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チーム内ブランディング

何をやるか<どうやるか

コーチングしているチームが先日他のチームと交流戦。
ボロ負けしたー、とメンバーや周囲が言ってたけど、単純に1人ひとりの意識が相手の方がより高いというだけに見えました。
みんな頑張ってるし、やりたいことも分かる。
なので、試合結果をうけて今後どんな練習をするか、というより、今後どんな気持ちで練習に取り組むかを検討するほうが早いなと考えました。

しかし、どうしても意識を高く持てていないメンバーもいるので(プロでやってるわけじゃないので当たり前)、そこをなんとかしてチーム全体の意識を高く持っていき、同じ練習をやるにしてもより効果を得られるようにできないかと。
普段の練習内容がおかしいわけじゃないと思うので、取り組み姿勢を変えることによってより高い効果を得られるような状態にしたいわけです。

ブランディング

そこで、チームの主要メンバー数人と話をし、チーム内で「よりよいチーム」のブランディングをしよう、と言うことになりました。
まず、主要メンバー数名と僕とで共通のワードを作りました。
ここでは仮に「マオリ」としましょう。
練習中なんとなく空気が良くない時などに、A君(仮)に対して
「A、マオリ!」
と言います。
言われたA君は
「おっしゃ!B、マオリ!」
と言います。
何でもいいんですけどこの「マオリ(仮)」は、『勇気』とか『全力』などの意味を込めていて、言われたメンバーはその言葉に誓い、プレーで応えなければいけません。
そして、言われたメンバーは言ったメンバーに「マオリ!」と返したり、他のメンバーに「マオリ!」と声をかけ、バトンを渡します。
声をかけた側、かけられた側は、それをきっかけに再度自分の心の中で気持ちを新たにし、そして「マオリ(仮)」の精神に立ち返り、コールとプレーでチームを鼓舞します。

そして、この活動のポイントは、初動は数人でしか展開しないということです。
このことを知らないメンバーは
「こいつら何か言ってるな?なんだろう?」
となります。
そしてそのうち誰かが
「それ何言ってんの?」
と聞いてきます。
そうするとしめたもので、どういう意味で何をやっているかを説明します。
話を聞いたメンバーは、内容へと共感や仲間入りすることへの特別感を感じ、参加します。
やがてチーム内で「マオリ」コールが増え、チーム全体に浸透していきます。

もし初めから全員に対して説明をしても、おそらく一瞬のブームとしてすぐに終焉を迎えることでしょう。
しかし、意識の高いアーリーアダプターによるティザー的な活動、それを見たアーリーマジョリティが参入することにより、「良いこと」としてチーム内で少しずつ認知が広まります。
「ブーム」ではなく「ニューカルチャー」として導入させ、やがては「伝統」に持っていければと思います。

普通のコールとの違い

スポーツの世界では、「声を出せ」というワードをよく聞きます。
しかしどんな声を出せばいいのかが分からず、結果的に声を出せないメンバーも多々。
そんな中でこの「マオリ(仮)」はプレーに関することではなくマインドに関することなので、誰でもどこでも声に出すことができます。
さらにこれは、自分のプレーへの誓いでありつつ他人のマインドに対する声かけでもあるため、それがチーム内に伝播していくことで、よくある「誰かが声を出せばいい」的な他人事感がなくなります。

焦りは禁物

ブランディングとは、じっくり仕上げていくものです。
決して焦らず、欲張らず、意図的にゆっくり広めるくらいがちょうどいいです。
言葉だけが一人歩きして軽いものにならないよう、まずはアーリーアダプターにしっかりと落とし込み、オピニオンリーダーとして活動してもらうことが第一歩。
2,3ヶ月〜半年くらいかけながらじっくりとチーム内に浸透させたいと思います。

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