記法を書き込んだ暗記のための本一冊のみ持っていて直前暗記をしました。覚えたい数字などには付箋を張って隠して覚えることを繰り返しました。実際、ここで電離則の数字を見直したしたことで一問助かったのでした。

以下、当日試験問題に対して、自分が思ったことと記載した答えです。法令15問に対して受験時にメモを作り、それをこちらに書き写しました。できるかぎり生で思ったものを恥ずかしいですが間違いも含めて載せています。直前に見つけたサイトの中で、問題に対して受験生がその時に感じたことを記載しているものを見つけてとても役にたったので自分も残しておこうと思いました。過去問をやりすぎてしまい、自分がどのレベルにいるか立ち位置がわからないときに、合格した方がこのような思考で間違いも含めてこのレベルに持っていけばいいという思考プロセスがわかり、自分の状況と比較でき、非常に参考になりました。柳川先生のサイトの解説は超越しすぎていて、自分の位置を探るのには向いていませんので・・。

ここから、間違っていることもあるかもしれませんので、有料とさせていただきます。まだ結果は来ていませんが、マークミスなければ合格基準六割以上に達し、合格しています。(筆記合格しました。)簡単な覚え方ゴロと、どう考えその答えにたどりついたか会場でメモしたコメントがそれぞれ問題ごと記載されています。

問1 事業場の安全衛生管理体制に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、正しいものはどれか。
令和4年(2022年)第50回 労働衛生コンサルタント試験 筆記試験

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