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北海道の廃線跡探訪(2024年5月訂補版)



1.ごあいさつ

はじめまして。ご訪問ありがとうございます。

この投稿は2009年から2014年にかけて、株式会社エムジー・コーポレーション発行『鉄道で旅する北海道』(季刊誌)で連載された廃線跡探訪の記事が元になっています。

国鉄分割民営化の際に廃止された、北海道の特定地方交通線が中心ですが、ほかの国鉄廃止路線も含まれています。

連載時は掲載時期や時間などの制約もあり、やむなく盛夏にも訪れたうえ、自分の準備・勉強不足で見逃したところもありました。

そこで、連載時にお世話になった編集者のかたのお勧めもあり、掲載誌休刊後も引き続き取材を続け、昨年一区切りをつけました。

2.国鉄地方交通線

交通公社 北海道時刻表 1970年7月号に白糠線延伸区間・線名を加筆 
幌内線・歌志内線・上砂川支線・万字線・夕張線登川支線は線名記入なし

1985(昭和60)年、国鉄再建法により輸送密度などを基準として、第1次~第3次特定地方交通線が指定されました。
北海道では、とくに指定路線が多く(第3次路線はなし)、第三セクターへの転換は、池北線北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線となっただけでした。
第2次特定地方交通線に指定された松前線などは、比較的ましな輸送密度でしたが、結局廃止されています。

すでに廃止から30年ほどすぎ、今では地元ですら鉄道路線の記憶が薄れてきているようです。

広尾ひろおでは、大樹たいき駅手前の国道踏切が、国土地理院地形図修正の後に立体化されているのではないかと思い、大樹町役場に問い合わせてみました。
総合案内(たぶん若い女性)のかたから、「広尾線? バスの時間ですか」と返されました。
国鉄の広尾線です」と答えたら、年配のかたが代わりに出て、最後まで踏切だったことがわかりました。
ほかの地域でも、似たような経験はときどきします。

3.公開中路線

天北てんぽく線(音威子府おといねっぷ~南稚内 全10回)・興浜北こうひんほく線(浜頓別はまとんべつ北見枝幸きたみえさし 全)・富内とみうち線(鵡川むかわ日高町ひだかちょう 全4回)・広尾線(帯広~広尾 全4回)・歌志内うたしない線(砂川~歌志内 全2回)・函館本線支線上砂川支線(砂川~上砂川 全)・留萌るもい本線:留萌~増毛ましけ(全2回)・羽幌はぼろ線(留萠~幌延ほろのべ 全7回)・名寄なよろ本線(名寄~遠軽えんがる中湧別なかゆうべつ~湧別 全7回)・湧網ゆうもう線(中湧別~網走 全4回)・興浜南線(興部おこっぺ雄武おむ 全)・岩内いわない線(小沢~岩内 全2回)・根北こんぽく線・松前まつまえ線(全4回)・美幸びこう線(全2回)

4.投稿予定路線

●掲載誌連載(掲載順)
深名しんめい線・士幌しほろ線・札沼さっしょう線(新十津川しんとつかわ~石狩沼田)・胆振いぶり線・標津しべつ線・幌内ほろない線・万字まんじ

●新規
渚滑しょこつ線・瀬棚せたな線・白糠しらぬか線・池北線(北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線 池田~北見)・相生あいおい線・手宮てみや線・函館本線支線(南美唄みなみびばい支線)・夕張線支線(登川のぼりかわ支線)・江差えさし

5.廃線跡の探訪

北海道での廃線跡探訪の適期は、初春(雪どけ直後)→晩秋(降雪直前)→春→秋の順(冬=積雪期は原則的には無理。夏は不適)でしょう。

早春は、雪どけ直後に、すぐササが起き上がっています。グズグズしているとイタドリなども、あっという間に生長してくるので、油断できません。

晩秋は、イタドリは枯れたとはいえ、まだ突っ立っているし、ササは夏と変わりないので、あまり条件はよくありません。

天北線音威子府~上音威子府間の築堤 これでもまだマシな方 2012年8月撮影
農業倉庫が残る深名線上多度志駅跡 積雪で近づけない 2013年2月6日撮影

現地を訪れ、自分の目で直接確かめていますが、写真すべてを投稿するのは無理なので、主要なものに限りました。

また、天北線沼川~樺岡かばおかのように、取材時は工事用道路に転用されていても、工事終了後しばらくすると、再び元のヤブのようになってしまうので、その当時の記録として見ていただければと思います。
そのため写真には撮影年月を入れてあります。

天北線沼川~樺岡間の工事用道路転用区間 2020年5月撮影

近年、毎年のように廃止された路線は、まだ駅舎などを除き、線路や橋などはほとんどそのままのところが多いので、まだ訪れていません。

とはいえ、休憩のためいつも立ち寄る根室本線幾寅駅 ここもついに廃線の仲間入り
2024年5月撮影

取材にはオフロードバイクで行っています。北海道の廃線跡への道路には林道・農道クラスも多く、クルマでは対向車があったときに難渋するし、迷惑がかからず、かつ安全に駐車できる場所を見つけるのも難しいからです。

20年以上同じバイクに乗っていましたが、長距離取材先でたびたびエンコするようになり、山中だと大変(携帯電話不通のところも多い。そもそも持っていない)なので、10万㎞を目前についに買い換えになりました。

万年初心者レベルなので、取材時は細心の注意を払っています。

近ごろは1日400㎞を超えるような長距離走行は、ツラくなってきたのが悩みです。まあ、これも歳のせいだと諦めてはいますが。

冬の旧幌内線唐松駅 2012年12月撮影

6.おわりのごあいさつ

これからシゴトのヒマなとき(だいたい、いつも。〝無職〟ではないつもりです!)、順次投稿していきます。

わかりづらいところやまちがいなどがあれば、ご指摘ください。

これからも、おつきあいいただければ幸いです。

7.おまけ

廃線跡探訪とは別に、「北海道 鉄道残照~失われた鉄道の遺産あれこれ」と題し、短く軽めのものを投稿しています。

こちらもご覧くだされば、幸いです。

「北海道の廃線跡探訪」ともども、どうかよろしくお願いします。

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