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今回のサポショウ日記

授業の直前、親御さんからこんなLINEが届きました。

「すみません先ほど親子喧嘩をしてしまい、タダシ(仮名)が不機嫌です。そのまま行かせてもよろしいでしょうか?」

親御さんからのLINE

僕はすぐに

「お任せください!様子を見ながらサポートします」と返信

したものの…いつも以上に気を引き締めて準備をしました。

というのも、

タダシは今、学校へは行っておらず、サポショウが唯一、彼が学べる場所として通っているからです。

彼がサポショウにまで行けなくなることは、どうしても避けたい思いがありました。

今日はそんな彼がイライラしている状態で来室した日記です。

けんしょう先生の今日のミッション

今日の僕のミッションは

「イライラして来室したタダシに、どのようなサポートで自信を育むか」

です。

イライラしている子、不機嫌な子の場合、まずはその状態の度合いを見極めなければいけません。

  1. 完全に無反応なのか

  2. 会話は成立するのか

  3. 時間が経てばすぐ機嫌よくなりそうなのか

それぞれのパターンによって、今日のサポートのゴールも違ってきます。

1.完全に無反応な場合のゴール

受講生の気持ちを一言だけでも引き出すことをゴールにします。

これはとても難しいです。ある程度の信頼関係がないと、無言のまま終了ということもありえます。

2.会話は成立する場合のゴール

僕とのコミュニケーションを成立させることをゴールとします。

コミュニケーションを通して、気持ちを切り替える糸口を見つけていきます。わずかな反応や言葉を拾って、それを見ながらサポートします。

3.時間が経てばすぐ機嫌よくなりそうな場合のゴール

時間の経過とともに、最終的には笑顔になることをゴールとします

様子を見つつ、今の状況について真剣に向き合います。機嫌がよくなることは読めているので、あえて少し厳しい声かけをすることもあります。その後はフォローを入れたり褒めたりして気分を良くしていき、最終的には笑顔をなることをゴールとします。

来室したタダシを見ると、2のパターンでした。しかも、限りなく1に近い2。ギリギリ会話が成立するパターンでした。

今日のミッションは難しそう〜!(笑)

自信を育む個別サポート

席に座ってムスッとした表情で算数のプリントを解き始めるタダシ。

機嫌がよくなる様子もなく、ずっと会話がギリギリ成立する状態が続きました。

僕の教育方針では、こうした時にすぐに優しく寄り添い「受講生の好きなように」ということはしません。

なぜなら、例えば最初に「今日は勉強しなくていいよ」なんて言ってしまうと、当然、子どもは勉強をしないモードに入ってしまうからです。優しい言葉は、子どもが気持ちを切り替えるチャンスを奪ってしまうこともあります。

僕たち大人がイライラしながら会社に出勤し、上司が「そっかぁ。そんな日もあるよね。今日は無理に仕事しなくていいよ」とめちゃくちゃ寄り添ってくれたら、「よっしゃ!」ってなりますよね(笑)

今日のタダシは、授業時間内で気分が落ち着くことは見込めない状態でした。(これは彼とのこれまでの関わりの中で感じたことです)

そこで僕は、まず淡々と授業を進めることにしました。

時折、僕の問いかけにタダシは無言でした。返事をしません。

返事をしないたびに、僕はそこでも淡々と

「せめて「はい」か「いいえ」、喋りたくないなら「うん」か「ううん」でもいいから返事してね」と促し続けました。

読者の皆さまには、僕のこの対応が威圧的に思えるかもしれませんが、実は子どもが気持ちを切り替える助けなることもあります。

今、タダシは、自分自身で気持ちの切り替えがうまくできないため、僕がその後押しをする必要があったのです。

もちろん、それでもなかなか返事をしない場合は、異なるアプローチを試みますよ。ただただ追い詰めるようなやり方はしません。相手は一人の人間です。同じパターン、同じアプローチなんて1つとして存在しませんからね。

