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2022年 ワダデミー賞

2023年、本年もよろしくお願いします。

毎年この時期になるとnoteから今年の活動報告が送られてきます。
22年はnoteに7本投稿し、全部で951回読まれました。1年で10本くらい書くかとか言っていた気がしましたが、すっかり忘れていました。
今年こそ?
ちなみに、22年に読まれた記事で一番閲覧数が多かったのは「てづくり THE HAND待ち」だったようで、この結果は意外でした。
システマ関連の方が受けがいいのか、「てづくり」のように少し専門性が高い方がいいのか。。

どうなんでしょう。

まあ、映画についてはいくらでも書いている人がいるので、もう少しシステマについて書いた方がいいのかなと思いつつ、セミナーみたいに大きいのがないと書きにくいなというところもあります。
23年はヴラッドセミナーが予定されているので、それについては書こうと思っています。

ちなみに僕の23年のシステマにおけるテーマはストライクです。
この前、ストライクというのは自分のシステマを体現するものでもあるという話をしていて、それもそうだなと思ったのと、僕の場合ソフトであることが弱さになってしまっていることもあるので、1年かけてもう一度見直してみる予定です。

さて、それではワダデミー賞の発表でございます。
順番は去年を参考にしています。

「音楽賞」
“RRR S・S・ラージャマウリ監督”
“RRR”。作品賞にノミネートされていましたが、他の音楽賞が若干弱めだったことと、音楽とダンスは一体だよなと思い直し、RRRです。
未だにナーチョダンスは毎日のように観ているので、音楽・ダンスの融合系として、今回はRRRとさせてください。

「午前10時で賞」
“ゴッドファーザー 最終章 マイケル・コルレオーネの最期 フランシス・フォード・コッポラ”
午前10時という名のもと初見の名作・旧作を挙げさせていただいています。
ゴッドファーザーシリーズは午前10時で観させていただきました。ありがとうございました。
上半期のところでも書きましたが、上記は72年の公開から50周年を迎え、“ゴッドファーザー PART III”を再編集した作品。編集の妙でストーリーの捉え方自体が変わるのをこの大作で味合わせていただきました。監督がディレクターズカットを出すわけです。
旧作でいうと、22年はゼレンスキー大統領の発言を受けてチャップリンの映画を初めて劇場で観ることができました。未見だった“キッド”を劇場で観ることができたのは嬉しかったです。

「配信賞」
“ジェニファー・ロペス 〜ハーフタイム〜 アマンダ・ミケーリ監督
2020年のスーパーボウルでのハーフタイム賞の舞台裏ドキュメンタリー。最近観た、ナイブズ・アウトの続編 “Glass Onion:A Knives Out Mystery ライアン・ジョンソン監督”も面白かったですが、展開が若干無理やりだったので、内容的にもジェニファー・ロペスに軍配が上がりました。
ちなみに、23年のハーフタイムショーはリアーナです。
今から楽しみです。

「アニメ賞」
“THE FIRST SLAM DUNK 井上雄彦監督”
スラダンはやはり強し。展開からセリフまで覚えていてもグッとくるのは強いですね。
これでSecondが三井版で出たらさすがにウっとなる気がしますが、とりあえずここまでは良かったです。
久しぶりの再会だったので、そこまで元々の声優さんの記憶がなかった(もともと漫画派ですし)のが、個人的に声に違和感を覚えにくかったので良かったかもしれません。

「ドキュメンタリー賞」
“クロティルダの子孫たち 最後の奴隷船を探して マーガレット・ブラウン監督”
これもネットフリックス作品なので配信賞でも良いのですが、ジェニファー・ロペスと分け合った形です。最後の奴隷船で連れて来られ、南北戦争の後に帰ることができずにアメリカに残された方々の子孫のドキュメンタリー。あんまりルーツというものを気にして来なかった自分ですが、新たな視座を与えられました。本当に環境・文化がアイデンティティに与える影響の大きさは計り知れないのですね。
当たり前といえば当たり前なのでしょうが。

「アクション賞」
“ヘルドッグス 原田眞人監督”
これは文句なしでいいのではないでしょうか。
岡田師範もさることながら、坂口健太郎さんもいい味を出していてよかったです。
来年は21年のアクション賞を取った“ベイビーわるきゅーれ”の続編が出るので、今から楽しみです。

「主演賞」
三浦透子 “そばかす 玉田真也監督”
21年助演賞を取った三浦透子さんの初の単独主演作品です。
ただ海を眺めているだけの場面で今これだけ語れるのはこの人だけではないでしょうか。
ハードボイルド。
声にならない声をチェロで表現していたそばかすが、チェロから離れ主題歌「風になれ」を歌う。この流れがとても素敵でした。

「助演賞」
ムロツヨシ “川っぺりムコリッタ” “神様は見返りを求める” 
ノミネートは主演賞だったムロツヨシさん。
実際主演ではなかったので、収まるところに収まった形です。
この人がいるから作品が輝ける、稀有な俳優さんだと思っています。

「特別賞」
“愛なのに 城定秀夫監督 今泉力哉脚本”
“窓辺にて 今泉力哉監督”
ワダデミーには欠かせない存在である、今泉監督と城定監督。監督賞でも作ればいいのかもしれませんが、今回は特別賞で落ち着かせてください。どっちの作品もめちゃくちゃ好きですが、他に入る隙間がありませんでした。

「作品賞」
“ケイコ 目を澄ませて 三宅唱監督”
ダークホースといえばダークホースでしょうか。アカデミー賞に絡む映画は、なかなか入りにくいワダデミーですが、それらの作品を加味してもおそらく22年のワダデミー作品です。
最近観たばかりの映画(公開中)です。この作品は正直、岸井ゆきのさんが圧倒的で、SNSでは怪物と評しました。本来であれば主演賞も岸井ゆきのさんだろうというところでしたが、そこはあえて外させていただきました。
セリフが少なく、映像が字幕に切り替わる、ボクシング映画。というところからかチャップリン映画をつい思い浮かべました。チャップリンは弱者の代弁者として演じていた部分もあり、話せない主人公というのは声なき弱者に通じる部分もあったように思えます。
チャップリン映画とは異なり内容としては喜劇ではないのですが、チャップリンの名言にもあるように、喜劇は遠くから見ると悲劇になる(意訳)ので、人生というのは見方次第というところでしょうか。
主人公のケイコは生まれつき耳が聞こえず、悲劇になりうる設定ですが、良くも悪くも描かれるのはケイコの普通の日常です。耳が聞こえないことによる日常の不便さは垣間見えつつも、それ自体が特別なものとして描かれない。逆に映画の中の音が少ないからこそ、こちらが目を澄ませて一挙手一投足を見逃さないように、1人の人間の人生を細部まで見つめることになります。だからこそ誰にもコンテンツ消費されえない物語でした。今年読んで衝撃を受けた「映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ-コンテンツ消費の現在形 稲田豊史/著」に対する一つのアンサームービーではないでしょうか。5分程度に省略された映像や、早送りすることでは味わえない深さを感じました。
三浦透子さんが主演賞を獲った「そばかす」にも通じる部分ですが、声なき人物が声の代替としてチェロやボクシングに取り組み、最終的に声を上げていく。その声は理解や成長の結果であることもあれば、声にならない唸り声で発露していくこともあります。

岸井ゆきの演じるケイコがどんな声を上げるのかは是非劇場にて確かめてください。

さて、ワダデミー賞も決まり、新しい年の始まりです。
22年は最後にオマケというには大きすぎるオマケを貰ってしまいましたが、今年はどうなることやら。
今年もできる限り自由気ままにいきたいものです。
では。

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