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【超入門!三島由紀夫】花ざかりの森・憂国/自選短編集【読み方のコツ徹底解説】

三島由紀夫が自ら選んだ13作品の短編集である『花ざかりの森・憂国』を読みました。

私はこの記事を書いている2021年10月の時点でで30代半ばになりますが、これまで三島作品に触れたことはありませんでした。なのでこの投稿は「今まで全く三島由紀夫作品に触れたことがない人」に向けて書いているということをご了承ください。

短編集『花ざかりの森・憂国』とは、三島由紀夫本人が厳選し、解説も担当した短編集です。タイトルにもなっている十六歳で書き上げた三島由紀夫の名を世に知らしめた超有名作『花ざかりの森』と、自刃してこの世を去った三島由紀夫の生き様が凝縮されたような作品『憂国』を含む全13作品の短編集です。

読み方のコツとしては巻末に収録されている三島由紀夫本人による解説をまず読む方がいい思います。

なぜならタイトルにもなっていて、この本の最初の短編であり、かつ十六歳の三島由紀夫がデビュー作として発表したことで有名な『花ざかりの森』が正直言って難解すぎるからです。

短編集だとおもって軽い気持ちで読み始めると、『花ざかりの森』のムズカシさにめんくらってしまって

「え‥‥三島由紀夫の作品て全部こんな感じなの?難しすぎるんだけど。てか短編集だからあと12作品もあるんだけど楽しめる気がしない。もう読むのやめよっかな‥‥」

となってしまうおそれがあるからです。というより私は完全にそうなりました。

三島本人による巻末の解説では『花ざかりの森』にはもはや思い入れはなく、本のタイトルを『花ざかりの森』としたのは出版社の意向ということもありやむなくそうせざるを得なかったとがわかります。

『花ざかりの森・憂国』という短編集の本質は、三島本人が「私にとってもっとも切実な問題を秘めた作品」と定義している『詩を書く少年』と『海と夕焼け』と『憂国』の三作品にあります。

なので、『花ざかりの森・憂国』という短編集の読み方は・・・

①まず三島由紀夫本人による巻末の解説を読む

② 『詩を書く少年』と『海と夕焼け』と『憂国』の三作品を読む。

③解説で説明されている内容が気になった作品を読む。

という順番がいいんじゃないかと思います。

『花ざかりの森』の難解さによって完全に『三島作品酔い』状態になってしまったので「もうこの本読むのやめようかな」と思いましたが、「せめてタイトルになってる『憂国』だけでも読もう」という気持ちになれて本当に良かったです。

私は結果的に「花ざかりの森→憂国→詩を書く少年→海と夕焼け」という順番で読みました。

ここまで「読んだんなら残りの短編も読むかぁ」という気分になれたので、残る9つの短編も勢いで読むことができました。

代表的な3作品に加えてのこり作品にかんしてもそれぞれレビューを書きました。つづきはこちらです


読んでいただきありがとうございます。この記事の内容がちょっとでもあなたの人生の役に立てばうれしいです。