標準治療(抗がん剤・分子標的薬・放射線)

乳がんはそのタイプによって、治療法は異なります。
わたしは、腫瘍が2cm以下であったため、先に手術をしてから、抗がん剤治療、分子標的薬治療、放射線治療を行う、HER2陽性タイプでした(ER: - , PgR: - , HER2: 3+)。そして、治療期間は1年3か月と長期にわたるものでした。
※タイプが異なれば、治療法も異なりますので、抗がん剤は行わない場合もあります
なお、副作用については、個人差がかなりあることもわかったため、参考程度と読んでただければと思います。

先生より治療方針を聞いたとき、抗がん剤治療というと、のたうち回るようなものを想像してしまいましたし、情報がありふれた世の中でもあり、たくさんの情報を調べたり触れることがあって、不安も大きくなってしまうものです。
わたし自身、治療について正しい知識でのぞみたいと思い、いろいろな情報を自ら取りにいきました。それで余計不安になることもあったので、どちらが正しいかは未だにわかりませんが、主治医の先生や看護師さんを頼りにすることをおすすめします。わたしは腫瘍センターで3週間に一度点滴をしてくれた看護師さんたちにどれだけ助けられたか、感謝してもしきれないほどです。

抗がん剤治療

一番つらい治療は、やはり抗がん剤治療でした。わたしの場合は、手術が割きだったので、体力がある状態でのぞむことができ、これが先に抗がん剤治療から手術となった場合は体力がもったのか不安です・・。
抗がん剤治療は3週間に一回の点滴治療でした。2種類の抗がん剤を4回ずつ、計8回のコースでした。
毎回、はじめに血液検査を行い、検査数値が問題なければ点滴治療という流れでした。体調がつらかったときでさえも、わたしは毎回問題なく、治療に入ることができました。
①エピルビシン、エンドキサン
②パージェタ、トラスツズマブBS、ドセタキセル

気になるのは副作用ですね。
①は、吐き気止めを予防として点滴にも入れて、飲み薬でも取ってから治療に入るので、あまり悩まずにすみました。1クール目は、こんな感じ?と拍子抜けするくらいあまり辛さを感じなかったですが、回数を重ねていくとつらくなっていきました。点滴をして1週間はつらい時期もありましたが、2週目以降は回復期といったルーティーンでした。
治療をはじめて3週間くらい経った頃から、脱毛がはじまりました。女性にとって脱毛はとても心理的ショックが大きいものだと思います。抜けることは事前説明からもわかっていて心していましたが、やはり自身のコントロール外の状況でどんどんと髪の毛が抜けていくのはつらいものでした。ずっとロングヘアだったわたしにとっては特に。
全て抜けきってしまえば、かわいい坊主という感じで笑、見慣れてきます。頭の形はこんな感じなのかと気づいたり、髪の毛を洗ったり乾かしたりすることがいかに大変なものだったかと思いました笑
髪の毛がない状態に慣れるまでは、スカーフを巻くなどしていました。まゆげやまつげ、鼻毛などありとあらゆる毛に作用してしまいました。薬の力はすごいものです。

特に②は、身体の痛み、味覚障害、むくみ、便秘や下痢があり、わたしにとってはつらい治療となりました。ドセタキセルがその要因だったようです。症状別に飲み薬を出されていましたが、身体の痛みに対する対処方法がわからず、初回は苦しんだことを覚えています。
※我慢せずに早めに病院に電話をして、対処方法を相談すればよかったと今では思います。
身体の痛みにはロキソニンを服用することで対処し、便秘や下痢も薬に頼る日々でした。毎日体温や体調管理を記録に残すようにノートを渡されますので、症状を記録したり投薬後にどの時期にどのような症状が出るのか、だんだんわかるようになってきました。
味覚障害の対処方法は、味を感じるものと感じないものをリスト化し、特に味がわかるものを食べるようにしていました。お芋やしじみの味噌汁などは美味しく感じることができていました※あくまで個人差があります。
食欲がない時期もあり、味付けも濃いめにしてもらっていました。あとはのどごしの良いものを意識的に取り、何も食べられないときはカロリーの高いアイスやプリンにしていることもありました。

いずれの症状も必ず回復するので(これは経験からそう言えます)、投薬期間は耐え、現在投薬中の方も、治療しているだけでも既に頑張っていますので、頑張ろうとせず一日一日を過ごしてもらいたいです。必ずやもとに戻ります。

放射線治療

抗がん剤治療が終わった後、全30回の放射線治療がありました。わたしの場合は乳房を温存していたため、標準の25回に加えて、+5回ありました。
土日を除き、毎日数分の照射のために病院に行かないといけないため、通いやすい病院をおすすめします。
わたしは副作用などはなく、乾燥しやすい肌を毎日保湿することを意識していた程度です。人によっては火傷みたいに赤くなってしまう人もいるようですが、その場合はかゆいかもしれません(かゆくてもやはり保湿ですね)。
照射部位を特定するために、マジックで胸に線路のようにたくさん書かれますが笑、いずれ消えますのであまり気にしなくて大丈夫です。

分子標的薬治療

一番長期にわたる点滴治療は、この分子標的薬でした。抗がん剤治療後も、8か月間、パージェタ、トラスツズマブBSの点滴治療を行いました。
分子標的薬は抗がん剤治療と異なり、健康な細胞までも殺さないため、副作用はなく通常の生活が成り立ちました。近年、この分子標的薬の治療ができるようになってきたことにより、生存率が高まっているとも言われています。医学は常に日進月歩であると感じます。
副作用としては、爪が浮いてしまう(反ってしまう)ことくらいでした。これは地味に生活に支障が出ていたので、点滴治療をしている際に、看護師さんにも相談をしていて、テーピングなどを勧めてもらっていましたし、爪切りが自分でできない場合は皮膚科にかかるように言われていました。

全ての治療が終わるまで、1年以上を要しましたが、体力・気力共に辛い時期は4か月くらいです。
治療中は常にトンネルの中にいて、未来のことなど考えられない状況になるものです。鬱の症状も出ていたと思うので、心理的なケアはとても大切だと感じました。
闘病しているのは自分自身で、その辛さを周りはわかってあげることはできません。でも周りにいる特に家族も、同じく闘病に向き合っていることも事実です。いろいろな支え方があると思いますし、もしわたしが支える側になったらどのようにサポートするだろうと考えたりしますが、それぞれのおかれている環境において話し合いながら模索できたらいいと思いました。

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