77「MとRの物語(Aルート)」終章 ゲームオーバー

ついに第一部、最終話。
これを書くために生きてきた、と
思わずにはいられない。

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終章

 シチショウホウコク シチショウテンセイ
 アラヤサウナリ マクマノメイドウ

 神によってこの男の身体に叩き込まれた俺は、
 こいつの謀略を辛うじて回避して、今これを書いている。
 そう、右腕さえ動けば支障はないのだ。

 それにしても……。
 神どころかMまでも下僕としてしまったあのRという少女は、
 一体なんなのだ。
 あいつのおかげで、未来はどんどんと変貌している。
 神を食らい尽くして自らが神になろうとは。
 Rとは一体……。
 
 また、月がざわめいている。
 Rが何かしたのか?
 また未来が変わってしまったのか?
 
 もう、無理だ……。
 未来を知るために、
 阿頼耶識(あらやしき)にアクセスするたびに、
 俺の身体の一部が欠損する。
 もうそろそろ、脳か、右手がやられるだろう。
 だが、見ずにはいられない。
 震える右手で、俺は阿頼耶識にアクセスする。

 見えた未来に俺は……。
 そこで俺の思考は、真っ白になった。
 ゲームオーバー。

               2018年2月21日 もう一人のM

「MとRの物語・豊饒の海 第五巻・鮎の奔流 了」

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