これは、イライラしている子どもに対し、優しさと厳しさのバランスを絶妙に織り交ぜながら、その子が気持ちを切り替えるためのお手伝いをしてあげる重要なサポートです。

予想どおり、最後までタダシの機嫌が良くなることはありませんでした。

僕は目を合わそうとしないタダシに向かってこう話しました。

タダシ、最後にちょっとだけ俺の話を聞いてほしい。

2つ伝えたいことがある。

1つ目は、タダシのこれからのミッション。

タダシはイライラしたときに、気持ちの切り替えがまだうまくできないよね。

イライラすることは誰にだってある。俺にもある。

だけど、やっぱり気持ちを切り替えることは、これからのタダシにとっては大事なことなんだ。

だからこれから少しずつ、気持ちの切り替えも一緒に練習していこうね。

2つ目は、タダシがマジで凄いってこと。

こんなにイライラしながらも、ちゃんと勉強したじゃん。

普通、イライラしたらやることなんて投げ出したくなるのに、タダシはちゃんとサポショウに来て、ちゃんと勉強した。

これは本当にすごいことだよ。

まずは改善すべき課題を伝え、次に褒めまくりました。

そして、それを伝えたあと、場の雰囲気を変えるために「よし!今日はここまで!お疲れ!」とあえてハッキリと大きめな声で僕が言ったとき、

一瞬だけタダシがニコッとしたのです。

本当に一瞬でした。

そこで僕はすかさず

でもさぁタダシ、俺、ホントは、今日の休憩時間にタダシをオセロで倒す気満々だったんだぜ!

俺オセロまじ最強になったからよ!

だから今日、タダシとオセロできなくてマジ悔しい!次は絶対やろうぜ!な!

タダシが一瞬だけ心を開いた今がチャンス!(笑)

と、わざらしく大きな声で言いました。

来週、タダシが気持ち良くサポショウに来れるようにするためです。

今日はタダシだって心の中でいろいろ葛藤があったはずです。

こんな態度をとってしまって、次から気まずくて行きづらいという気持ちも出てくるかもしれません。

だから、最後に少しでも、来週タダシが気持ち良く来室しやすくなることをねらって、ここぞとばかりにタダシが好きなオセロネタをぶちこみました!

タダシはまた、一瞬だけニコッとしました。

(ホントはここで完全に機嫌がよくなるかもと期待しましたがダメでした。笑)

今日のふり返り

最後に一瞬だけ笑顔を見れたものの、正直、今日のサポートが最善だったのかというと、モヤモヤが残っています。

今のタダシにとって、サポショウは唯一の学びの場だからです。

いろいろ書いておきながら、「もう少し優しく寄り添ってあげればよかったかな」という気持ちがないといえば嘘になります。

ただ、帰る間際に玄関でタダシが「今日のこと、お母さんに言わないで」と僕にボソッと言ったのでした。

これはタダシが今日、最後の最後にやっと少しだけ気持ちを切り替えられた瞬間だと思っています。

そして、本当はもう自分でもこの不機嫌モードを終わりたい!お母さんの前では切り替えたい!という思いの現れです。

もっと良いサポートはなかったかとモヤモヤも残るなかですが、タダシのその一言に、僕は少しだけホッとすることができました。

次回のミッション

ただ、やはり来週に向けて不安はあります。

来週タダシが来室した際、2つのサポート方法を考えています。

まずはもちろん、いつも通り元気よくタダシを迎え入れます。

そして

①もし今日のことについてタダシ本人が話題にした場合

勉強を始める前に「気持ちの切り替え」について話します。

その際は、タダシに焦点をあてず、僕自身が気持ちの切り替えができずに失敗した経験を話すことで、タダシの今回の行動を責めることなく、「気持ちの切り替えが大事」ということを感じてもらいます。

②もし今日のことについてタダシ本人が話題にしない場合

何も言わず、通常通りの学習サポートを進めるつもりです。

しかし、タダシの「気持ちの切り替え」が大きなミッションであることは変わりません。

それはまたこれから適切なタイミングを見計らって、一緒に考えていきます。

親御さんへ

今日のサポートは、僕が親でも先生でもないナナメの存在だからこそできたことです。

もし、これが僕のわが子となると、たぶん親子喧嘩していたと思います(笑)

子どもには家庭外に居場所が必要です。

目の前のわが子は、とてもかわいくて愛おしくて、ついついずっと寄り添ってあげたくなる気持ちは僕も日々感じています。

しかし、いつか子どもたちは必ず親元を離れ、社会へと翔たいていきます。

そこで力強く生きていくためには、感情のコントロールや気持ちの切り替えは絶対に必要です。

今回の僕のサポートは、果たして正解だったのか、今でもモヤモヤは残ります。

でも、最後に見せた彼のあの一瞬の笑み。

それをあと押しできたと捉えれば、また次回からも彼の課題と正面から向き合っていけます。

これを読んで頂いている親御さんも、お子さんの将来をみすえた声かけや手立てをすることで、

たとえ、期待通りの結果が出なくても、長い目で見ると、それは必ず、自立へのあと押しとなっていることでしょう。

お子さんが人生を力強く切り拓いていけるように、勇気と自信を育んでいきましょう!

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