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コラム|分かると気持ち

少年鑑別所や少年院にいる子どもたちの多くは、誕生日を祝ってもらったことがないという。
「おめでとう」と言われないと、生まれてきたことを歓迎されてない気持ちになるようだ。
誕生日にはケーキとプレゼントを準備して、もてなす気持ちが大切なのではないかと思う。


年に一回の歓迎日

愛を感じる瞬間を考えたとき、もてなすがキーワードになる気がする。
田舎のおじいちゃんおばあちゃんの家に遊びに行ったとき、ご馳走を準備して待ってくれていると歓迎ムードになるでしょう。
たまに遊びに行ったのに、もてなしがないと、邪険に扱われた気持ちになるのだ。

もてなすとは、愛の表現といってもいい。

たくさんもてなしを受けた子どもは、人に愛を分け与えることを学ぶという。
人柄がいいね。
そう言われる人は、両親から愛をたくさん受けているのではないかと思う。

年に一回の誕生日をしっかり祝うとは、愛を与え人柄を育てる重要な役割を果たしているのかもしれない。
子どもの誕生日には、少し奮発して生誕を歓迎するといい子に育つという。

歓迎の讃美歌

誕生日の歌、バーステーソングは「Good Morning to All」が起源。
かつて幼稚園を運営していたアメリカ人のヒル姉妹が、園児を迎えるために作曲したものだ。
のちに「Happy Birthday」に変わるが、当時は神の言葉として称賛を受けた。

Good morning to you,
Good morning to you,
Good morning, dear children,
Good morning, to all.

起源となったGood Morning to Allの歌詞だが、日本語に直訳すると「おはよう親愛なる子どもたち」となる。
永い眠りから起きたんですね、この世界へ歓迎します。
そんなメッセージが込められている。

この替え歌が「Happy Birthday」。

Happy birthday to you.
Happy birthday to you.
Happy birthday dear 〇〇.
Happy birthday to you.

直訳すると「親愛なるあなたに生誕の祝福あれ」。

何気なく歌っていたバーステーソングは讃美歌だったのだ。

分かると気持ち

生誕の歓迎をしっかりされてない人は、頭と心が乖離しているという。
頭では分かってるが、気持ちが動かないのだ。
学力をしっかり身につければ、将来役立つことは分かっていても、気持ちがそうさせてくれない。
思春期に勉強したくない根源は、気持ちの操作だという。

理屈とは目に見えてはっきりと分かることで、気持ちとは相反する。
目に見えることと見えないことは、次元が異なる問題だが、見えないことの方が遥かに重要といえそうだ。

気持ちの整理は自分ではできないという。

いかに生誕の祝いをしてもらっているか。
もてなしてもらっているか。
気持ちの整理と両親の育て方は大きく関わるようだ。

毒親という言葉があるが、この言葉の定義はすごく難しい。
何をもって毒親というか。

子どもに愛を与えていれば、それだけで親としての役割は果たしたのだろう。
愛を受けとった子どもは、愛を分け与え、自立して生きていけるのだから。

人生はいつでもどこでも新しく踏み出せる。
少年鑑別所や少年院にいる子どもたちでも、毒親に育てられた人でも。
無理にふみ出す必要はない。
気の向いたときに、赴くままに動けばそれでいいと思う。

変化というのは、すごく身近な存在だという。
思いがけないほど小さな出来事が、良くも悪くも変化をもたらすのだ。
まさか自分が刑務所に入ることになるなんて。
まさか自分が結婚するなんて。

人生は何が起こるか分からない。
何が起こるか分からないからこそ、愛を受けていたい。

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