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ドキュメンタリー映画をいかに観るか

GWも終わり、少しずつ緊急事態宣言も緩和され始めております。

皆さんいかがお過ごしでしょうか。

良いニュースとしては、RADWIMPSがついにサブスク解禁になったことでしょうか。聴いている方も多くいるのではないかと思います。
ちょうど10年ほど前の高校生だったころによく聴いていたので、少し懐かしんでみたりもしました。10年前の記憶はあまり残ってないもんですね。5年前のこともろくに覚えていないので当たり前なのですが。
自分としては4つ目のアルバム~おかずのごはん~ から、「君の名は」と「天気の子」までかなり空いてしまったのでその間の曲をあまり知りません。おススメありましたら教えていただければと思います。

さて最近は、週に2回程度開催されている「zoomで映画を観る会」に参加しています。参加人数は6人程度なのですが初対面の方だらけだったので、人見知りの自分としては大丈夫かなと初めは不安でした。しかし、いざ映画を観終わり、話してはじめると、初対面とはとても思えないくらい盛り上がりました。共通の映画を観るという体験がこれほどまでに良いものだとは今まで知りませんでしたね。自分の記憶では4人以上で映画を一緒に観るという経験は今までなかったように思います。特に終わった後にその映画について語り合うことはなく、語り合えることがこれほど素敵なものだとは自粛するまでわかりませんでした。

映画を観る会の素晴らしさについては次回。
本当に素晴らしいので是非やってみてください。

制限を楽しめるかどうか

今回はその会で観た「ラッカは静かに虐殺されている」。会の中で教えてもらった「ホワイト・ヘルメット」そして、「ホワイト・ヘルメット」と同じ監督の作品「ヴィルンガ」を一日に観てしまった話です。すべてドキュメンタリー映画。
先に言っておきますが、ドキュメンタリー映画は一日に何本も観るものではないです。特に今回の3作はどれも重い話なので、非常に疲れてしまいました。。

観た順番にいくと「ホワイト・ヘルメット」はシリア民間防衛軍の話です。内戦の続くシリアで爆撃による被害者の救護を行うボランティア団体ホワイトヘルメット。40分程度で観れるので、とても観やすく、内戦の中で希望を持つことができる映画になっています。
「ヴィルンガ」はマウンテン・ゴリラの住むコンゴの国立公園の中で石油が見つかり、公園・ゴリラを守りたい職員、石油を掘りたい民間企業と政府、密猟家、そして反政府軍の4つ巴の話です。4つ巴だけでもややこしいのに、そこに政治と金の問題が渦巻き、それに巻き込まれていく野生動物。という、なんともいたたまれない映画になっております。
レオナルドディカプリオが制作総指揮をしたとかなんとか。
そして「ラッカは静かに虐殺されている」。ハードな映画です。ラッカは静かに虐殺されているとは組織名で(Raqqa is being slaughtered silently)通称RBSS。ISが首都と決めたラッカ。ISによってどんなに酷い状態になっているのかを国内外にいる市民がSNSを使い、命がけで情報発信していくドキュメンタリー映画です。

僕は今まで歴史、政治系のドキュメンタリーはあまり見たことがなかったように思います。

ミュージシャンのは観ているのですが。。。ジェームス・ブラウン、トゥパック、オアシス、ビヨンセ、ホイットニーヒューストン、エリック・クラプトンなどなど。一番のお気に入りはクラプトン。音楽ではありませんが、芸術つながりで言うとセルゲイ・ポルーニンのドキュメンタリーは素晴らしかったです。観た後についポスターを買ってしまうくらい美しい動きと身体(顔も)でした。

今回観た3作はすべて一般市民の話です。それぞれの状況に置かれた市民がどのような行動をとったのか。どう感じたか。

3作連続して観てみて、ドキュメンタリー映画が撮られる意義としては3つあるのではないかと思います。

1つ目は、語られてこなかった人々を語る。ある種ニュースと似ていますが、語られてこなかった人々の声が他の国の人々にも伝わることで、動きが起こる。起こす。


2つ目は視点を変化させること。ドキュメンタリー映画であるということは、その人たちが活動している姿だけでなく、生活している姿や悩んでいる姿をさらけ出します。スーパースターだと思っていた人が一般人の自分に似た部分を持っていることを知る。その人の経験を通して、物事をみる。今回の3作で言えば、全員市民なので初めから入り込んでしまう。入りこめてしまう。(これは言われて気が付いたのですが)携帯の着信音が普段聞いているものと一緒だったりして、親近感をもたされたところで、普段何気なく見ていたニュースを見せつけられる。何より見方が変えられる瞬間です。「ラッカ」で言うと感情移入し始めたところで、ドイツに逃げたラッカの人々がドイツの移民へのデモに直面する。ニュースでは流れていくだけの情報が途端に実体を持ち始めます。

3つ目は物語として成立すること。ドキュメンタリーとはいえ映画であるので、ひとつの物語として完結します。しかし、完結させられることで浮き上がってくる、完結していない現実。これによって自分たちの現実とリンクしているのだ、と突きつけられます。

本来的には映画というものはすべて現実とリンクしています。それがメタファー(最近では劇中でメタファーだと説明することもあります・・・)であるというだけで。最近の映画では特に「ジョーカー」は上の3つを満たしていたのではないでしょうか。少しずつ自分の視点がジョーカーのそれと重なっていく。それがアメリカで危険視された所以でしょう。もちろん「ジョーカー」がそうであるなら、「パラサイト」「万引き家族」「家族を想うとき」なんかも同類と言えるでしょう。

特に名作と呼ばれるものはその当時に限らず、今見ても感じるところがあると思います。チャップリンの「独裁者」「モダンタイムズ」あたり。

今、家にこもり映画を観る機会も多くあるかと思います。僕も物語が大好きですが、たまにはドキュメンタリーを観て、現実を見つめるというのも大切なことかもしれません。

1人で抱えきれない時は是非zoomがおすすめです。制限を楽しむ。これも立派なサバイブです。

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