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北海道の廃線跡探訪 第9回 天北線(9/10)沼川~樺岡間 その2


1.はじめに

ご訪問ありがとうございます。北海道の廃線跡探訪 天北線の第9回です。
今回は沼川から樺岡への2回目です。

路盤を転用した作業用道路を歩いていくと、思いがけず、橋が残っていました。

なお、これからの投稿予定路線などは、下記記事にありますので、そちらをご覧ください。

2.沼川~樺岡 その2:作業用道路転用区間

1/5万地形図「沼川」昭和53年修正に加筆

路盤は送電線建設工事のための作業用道路となり、大型車輌が通れるよう、築堤を削り、拡幅されている。

これでは小鉄橋などはひとたまりもなく、せっかくここまで満を持して?来たのに残念千万だが、これでヤブこぎをしなくてもよくなったという安直な思いもよぎる。

作業用道路に転用された路盤 2020年5月撮影

途中で現場事務所のクルマにあいさつしたら、建設重機や大型ダンプなどの通行もなかったせいか、とくにとがめられなかったので、タツニウシナイ川まで道路を歩かしてもらうことにした。

工事標識によると2020年ころ改修された道はまだ新しく、あまり廃線跡を歩いている気はしないが、路面も荒れていないから快適に歩ける。

前方になにやらコンクリートの塊が見える。
橋台の残骸でもあるのかと思ったら、そこだけ道路が仮設橋(鉄板と樹脂製仮設排水管)で迂回し、コンクリート造の小橋がきれいに残されていた。

残されていたコンクリートの橋 2020年5月撮影

こうなると、この先も期待が高まる。さらに先には同じような状態で橋台つきで小ガーダー橋があった。

レールこそないが枕木も残り、ガーダー側面の消えかかった塗装表示には、「橋りう名や1莫別川」とある。

ガーダー側面の塗装表記 2022年5月撮影

これは「橋りょう名才1幕別川」で、つまり第1幕別川橋梁のことらしい。
しかし、第1幕別川橋梁は、ヤブこぎした区間にあった、管理用通路つきの2連ガーダー橋だから、おそらく書きまちがいだろう。

第1幕別川橋梁? 道路は鉄板を敷いて迂回 2020年5月撮影

この調子でタツニウシナイ川まで行けると、まことに具合よく、はやく先が見たくなる。

送電線建設工事が終われば、用済みになる仮設道路だから(管理用道路になる?)、最小限の工事ですませたのだろうが、たいへんありがたい。

少し行くと、今度は124kmの距離標が横たわっていた。

作業用道路脇に転がっていた124kmの距離標 2020年5月撮影

その先には、第1幕別川橋梁?と同じようなガーダー橋があった。

塗装表記は、かろうじて「第2幕別川」と読めたが、第2幕別川橋梁は、地形図から判断すると、タツニウシナイ川の手前の本流を渡る橋なので、まだ先のはず。これも書きまちがいであろう。

第2幕別川橋梁? 2020年5月撮影

こんどは、124.4kmの距離標(丙号)が立っていた。路盤がこれほど改変されているのに、よくぞ、そのまま残っていたと感心する。

まだ突っ立っていた距離標 2020年5月撮影

さらに行くと、第2幕別川避溢橋梁が同じような状態で残っていた。

第2幕別川避溢橋梁 2020年5月撮影

残念なことに、作業用道路の路盤転用区間はここで終わり、またもヤブこぎとなる。築堤へ上るとすぐ本当の第2幕別川橋梁があった。

これもガーダー2連の鉄橋だが管理用通路がない! 恐る恐る渡りかけたが、長さも高さもそれなりにあるので、高所恐怖症とあっては、やはり無理だった。川も渡れそうにない。

第2幕別川橋梁 2020年5月撮影

どうにも情けないが、どうせこの先は、タツニウシナイ川まで確認すべき橋はない。
おまけに、タツニウシナイ川に架かる龍補川橋梁は、撤去されているから、道路橋までかなり迂回しなければ対岸へは行けない。

出発地点まで戻ることにして、作業用道路から道道121号へ出た。

工事が終った2022年も、これらの鉄道橋はそのままだったが、鉄道橋を迂回していた仮設橋は撤去され、クルマでの通行はできなくなっていた。

建設工事終了後の作業用道路 コンクリートの橋より樺岡方を望む 2022年5月撮影


3.タツニウシナイ川~樺岡

タツニウシナイ川の堤防から樺岡方も作業用道路に改変されている。

こちらは橋の迂回路だけでなく、路面すべてに鉄板が敷かれていた。

鉄板の敷かれた路盤転用の作業用道路 2020年5月撮影

期待どおり、岡川橋梁が残っていた。
ガーダー側面にはイギリスの製造会社の陽刻がある。

岡川橋梁 2020年5月撮影

ほかにもIビームの小鉄橋とコンクリート造の溝橋が残り、樺岡手前の道路との交叉地点で作業用道路は終わっていた。

Iビーム橋 2020年5月撮影


今回はここまでです。おしまいまで読んでくださり、ありがとうございました。

次回はいよいよ天北線最終回です。樺岡を出て南稚内へ向かいます。

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