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好きだった人がゲイだった


去年好きだった男の子がゲイだった
わかんない もしかしたらバイかもしれないけど


わかったのは一昨日


文化祭に彼が着てきたクラスTシャツの背ネーム


「男の子好きかも」


の7文字


彼はずっと教室の隅のかべに背中を向けていて
準備期間背中はずっと見えなかった


彼もむやみに人に見せたくなかったのだと思う



片付けの時彼が近くに来て
私だけに背中を向けた
本当に自然に


その黒々としてどっしりしたフォントで書かれた文字が目に入るなり

撃たれたような勢いで何か多分過激な物質が
脳から分泌されてぐわんぐわんした

そしてゆっくり息を吐いた



『うん、そうだと思ってたよ』


この言葉が1番最初に浮かんだ


真っ先にそう声をかけたかった


 
教えてくれてありがとう

勇気を出してくれてありがとう

言葉で言うには難しすぎたから
静かに教えてくれたんだよね

そうだよね

実はね私もセクマイ(セクシャルマイノリティの略称)なんだよ

両性愛者なの

いつ気づいたの

ずっと不安だったよね

私ちょっと気付いてたよ

私の直感はほとんど当たるから

でももし本当にそうだったらって想像したら

実はこわかったの


ってことはさ

バレンタインの日私が勇気出して呼び出して
渡した手作りのスコーンは

あなたにとっては本当にただの「スコーン」
だったかもしれなくて

笑顔で受け取ってくれたのに

複雑な思いだったよね

ホワイトデーのお返し 
貰ってめちゃくちゃ嬉しくてその日
寝る前までずっとニヤニヤしてたんだよ

知らなかったでしょ


つまりはあの時の私はあなたの恋愛対象ですら
なかったかもしれないってこと?

学校の宿泊行事で私が勝手に誘ったビデオ通話は
どんなつもりで出たの なんで断らなかったの?


パジャマはセットアップだったよね 多分GUの

似合ってたよ お風呂上がりもかわいかったよ

こんなにつづっても 思い出が蘇ってきても

“would have been”と“might have been”
の文に全部の気持ちがなっちゃうのはなぜ?

今になってまた思い出してしまうよ
悪いけどもうこれ以上思い出させないで欲しい


ごめんね あなたは何も悪くないのに



でも やっぱりそうだったんだ




かわいい男の子って感じよりむしろ

髪も雰囲気もふわふわで いじられキャラで
いつもほっぺがじんわり赤くて 英語が苦手な

女の子みたいと思ってた


すっごい変かもしれないけど
最近読んだ本の影響モロ受けなんだけど

お母さんのお腹の中にいた時に女性ホルモン
沢山浴びたんだろうなぁって考えてた 

おかしいよねほんと



きみは本当に綺麗な目をしてるよね

きみの目に最初に惹かれたの


目があった瞬間催眠にかけられたような感じ
そして私はもう目を逸らせなくなるあの感じ


キリがない 終わらない 



思い出す 蘇る 思い出す 蘇る


の永遠ループ



安心して 決して病んではいから

ただこう 飲み込めなかったの



この感覚はなんなのだろう


辛くない けど甘くもない いやちょっと甘い?

人工甘味料のような甘さかな 

サトウキビの甘さじゃない


酸っぱい にがい もあるかも
甘い も もちろん


多分酸っぱいのは私のあなたから貰ったキュンで

にがいのはあなたの複雑な気持ちかな
それとも申し訳なくなってる私の気持ちかな

きっと甘いのはあなたの笑顔の顔の脳内スクショ



また友達でいいからセクマイ同士仲良くしたい
初めて同じ高校で会ったセクマイの人だから


好きだったよ 


でもゲイだと知った今のあなたも好きだよ


頑張ろう お互い

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