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そこで鳴っている音楽

私は今うつ病だと診断された。
薬を処方してもらって飲んでいる生活。
地味にとてもしんどい日々が続いている。

(ただ、先にいっておくと別に暗い話をしたいわけじゃない。)

私は自分がつらい時、誰かに励まして欲しいわけでもないし、話をうんうんと聞いて欲しいわけでもない。
話すのは億劫だし、このつらい状況の話なんて一度医者にするので精一杯だ。分かりやすい優しさも邪魔になる。気を使う。それだけいっぱいいっぱいなのだ。

自分の問題は自分にしか解決出来ない。こういう言い方をすると悲しいように聞こえるかもしれないけど、それは事実だと思うし事実だと思えば受け入れるのも逆に簡単かもしれない。
もちろん支えられることはあっても結局自力で立つしかないのだ。

だから他人があれこれ手を打ってもあまり大した解決策にはならない。

そんな時に一番して欲しいこと、それはただそばにいて欲しい、それだけ。何もしてくれなくて良い。それだけで私の世界とあなたの世界は同じだと分かるから。

うつって自分が世界に一人だけ取り残されたような気持ちになる。先が見えなくてとても不安。

そんな中
フジロック配信を見た。

その孤独な世界でも音楽が鳴っていた。自分が好きだと心で感じた音楽が今日も聴こえる。

一人で閉じこもったはずの世界にも届く音楽は私にとって唯一の光のように思えた。
音楽の持つ力は凄いと(文字にするとチープだけれど)ずっと昔に知っていたはずなのに忘れてしまっていた。

フジロック
とても遠い場所のはずなのに配信でこんなにもすぐそばに、強くて確かな優しさを感じられた。世界は同じだった。

少しでも兆しが見えたような気がした。

気付いたのだ。
憂鬱な日々から抜け出す兆しになるのが音楽なのだと。何をしてくれた訳ではなくともただそこで鳴っているだけでこんなにも心強い。優しい。

どんなに閉じこもっても音楽が聞こえる限り光は確かにある。それだけは間違いない。

どんなにつらい日々でも、元気がなくても笑えなくても、それぞれにとって歌える歌がありますように。

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