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21年ベストブックス

みなさん、こんにちは。
年明けから少し経ちました。いかがお過ごしでしょうか

今日は21年ベストブックスの発表になります。
21年もなんとか100冊読むことができました。これも習慣の力かと思います。
飽きっぽい僕のことなので、映画100本だけや、本だけ100冊、システマだけとするとバランスが崩れてしまうような気がしておりますが、とりあえず3つの柱があることでうまいことバランスをとって生きているのではないかなと思います。

19年は今年の抱負を書いていましたが、今のところ、特にありません。(カズチカ風)

ベストブックスについて、実を言うと去年も書こうとした形跡はありました。
形跡を見てみると、「ワンパンマン」の面白さを語ろうとしたところで力尽きておりました。
僕は力尽きてしまいましたが、衰え知らずの「ワンパンマン」は本当に面白いので、良かったら是非。

というわけで、21年のマンガ部門です。
「呪術廻戦」 芥見下々著 の17巻は良かったですね。同じ天与呪縛のフィジカルギフテッドの身としては(呪力がないという意味で)、真希さんをこれからも応援していく所存ではございますが、18巻で真希さんの出番がなかったので、

21年【マンガ部門】ワダデミー賞は

「葬送のフリーレン」 原作:山田鐘人 作画:アベツカサ

となります。魔王を倒した勇者パーティーの物語。仲間の死後、ほぼ不老不死のエルフが人間の弟子を取ったことで人間の感情を理解していく。本当に長年生きたエルフが描いているのではないか、と錯覚するほどの視座から生まれるセリフがたまらなく好きです。現時点で6巻なので、すぐに追いつけます。そんなところもベストなわけで。


【小説部門】

柚木裕子著 「孤狼の血」

映画でも有名になった孤狼の血。21年のワダデミー主演賞は鈴木亮平さんでした。映画を観た時は(いつものごとく)「これが今年のワダデミー賞じゃ」と思うのですが、本を読んだら、「本の方が面白い」と、いつの間にやら柚木さんの大ファンに。僕としては「朽ちないサクラ」もお勧めですが、柚木さんと出会わしてくれたという意味で、「孤狼の血」とさせていただきました。
ワダデミー賞の“少年の君”でも触れましたが、柚月さんの人気シリーズの1つ、佐方シリーズ「最後の証人」では佐方が真実を求めて、触れられたくない秘密に迫っていくのがクライマックスになります。シリーズの中では佐方自身の秘密にも迫っていく場面があるのですが、究極の秘密というのは明かされるべきなのか、明かされ救いを求めるべきなのか。最近の世論的には、明かされるべきという意見が強い気がしますが、果たしてそうなのか。最近観た話題作でも、過去作に救いを与える場面がありましたが、その結果良い映画になったのかどうかが少し悩みです。そういった思いをもってしまうので、“マンチェスター・バイ・ザ・シー”が私はいまだに大好きな作品の1つにあります。

【エッセイ・その他部門】
ノミネートの時にはノンフィクションと言っていましたが、おそらく適切なジャンル分けではないはずと思い、変えました。ノンフィクションは小説の一ジャンルのはずで・・・
とはいえ、よくわからないので困りました。自己啓発というには嘘くさく、学術本というには雑多すぎる。エッセイとも違うような気はします。(僕にとってはエッセイの括りで読んでしまっていますが)
近いうちに雑誌かなんかで勉強します。


佐伯夕利子著 「教えないスキル ~ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術~」

クラブサッカーチームのビジャレアルのカンテラ(育成組織)では、どう教育すべく考え、日々悩んでいるのかを取り上げた本。サッカー、スポーツのみならず、子供、人との関わり合いについて考えさせられる1冊。どこに主語をもっていくかという発想が目から鱗でした。


【ベストブックス】

土井善晴×中島岳志 「料理と利他」


21年は利他というキーワードに多く触れた年でした。私が好きでよく取り上げている伊藤亜紗さん。最近では利他学という新しいジャンルを作り出し、究極のリベラルアーツとして、あり方を学ぶ場を担っています。
今回のこの本はタイトルからもそのジャンルの1つと言える作品で、料理研究家である土井さん、政治学者である中島さんがそれぞれの視点で分野を語ることで、分野を超え利他へ繋がるという経験ができ、面白い作品でした。中島さんは東京工業大学のなかにある人文社会系の研究拠点「未来の人類研究センター」のメンバーで、日々、伊藤亜紗さんとも利他について議論しており、「「利他」とはなにか」に参加したり、「思いがけず利他」を書いています。「料理と利他」は土井さんが家庭料理について語り、家庭料理の意義を見直すことが世界の在り方にも繋がり、そこから中島さんの政治の話になり、利他に繋がっていく。この繋がりというのが面白いもので、利他関係の本を読むようになったこともありますが、立川談志師匠の「あなたも落語家になれる」や、鷲田清一の「「聴く」ことの力」へも繋がり、私自身への縁の繋がりも出来ました。
「家族と社会が壊れるとき」も良かったのですが「人新世の「資本論」」、そして今読んでいる「HUMAN KIND」が繋がっていく気配があり、結論を出せなかったので、今回は「料理と利他」をベストブックスとしました。もちろん、利他との縁の始まりに感謝の意を込めて。

以上、ベストブックスでした。

22年はどのような本と出会えるでしょうか。本との出会いも一期一会。1つ1つの出会いを大切にいきたいところです。


参考文献
柚木裕子著 「孤狼の血」、「朽ちないサクラ」「最後の証人」
是枝裕和×ケン・ローチ 「家族と社会が壊れるとき」
土井善晴×中島岳志 「料理と利他」
伊藤亜紗編 中島岳志×若松英輔×国分功一朗×磯崎憲一郎 「「利他」とはなにか」
佐伯夕利子著 「教えないスキル ~ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術~」
原作:山田鐘人 作画:アベツカサ 「葬送のフリーレン」
芥見下々著 「呪術廻戦」 
原作:ONE 漫画:村田雄介「ワンパンマン」

鷲田清一著「「聴く」ことの力」
斎藤幸平著「人新世の「資本論」」
中島岳志著「思いがけず利他」
立川談志著「『現代落語論』其二 あなたも落語家になれる」

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