労働衛生コンサルタント筆記試験対策(主に医師向け)
このnoteは主に、医師・歯科医師の方で労働衛生コンサルタントを筆記試験から受験される方向けの記事です。
※2023.7.26追記
令和5年度筆記試験の出願は8月2日(水)までです。
※2022.7.27追記
令和4年度筆記試験の出願は8月3日(水)までです。
「労コンになったからマイクロ法人で産業医を受けられるようになる」わけではなく、また「労コンになったから個人事業で産業医を受けてよい」わけでもないと思いますので、こちらのnoteのご購入を検討されている方は予めお気をつけください。
※2021.10.30追記
令和3年度の筆記試験(2021.10月)が終了後のタイミングで恐縮ですが、参考文献に追記や、2年連続で筆記免除の講習会が開催されていないので、その事などについても書きました。全体的に細かいところですが追記しています。
免除の講習がなくなったことで急激に筆記対策の需要が上がってきているようですが、令和4年度などは講習が再開される可能性もありますし、情報は日々追っていただければと思います。
※2021.4.5追記
口述は他の方の記事などもあるのでそれを参考にして頂ければと思いますが、口述についてもたまに質問頂くので追記です。
口述対策は、講習会を受ける+労働衛生のしおり が一番なんですが、参考書を使うならkindleを見た感じだと
「労働衛生コンサルタント口述試験 スライドイメージで覚えるまとめ」
がいいんじゃないかと思います。
この類の電子書籍は毎年改訂されることが多いのでまだ用意しなくていいと思いますが…
ちなみに自分としては筆記を受けるための勉強をするのが口述対策としても一番有効なんじゃないかと思っています。
※2020.10.23追記
紹介した参考書籍の改訂について少し追記しました。
また、10.20に行われた2020年度筆記試験の問題を踏まえて、参考書籍について少し追記しました。
/追記ここまで
私は医師で、労働衛生コンサルタントを筆記試験から受験しました。2018年度の試験で口述も合格しましたが、口述もさることながら、筆記は極めて情報が少ないと感じていました。
かなりの手探りで勉強を開始し、どうにか筆記を突破することができた、という感想です。周りに筆記から受けた医師は皆無だったため、この勉強のやり方でいいのかどうか不安なまま勉強するのは結構キツかったです。
また、2020年以降、筆記試験を免除にするための講習が行われていないので、医師も筆記から受けざるを得なくなり、筆記についての情報を求める方が以前より増えてきているのも事実だと思います。
この記事では、 私の経験に基き、最短経路で合格を目指すためにどのように筆記試験の勉強の準備をしたか・するかについて解説します。
医師・歯科医師で免除科目にならない「労働衛生関係法令」対策に絞っているため、それ以外の範囲「健康管理」「労働衛生一般」はカバーできていませんが、一般の受験者の方でも労働衛生関係法令対策には役立つかと思います。
この記事自体は参考書ではないため、暗記するための資料などは含まれていません。本来は自作の資料を含めて完全なものにしたかったのですが、口述とは違い「どの参考書を買いどのように勉強するか」さえわかれば暗記用資料自体がなくても十分に対策できると思い、この形で公開致します。
労働衛生コンサルタント試験とは
労働衛生コンサルタント試験は国家試験で、厚生労働省が安全衛生技術試験協会 https://www.exam.or.jp/ に委託して行っています。
試験の区分は「保健衛生」と「労働衛生工学」の2つに分かれており、それぞれ受験科目が異なります。
ただし、この記事で対策を扱う「労働衛生関係法令」は共通の科目です。
試験は筆記試験と口述試験の2段階に分かれており、筆記試験の合格者と免除者だけが口述試験に進むことができます。
また、筆記で合格しても、口述に落ちた場合は翌年度は筆記から受け直しになります。
合格率が低いことからもわかるように、受けたら大体受かるというような試験ではなく、それなりの準備と勉強が必要な難度の高い試験です。
国家試験なので、徴収する受験料の根拠として試験の経費が公開されています。以前みた資料では人件費がかなりの部分を占めていることから、口述試験に経費がかなりかかっているようです。
費用と時間をかけても口述を行っていることから、労働衛生コンサルタント試験の本体は口述であり、筆記はあくまでもその選抜という位置づけではないかと推測します。
医師の受ける他の試験、たとえば各科の専門医試験などでは、筆記さえ通れば口述は合格率が高いというパターンが多いと思います。しかし労働衛生コンサルタント試験はそうではなく、口述で容赦なく落とされる傾向があるようです。
試験の年間スケジュール
例年以下のような日程で行われています。
筆記試験の出願期間
7月初旬~8月初旬
↓
(口述試験受験準備講習会の申込み)
(9〜10月)
↓
筆記試験
10月中旬
↓
筆記全免除者の出願期間
11月初め~中旬
↓
(口述試験受験準備講習会)
(12月初旬)
↓
筆記試験の結果発表
12月下旬
↓
口述試験
大阪:1月中旬
東京:1月下旬
↓
口述試験の結果発表
3月下旬
これを見て気づかれるかと思うのですが、筆記試験の結果発表は12月下旬とかなり遅く、それから口述試験の勉強しても間に合いません。
つまり、結果発表の前に筆記の合格を信じて口述の勉強を始める必要があります。最後に少し書きますが、これは結構きついです。
筆記試験と免除の条件について
保健衛生区分の筆記試験は、
・健康管理(記述式)
・労働衛生一般(択一式)
・労働衛生関係法令(択一式)
の3科目からなっており、本来かなりのボリュームがあります。
医師の方は、漠然と「医師免許を持っていれば筆記は免除」あるいは「認定産業医を持っていれば筆記免除」と思っていることが多いのではないでしょうか。(私もかつて、認定産業医を持っていれば筆記免除と勘違いしていました)
このことについて誤って記載しているwebページも多いですが、安全衛生技術試験協会の受験資格についての記載 https://www.exam.or.jp/exmn/H_shikakueisei.htm を参照すると
医師国家試験合格者、歯科医師国家試験合格者 で 厚生労働大臣が指定する者が行う講習を修了した者
⇒保健衛生の全科目免除
医師国家試験合格者、歯科医師国家試験合格者 で その他の者(=上記の講習を受けていない)
⇒保健衛生のうち、労働衛生一般と健康管理の2科目が免除、 つまり労働衛生関係法令のみとなる
となっています。
ここで出てくる「厚生労働大臣が指定する者が行う講習」というのは、
それぞれ年1回の開催のみとなっている
日本医師会「産業医学講習会」
日本歯科医師会「産業医学講習会」
産業医科大学「産業医学基本講座」(いわゆる"産業医学ディプロマ"が授与される講座)
のいずれかの事を指しており、よく各医師会が行っている"普通の"産業医講習会は含まれません。
特に、産業医大の「産業医学基本講座」は何ヶ月間も毎週決められた曜日に講義に通う、密度とレベルが高いものです。
1週間で認定産業医の基礎研修50単位が一気にとれる「産業医学基礎研修会夏期集中講座」とは名前が似ているだけで、違うものであることに注意が必要です。
つまり、産業医を持っていれば筆記免除というのは間違いで、医師や歯科医師が特別な講習を受けた場合のみすべて免除になる、というのが正しいです。
全科目免除を受けるかどうか
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¥ 1,800
いつもありがとうございます。