「君が降る日」島本理生

《春が二階から降ってきた》とは伊坂幸太郎さんの「重力ピエロ」の一文ですが、君が降る日とはどのような意味があるのでしょうね。
本当の脱線ですが、僕は空から美少女が降ってこないかなぁとか、食パンくわえた美少女と街でぶつからないかなぁとかたまに考えます。
そうです。僕はやばい奴です(^ ^)
きっと今年もやばい奴ですが、愛想が尽きるまではお付き合いください(^ ^)

本書は3つの話からなる短編集です。
表題作の「君が降る日」は涙なしには読めない作品でした。
「冬の動物園」は英会話教室で出会った男との動物園デートの話です。
この話はこの段落以降書かないので脱線させますが、爬虫類を見ながらヒャーヒャーいう人はとてもかわいいですね。もちろん虫や爬虫類をむんずと捕まえる人もかっこよくて憧れますけど(^^)
「野ばら」は複雑でした。
高校の同級生で仲良くなる佳乃と祐。
ある日のクリスマスパーティーでより親密になったのは佳乃の妹と祐の兄だった。というものでした。
これは現実にありそうな気がしますね。
(ここからは幻冬舎文庫の話です)
解説は角田光代さんで、あとがきは文庫版あとがきと合わせて2つあります。
発行は2009年でしたが、「君が降る日」の話は東日本大震災とも通ずるとのことで、震災後、大幅に改稿されて発売されました。

さて、本題です。
「君が降る日」は2部構成です。
「長き夜の章」は事故のシーンから始まります。
志保と降一と付き合っていましたが、不幸な事故で降一を亡くしてしまいます。
事故のとき、降一を乗せた車を運転していた五十嵐拓はすべて自分に責任があると志保と降一の母親に頭を下げ続けました。
しかし、降一の母親は時折、情緒不安定になってしまい、責任を感じた五十嵐は福岡へ転居することを決意します。
志保は福岡行きを決めた五十嵐を見送り、いつかの再会を約束します。
「浅き春の章」は降一の死から1年後です。
志保は大学に復学し、一般的な大学生的な生活を取り戻しつつあります。
五十嵐は志保に手紙を書き、志保は五十嵐に会いに行くことにしました。
博多で五十嵐と過ごす4日間、彼の中にいる降一との記憶は降一を悼む気持ちから五十嵐への想いに変化していきます。
同じ哀しみを抱えるもの同士惹かれ合うみたいですが、果たしてこの2人、上手くいくんですかね?

ここまで、淡々と書きましたが、愛する人を失うことはとてもつらいことだったろうと思います。
志保にとってはもちろんのこと、五十嵐も運転手としての責任が重くのしかかります。
志保は五十嵐にトゲトゲした態度をとってしまいますが、それは仕方のないことかもしれませんね。
僕が涙したのはこの物語にではなく、当時の好きな子の名前が志保に近かったからです。
やはり、生きていないと、直接は愛せないのだと思うと、長生きしたいなぁと思いました。
こんな感想で今回は締めます。そろそろ仕事始めだ〜。
楽しみです(本心^o^)

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