いつでも微笑みを

仕事が終わって家に帰り、ご飯を食べてひと段落したときに急にMr.Childrenの“いつでも微笑みを”の歌詞が頭の中に流れてきた。好きな曲だけれど、そういえばあまりじっくり歌詞を読んでいなかったように思う。

タイトルから連想されるのは、とても明るい光景だ。でも、それとは裏腹に歌い出しはとても暗い。

狭い路地に 黒いスーツの人達
急な不幸がその家にあったという
命は果てるもの 分かってはいるけど
何もかも思い通りになったとしても
すぐ次の不満を探してしまうだろう
決して満たされない 誰かが傷付いても

人はいつ死ぬかなんて誰にも予測できないし、それにも関わらず毎日を丁寧に生きてはいないし、少しの不満で憤るし、一向に満たされない。理想を求めれば、求めれば求めるほど苦しくなる。

桜井和寿は「いつでも微笑みを」と高らかに歌う。でも、みんなが自分のことで手一杯で、微笑むことなんて到底できそうにない。困っている他人に手を差し伸べられるような状況でないかもしれない。暗いニュースばかりだ。

いつでも微笑みを
そんな歌が昔あったような
今こそ その歌を
僕達は歌うべきじゃないかなぁ
いつでも微笑みを
そんな歌が昔あったような
悲劇の真ん中じゃ その歌は
意味をなくしてしまうかなぁ

今こそ「いつでも微笑みを」、そんな歌が必要なんだと説き、不安で心が塗り潰されてしまっている状況で、桜井和寿はそんな「いつでも微笑みを」という歌に賭けたのではないかと思う。曲の終盤で「もし僕がこの世から巣立って逝っても/君の中で僕は生き続けるだろう/そう思えば何とか やっていけそうだよ」というフレーズにある通り今は永遠に続くような終わりのない苦しみをそっと抱いて、生き続けるしかないのだと思う。そうすれば、きっといつか本当に心から「微笑む」ことができるのだと思う。

“いつでも微笑みを”が収録されている「IT'S A WONDERFUL WORLD」というアルバムが発売されたのは、2002年のことだ。アメリカ同時多発テロがあったのは2001年のことで、2000年代に突入した世界は全体を暗い影で覆っていたことをまだ幼かった僕でも感じていた。桜井和寿がどこまでそういった世界の悲劇を念頭に置いていたかどうかはわからないけれど、でも、この曲が世に出てから18年経った今でもそれは変わらないと思う。世界は混沌としている。

そんな今だからこそ僕たちには「微笑み」が必要なのだと思う。今はまだ難しいかもしれない。でも、きっとそのときは来るはずだ。

#日記 #雑記 #ミスチル #いつでも微笑みを

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